ドラムセット
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[要出典]なお、昔[いつ?]の考え方では、胴が薄くなることによって、歪みに対する強度の問題があるとして、胴の上下に補強枠(レインフォースメント)を取り付けることが多くあったものの、一時期は胴を厚くすることが流行し、この手法を用いるメーカーが一時期は激減した[要出典]。最近[いつ?]では、この手法を、単にシェルの補強目的ではなく、サウンドに対する影響に期待して採用するメーカーが存在する。 なお、アクリルやファイバーなどの材質については、環境変化の影響が極めて少なく(変化ゼロではない。温度変化には反応を示す)、またその材質の堅さからアタック音が非常に強調される[要出典]ため、ハードロック系のジャンルでは好まれる。しかし、かつて[いつ?]はパール社のファイバー製ドラムがジャズ・ミュージシャンにも根強い人気をもっていた[要出典]ので、一概に材質をもってジャンル分けすることは好ましくない。

2013年4月現在、現存するドラムシェルには、既述したウッド、合成樹脂の他、多種の金属(リン青銅、赤銅、真鍮、鉄、ステンレス・スティール、アルミ、チタン、合金)など様々な素材が用いられ、その形成法も多岐に渡る。一般的にそれぞれに特徴的な音色があるとされるが、他の多くの楽器同様、それのみが楽器から発せられる音質を決定づける要因の全てではない。したがって、ドラムの選択においては、種々の情報を鵜呑みにする事はせず、必ず自分の耳で音色を確認し選択すべきである。
口径と深さ

一般的にバスドラムは口径20インチまたは22インチが多く使用される。しかし、ジャズや小規模バンドの場合18インチという小口径を使うこともあり、逆にロックやジャズのビッグ・バンドでは24インチが、また特にロックでは26インチという大口径バスドラもある。かつては深さ14インチが汎用的であったが、近年[いつ?]では16インチから18インチのものが多く見受けられる。

口径が大きいと低音が出やすく深さが深いとサステインが長くなり、音圧が高くなる[要出典]が、アタックを強調したい場合には深さをセーブする。同じくアタックを強調する手法として、フロント・ヘッド(打面とは反対側)に10インチ程度の穴を空けたり、ミュートという手法が効果的である。ミュートには胴内に毛布を入れ打面裏に接触させる手法や、胴内にウェイトを入れ胴の振動を押さえ込む手法がある。

フロアタムは18インチ、16インチ、14インチの3種類が多い。

タムについては、8インチ、10インチ、12インチ、13インチ、14インチ、15インチ、16インチ程度が一般的である。これと同時に20インチのバスドラをセットする場合があるが、これはゴング・バスなどと称され、ヘッドは片側しか貼らない。

深さについては、例えば口径13インチを考えた場合、深さが9インチが標準胴、深さが10インチ,11インチで深胴、これを超えるものを超深胴ということがある。

80年代は超深胴が多く使用されていたが、現在[いつ?]はやや深い10(口径)×8(深さ),12×9,13×10といったものが主流である。なお、口径×深さの順で表記するのは日本だけで、日本国外では深さ×口径の順になるので注意を要する。

また、裏面が存在しないタムタム(シングル・ヘッド・タム、またはメロディックタムやコンサートタムともいう)もあるが、アタック音が強調されかつドライな音色であるが、現在[いつ?]はこれを好む人は少なく、70年代の流行であった。

口径はかなり以前[いつ?]から変化はないが、深さについては時代の流れとともに変化が出てきている。浅胴から標準胴、そして深胴、そしてまた浅胴といった感じで流れているが、ここ最近[いつ?]はスネアをはじめ深胴の販売数が伸びてきている。
ドラムヘッド

ドラムシェルの両端ないし片側の開口部に取り付ける振動膜である。一般的に、円形に形成された硬質の枠をもち、フープによりこの枠が押し下げられることで振動膜がエッジに押し付けられ、張力が与えられる。

古くは動物の皮を使用していたが、1956年 Chick Evans がポリエステルをドラムヘッドとして使用したことに始まり[1]、その優れた耐久性、耐天候性、製造コストの低さから、2013年4月現在、振動膜としてプラスティック素材を使用することが主流となっている。

用いる素材、形成法などの違いが膜鳴楽器であるドラムの音質に与える影響は大きく、直径や材質や打面用(バター)と共鳴用(サイド)など様々なタイプのヘッドが市販されており、スネアドラムの共鳴用のヘッドには、スネア(スナッピー)の繊細な反応を得るために200 - 300ゲージ程度の専用ヘッドが用いるなど一般的な方法論がある。しかし、打面用と共鳴用に用いるヘッドに種類上の区別は無く、直径が合えば、表現したい音などによって現場の裁量で選択でき、前述の通り共鳴用のヘッドの有無も選択できる。

ドラムヘッドはドラムの表面積の多くを占め、聴衆やカメラに見えやすいため、メーカー名やバンド名が表記されていることが多い。ドラムセットも同様であるが、特にバスドラムの共鳴用ヘッドにはあらかじめメーカー名が入っていることが多い。バンド名や個人名を入れる事も多い。

消耗品であり、打面用、共鳴用問わずヘッドは演奏時の打撃により不均一に引き延ばされるため、破れるなど外観上明らかな損傷が無くても使用頻度に合わせた定期的な交換が必要となる。[要出典]

主要なドラムヘッドメーカーには、REMO、EVANS、Aquarianがある。ドラムセットを購入する場合はヘッドは生産財として既に組み込まれていることが多い。
バリエーション
ツーバス、ツインバス、ダブルベースドラム
詳細は「
ツー・バス」を参照右足のみでは不可能な高速かつ力強い連打を実現するため、左足側にもバスドラムを設置する。同口径のものを用いるケースと異口径のバスドラムを設置して幅広い楽曲に対応するケースがある。
ツインペダル、ダブルペダル、タブルフットペダル
特殊なペダルを使用し、バスドラム1個でツーバスと同じ奏法を可能にする。ただし、バスドラムが一個のためサスティーンがミュートさせ完全には同じにならない。ドラマーの好みや経済的理由、スペースの関係でツーバスにできない場合などに用いられる。
バスタム
通常のフロアタムを使わず、大口径のタムタムを使用する。
左利き用セッティング
打楽器類を全て左右逆に配置する。ツインペダルも左利き用のものが市販されている(Ex:イアン・ペイス山田亘)。
ドラムラック
シンバルやタムタム等をスタンドを用いず、パイプや角棒を組み合わせたラックに取り付けたホルダーで設置する(スタンドと同時に使用する場合もある)。ドラムセットを移動しても同じセッティングを維持できる、特に打楽器の数が多い場合スタンドの足の配置に困らない等のメリットがあるが、一般にスタンドより高価である。ジェフ・ポーカロが考案し、特許も取得した。[要出典]
リモートハイハット
ワイヤーケーブルでハイハットを遠隔操作するペダルを持つ、特殊なハイハット。自由なセッティングが可能となったラックの普及に伴い、同じく自由なセッティングを可能としたもの。
重ねシンバル
通常、シンバルは余韻を残すようにフェルトで挟み1枚で使用するのだが、直接かぶせるようにシンバルをセッティングする。これにより、余韻を意図的に止めアタック音を出す目的などで使用する。
サブスネア
1つだけのスネアでは楽曲の表現に不足する場合に用意するもの。大抵はメインスネアと比較して口径の異なるものや胴の深さを変えたものを用意し使用する。また、片方をスナッピーオン、他方をオフのものにすることもあり、演奏中にスナッピーを外すことなく音色を使い分けることができる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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