2013年4月現在、現存するドラムシェルには、既述したウッド、合成樹脂の他、多種の金属(リン青銅、赤銅、真鍮、鉄、ステンレス・スティール、アルミ、チタン、合金)など様々な素材が用いられ、その形成法も多岐に渡る。一般的にそれぞれに特徴的な音色があるとされるが、他の多くの楽器同様、それのみが楽器から発せられる音質を決定づける要因の全てではない。したがって、ドラムの選択においては、種々の情報を鵜呑みにする事はせず、必ず自分の耳で音色を確認し選択すべきである。 一般的にバスドラムは口径20インチまたは22インチが多く使用される。しかし、ジャズや小規模バンドの場合18インチという小口径を使うこともあり、逆にロックやジャズのビッグ・バンドでは24インチが、また特にロックでは26インチという大口径バスドラもある。かつては深さ14インチが汎用的であったが、近年[いつ?]では16インチから18インチのものが多く見受けられる。 口径が大きいと低音が出やすく深さが深いとサステインが長くなり、音圧が高くなる[要出典]が、アタックを強調したい場合には深さをセーブする。同じくアタックを強調する手法として、フロント・ヘッド(打面とは反対側)に10インチ程度の穴を空けたり、ミュートという手法が効果的である。ミュートには胴内に毛布を入れ打面裏に接触させる手法や、胴内にウェイトを入れ胴の振動を押さえ込む手法がある。 フロアタムは18インチ、16インチ、14インチの3種類が多い。 タムについては、8インチ、10インチ、12インチ、13インチ、14インチ、15インチ、16インチ程度が一般的である。これと同時に20インチのバスドラをセットする場合があるが、これはゴング・バスなどと称され、ヘッドは片側しか貼らない。 深さについては、例えば口径13インチを考えた場合、深さが9インチが標準胴、深さが10インチ,11インチで深胴、これを超えるものを超深胴ということがある。 80年代は超深胴が多く使用されていたが、現在[いつ?]はやや深い10(口径)×8(深さ),12×9,13×10といったものが主流である。なお、口径×深さの順で表記するのは日本だけで、日本国外では深さ×口径の順になるので注意を要する。 また、裏面が存在しないタムタム(シングル・ヘッド・タム、またはメロディックタムやコンサートタムともいう)もあるが、アタック音が強調されかつドライな音色であるが、現在[いつ?]はこれを好む人は少なく、70年代の流行であった。 口径はかなり以前[いつ?]から変化はないが、深さについては時代の流れとともに変化が出てきている。浅胴から標準胴、そして深胴、そしてまた浅胴といった感じで流れているが、ここ最近[いつ?]はスネアをはじめ深胴の販売数が伸びてきている。 ドラムシェルの両端ないし片側の開口部に取り付ける振動膜である。一般的に、円形に形成された硬質の枠をもち、フープによりこの枠が押し下げられることで振動膜がエッジに押し付けられ、張力が与えられる。 古くは動物の皮を使用していたが、1956年 Chick Evans がポリエステルをドラムヘッドとして使用したことに始まり[1]、その優れた耐久性、耐天候性、製造コストの低さから、2013年4月現在、振動膜としてプラスティック素材を使用することが主流となっている。 用いる素材、形成法などの違いが膜鳴楽器であるドラムの音質に与える影響は大きく、直径や材質や打面用(バター)と共鳴用(サイド)など様々なタイプのヘッドが市販されており、スネアドラムの共鳴用のヘッドには、スネア(スナッピー)の繊細な反応を得るために200 - 300ゲージ程度の専用ヘッドが用いるなど一般的な方法論がある。しかし、打面用と共鳴用に用いるヘッドに種類上の区別は無く、直径が合えば、表現したい音などによって現場の裁量で選択でき、前述の通り共鳴用のヘッドの有無も選択できる。 ドラムヘッドはドラムの表面積の多くを占め、聴衆やカメラに見えやすいため、メーカー名やバンド名が表記されていることが多い。ドラムセットも同様であるが、特にバスドラムの共鳴用ヘッドにはあらかじめメーカー名が入っていることが多い。バンド名や個人名を入れる事も多い。 消耗品であり、打面用、共鳴用問わずヘッドは演奏時の打撃により不均一に引き延ばされるため、破れるなど外観上明らかな損傷が無くても使用頻度に合わせた定期的な交換が必要となる。[要出典] 主要なドラムヘッドメーカーには、REMO 便宜的にパーカッション記号ないし、ヘ音記号を音部記号に持つ五線譜、あるいは音部記号の無い五線譜を用いて表されることが一般的であるが、それ自体は音階を持たないリズム譜の集合体であり、音高、符頭、アーティキュレーション記号などの書き分けと楽器操作との間に、ほぼ一対一の対応関係が有るという点でタブラチュア(Tab)譜の一種である。ただし、ギターやベース等のTab譜と違い、奏者によって(あるいは同一人物であっても)ドラムセットを構成する楽器の種類と数が大幅に変わるために、それらを表す譜面上の表記は一意に定まらない。したがって採譜者には略語、付録コメントなどで記譜方法を解説する事が本来的に求められる。 記譜例を以下に示す。 オーディオサンプル ドラム、シンバル、ハードウェアなどを調達、製造し、自社ブランドとしてセットを販売しているブランドの一覧。
口径と深さ
ドラムヘッド
バリエーション
ツーバス、ツインバス、ダブルベースドラム
詳細は「ツー・バス」を参照右足のみでは不可能な高速かつ力強い連打を実現するため、左足側にもバスドラムを設置する。同口径のものを用いるケースと異口径のバスドラムを設置して幅広い楽曲に対応するケースがある。
ツインペダル、ダブルペダル、タブルフットペダル
特殊なペダルを使用し、バスドラム1個でツーバスと同じ奏法を可能にする。ただし、バスドラムが一個のためサスティーンがミュートさせ完全には同じにならない。ドラマーの好みや経済的理由、スペースの関係でツーバスにできない場合などに用いられる。
バスタム
通常のフロアタムを使わず、大口径のタムタムを使用する。
左利き用セッティング
打楽器類を全て左右逆に配置する。ツインペダルも左利き用のものが市販されている(Ex:イアン・ペイス、山田亘)。
ドラムラック
シンバルやタムタム等をスタンドを用いず、パイプや角棒を組み合わせたラックに取り付けたホルダーで設置する(スタンドと同時に使用する場合もある)。ドラムセットを移動しても同じセッティングを維持できる、特に打楽器の数が多い場合スタンドの足の配置に困らない等のメリットがあるが、一般にスタンドより高価である。ジェフ・ポーカロが考案し、特許も取得した。[要出典]
リモートハイハット
ワイヤーケーブルでハイハットを遠隔操作するペダルを持つ、特殊なハイハット。自由なセッティングが可能となったラックの普及に伴い、同じく自由なセッティングを可能としたもの。
重ねシンバル
通常、シンバルは余韻を残すようにフェルトで挟み1枚で使用するのだが、直接かぶせるようにシンバルをセッティングする。これにより、余韻を意図的に止めアタック音を出す目的などで使用する。
サブスネア
1つだけのスネアでは楽曲の表現に不足する場合に用意するもの。大抵はメインスネアと比較して口径の異なるものや胴の深さを変えたものを用意し使用する。また、片方をスナッピーオン、他方をオフのものにすることもあり、演奏中にスナッピーを外すことなく音色を使い分けることができる。
スタンドプレイ
フルドラムキットに座る代わりに、バスドラム、スネアドラム、ハイハット、クラッシュシンバルだけで立って演奏する。(Ex:スリムジムファントム
エレクトロニックドラム(電子ドラム)
「ドラムマシン」も参照電子的に音を合成するもので、複数のパッドと音源から成る。アナログシンセサイザー音源を用いるもの、デジタルサンプリング技術を用いるもの、あるいは音素片を加工するモデリング技術を用いるものなどがある。1980年代に発売されたリン・ドラム(英語版)などが電子回路によって音を作り出していたのに対し、21世紀初頭に登場したHighleads は打撃面やシンバルの振動をピックアップコイルによって電気信号に変換する。打撃面にラバーやメッシュヘッドを用いたこれらのドラムは、打音を演奏音として使うアコースティックドラムに比べて音が静かなため、個人の練習用ドラムセットとして人気がある。また瞬時に音色を切り替えられたり環境に左右されない利点からレコーディングに使用されることもあるが、単体で用いたりアコースティックドラムと組み合わせたりすることもある。「トリガーモジュール」と呼ばれるセンサーを生ドラムに取り付けて生音とサンプリング音を合成して演奏や録音に使う方法もある。キーボードやエレキギターなど一般的な電子・電気楽器と同様に、音の出力はスピーカーから行われる。ステージなどで大音量を得るには、PAあるいは楽器用アンプなどの増幅装置付きスピーカーが不可欠である。
ドラムセットの楽譜
ドラム
左から、バスドラム、スネアドラム、フロアタム、ミドルタム、ハイタム。
シンバル
左から、ハイハットをペダルのみで演奏する場合、ハイハットをスティックで叩く場合、ライド、ベル、クラッシュ、チャイナまたはスプラッシュ(それぞれのシンバルについては、ドラムセットにおけるシンバルの種類を参照)。
ドラムセットの音
パーツ演奏内容オーディオ (Vorbis: 矢印をクリック)
スネアドラム消音しないスネアドラム
消音したスネアドラム
リムショット
バスドラム消音したバスドラム
1タム, 2タム8インチ (20 cm) ラックタム
12インチ (30 cm) ラックタム
フロアタム
ハイハットクローズド・ハイハット
オープン・ハイハット
フットペダルでハイハットを開閉(チック)
クラッシュシンバルクラッシュシンバル
ライドシンバル普通に叩く
シンバルの「ベル」部分を叩く
エッジを叩く
ビートハイハットの典型的なロックビート
ライドシンバルの典型的なロックビート
ウィキメディア・コモンズのドラム
メーカー
ドラムセット
Ayotte(カナダ)
Bonney Drum Japan(日本)
Brady(オーストラリア)
Cadeson(台湾)
C&C(アメリカ)
Camco(アメリカ)
Craviotto(アメリカ)
ddrum(アメリカ)
DIXON(台湾)
Dunnett(カナダ)
Drum Workshop(アメリカ)
Fibes(アメリカ)
Gaai(アメリカ)