なおラヴクラフトが創造した邪神の代表例であるクトゥルフは夢に干渉する能力を持っているが、ドリームランドとの関係について、ラヴクラフトの作品では特に掘り下げはない。またダーレス神話ではドリームランドをほとんどスルーしているものの、一方で重要アイテム「五芒星形の石」(旧神の印)は古代ムナールが産地とされている[注 2]。 ラヴクラフトの作品においてドリームランドは固有名詞ではなく普通名詞であり、地球のみならずフォーマルハウトやアルデバランにもそれぞれのドリームランドが存在するが、それらに人間が到達することは非常に困難であるとされている[3]。地球のドリームランドはおおむね四つの地域に分かれている。 あらゆる夢見人の中でもっとも偉大な人物とされるクラネスが夢見て創造し、その王となったセレファイスがある。その彼方には、危険に満ちた禁断の地がある[4]。 炎の洞窟から700段の階を降りていくと「深き眠りの門」があり、ここがドリームランドの入口である。他の名所としてはドリームランド最大の都市のひとつであるダイラス=リーン、「何人たりとも猫を殺してはならぬ」と法律で定められたウルタール、交易都市フラニス、砂漠の町イラーネクなどがある。また伝説の地ムナールがあり、そこで産出される灰白色の石は旧神の印を刻むのに使われる[5]。ムナールの地はサルナスの廃墟があることでも知られている[注 3]。 オリアブ島があり、東方のダイラス=リーンから船で行くことが可能である。また『白い帆船』で語られている楽園の地が存在する。 畏怖されるレン高原が存在し、角と蹄を備えた亜人や紫色の蜘蛛が住んでいる[注 4]。レン高原の彼方にはカダスがあり、神族「大いなるものども」の居城が山頂に築かれている。 ドリームランドの地下には広大な空間が広がっており、様々な怪物が棲息している。また船を使えばドリームランドの月に行くことができ、そこにはヒキガエルのような月棲獣がいてナイアーラトテップに仕えている。 ドリームランドの全貌は夢見人ごとに少しずつ異なるらしく、夕映えの都を探し求めるランドルフ・カーターから助言を求められた大神官アタルは、その都はカーター個人の特別な夢の世界にだけ存在するのかもしれないと答えている。
登場する作品一覧
ラヴクラフトの作品
北極星(執筆1918/発表1920)
白い帆船(執筆1919/発表1919)
サルナスの滅亡(執筆1919/発表1920)
ウルタールの猫(執筆1920/発表1920)
セレファイス(執筆1920/発表1922)
イラノンの探求(執筆1921/発表1935)
蕃神(執筆1921/発表1933)
銀の鍵(執筆1926/発表1929)
未知なるカダスを夢に求めて(執筆1926-1927/没後発表)
その他の作品
ゲーリー・メイヤーズ:妖蛆の館
ブライアン・ラムレイ:ダイラス=リーンの災厄、タイタス・クロウ・サーガB幻夢の時計、E旧神郷エリシア、幻夢の英雄
リン・カーター:ナスの谷にて、カーター版ネクロノミコン第三部九章&十章
ロバート・M・プライス:地を穿つもの
ローレンス・J・コーンフォード:霊廟の落とし子
ロジャー・ゼラズニイ:虚ろなる十月の夜に
ケイオシアム社TRPG 『クトゥルフの呼び声』
サンディ・ピーターセンのクトゥルフモンスターズガイドII 幻夢境の生物たち
ハイパーボリアの生物の幾つかが流入されている。
ラヴクラフトの幻夢境 H.P.Lovecraft's DREAMLANDS
ブライアン・ラムレイ作品(未邦訳多数)の設定が大量に入っている。
地理
東方
西方
南方
北方
その他
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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