ドラムンベース
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初期のプロデューサーは、LTJブケム、The Invisible Man、DJ Hype(英語版)、Goldie(英語版)、Fabio、Grooveriderなどが有名である[4][5][6][7][8]

ドラムンベースは主に160以上のBPMを用いているが、一拍(四分音符)を単位としてそのBPM通りに感じることでより上昇感・疾走感を強める方法と、二拍を単位としそのBPMの半分としてとらえることでゆったりとした感覚や空間的広がりを強める方法がある[4]

また1990年代半ばから後半にかけてドラムンベースのリズムを更に複雑化させたドリルンベースというジャンルも誕生している。ドリルンベースはSquarepusherが始めたとされ、Aphex Twinを始めとするコーンウォール一派が有名である。
2000年以降の動向

2000年以降になるとドラムンベースは新しい動向を見せるようになり、その要因として以下の3つに大別される[4]

一つ目はドラムンベース・アーティストの国際化。ブラジルからは DJ Marky & XRS が2002年に LK を大ヒットさせ、オーストラリアからは2003年以降 Pendulum が登場。その他にもニュージーランドからは MC Tali や Concord Dawn、オーストリアからは D.Kay、ドイツからはKabuki、オランダからはNoisia、そして日本からは Makoto がイギリスのドラムンベースシーンに台頭している[4]

二つ目は 「リキッド・ファンク」 と呼ばれるソフトなドラムンベースが新たなジャンルとして確立したこと。これには、2004年に大ブレイクした Artificial Intelligence、ロジスティクス、High Contrastといった新たな才能がリキッド・ファンクのスタイルを得意としていることが大きい。それまでは LTJ Bukem と FabioしかこのスタイルのドラムンベースをDJとして選曲しなかったが、今ではあらゆるDJがかけるようになっている。これを受けて、V Recordings が姉妹レーベルとして Liquid V を、さらにはハードな選曲で知られる DJ Hype が Liq-weed Ganja をリキッド・ファンク専門のレコードレーベルとして立ち上げている[4]

三つ目は、新しいアーティストによるスタイルの多様化である。Sub Focus、Chase and Status、Baron、Twisted Individualなどの登場により、上記のリキッド・ファンクだけでなく、レゲエ的要素、ラテン系音楽ジャズのようなベースラインを取り入れたものなどが導入されるようになった。

2007年以降は、もともとのドラムンベースの特徴である重低音ベースラインをより強調した音楽も見られるようになる。きっかけは、一般の家庭用スピーカーでは聞こえないほどの重低音ベースラインを得意とする Artificial Intelligence のブレイク。それ以降、ドラムンベースにおける低音域の下限がさらに下がり、クラブのスピーカーで聞かないと曲の良し悪しを味わえない度合いがさらに強まった[4]

2008年になるとペンデュラムがドラムンベースとロックの融合を打ち出し注目されている。

2009年、ドラムンベースの進化は遂にダーティ (dirty)、或いは、アシッド (acid) と形容されるものに達している。アシッドの形容詞が示すものは幻覚作用のある音色であるが、ハウスやジャズのアシッドと同様に変調させるものもあれば、より重低音を目指すもの、前述のドリルンベース様であったりするものもある。

同年、ルーク・フードが2つの Youtube チャンネル、UKF Drum & Bass と UKF Dubstep を開設した[9]。当初は自身の友人たちとドラムンベース、ベースラインブロステップの曲を共有するためのものだったが、その後音楽ブランドUKF Musicに発展し、ベース・ミュージックシーン拡大の中心地の1つとなった[10]

2021年2月、ドラムンベースの楽曲の主なテンポである「1分間に174拍」にちなみ、4月17日[注釈 1]を「ドラムンベースの日」として公式に承認することをイギリスのデジタル・文化・メディア・スポーツ省に求める署名活動が、ブリストルを拠点とするプロモーター The Blast によって開始された[11]
サブジャンル

ドラムンベースは様々な音楽と融合した多様な音楽ジャンルを形成しており、多数のサブジャンルにより細分化されている。
アンビエント・ドラムンベース
(Ambient drum & bass)

オーケストラル・ドラムンベース (Orchestral drum and bass)

サンベース (Sambass)、ブラジリアンドラムンベース (Brazilian drum and bass)
ドラムンベース特有のビートとベースに、ブラジル音楽(サンバやボサノバなど)を組み合わせたジャンル。明るくハッピーな曲調のものが中心。[12]
ジャズステップ (Jazzstep, Jazzy jungle)
ジャズの影響を受けたジャンルで、ジャズのメロディー・構成・楽器などを用いる。[13]
ジャングル (Jungle)[12]
ドラムンベースの起源となった音楽ジャンルではあるが、今現在もトラックが作成されており人気を博しているため、サブジャンルとして機能している。ドラムンベースよりもビートが複雑且つ高音、ベースの印象が薄いなどの特徴がある。
ジャンプアップ (Jump Up)[12]
非常にエネルギッシュなサブジャンルで、他のスタイルのドラムンベースよりもシンプルである。単純化され、複雑ではないメロディーと、ストレートで、且つスイングのないビートパターンが活用される。Jump-Up は、Techstepなどの他のサブジャンルよりも気さくで温かみがあり、ヒップホップのサンプルをより活用していることでも知られている。
ダークステップ (Darkstep)
ハードでアップテンポで、ヘビーなブレイクビーツ、ポストインダストリアルの影響を受けたサウンド デザイン。ホラー映画のサンプルを使用して、不吉な雰囲気を作り出している。
テックステップ (Techstep)[12]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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