ドラえもん_のび太の南海大冒険
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大長編シリーズ第18作(まんが版映画シリーズ1)。

映画のキャッチコピーは「ドラマチックですこし不思議な、マリン・アドベンチャー!!」

映画の同時上映は『ザ☆ドラえもんズ ムシムシぴょんぴょん大作戦!』と『帰ってきたドラえもん』。

映画は第53回(1998年度)毎日映画コンクールアニメーション映画賞、第16回ゴールデングロス賞優秀銀賞、第2回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞作品。

映画公開を記念して帆船「ドラりん丸」が作られた。このドラりん丸は本作とテーマを共通する『ドラえもん のび太の宝島』公開の際、20年ぶりにリニューアルされている[2]。映画でもラストシーンにて同様のデザインの船が登場している。
概要

漫画『ドラえもん』の作者である藤子・F・不二雄(藤本弘)没後の第1作。関係者が集まり、藤本が生前に描いた『ドラえもん』の短編漫画の物語をさらに展開させることで長編映画のプロットを作り上げた。

その後、依頼を受けた脚本家の岸間信明が、プロットを元にシナリオを執筆した。完成したシナリオを元に、藤本の生前にチーフアシスタントを務めていた萩原伸一(藤子プロ)が漫画を執筆し月刊誌に連載。その漫画を元に監督の芝山努が絵コンテを描くことで映画が作られた。ただし、漫画の終盤が完成する前に絵コンテを仕上げる必要があったため、終盤はシナリオを元に絵コンテが描かれた。
沿革
藤本の短編漫画

藤子不二雄の藤本弘(のちの藤子・F・不二雄)は1980年に『ドラえもん』の短編漫画『南海の大冒険』(てんとう虫コミックス45巻収録)を、1981年に同短編漫画『無人島の大怪物』(同41巻収録、初出時の題名は『変身リングとカード』)を執筆して発表した。長編作品『のび太の南海大冒険』は、上記2作を組み合わせて物語を膨らませることで成り立っている[3]
プロットとシナリオ

本作は藤本没後に製作が開始された初の大長編漫画作品、映画作品である。1997年の前作『のび太のねじ巻き都市冒険記』(以下、前作)の映画公開後、藤子プロの萩原伸一、小学館『コロコロコミック』の担当編集者、映画監督の芝山努、プロデューサーが中心メンバーとなり、複数人で物語のテーマやイメージを何度も打ち合わせを重ね、舞台、登場人物、物語の展開を明確にし、プロットが作られた[4]

シナリオを脚本家の岸間信明に発注。プロットを元に、岸間によって漫画と映画兼用のシナリオが執筆された[4]
大長編漫画(連載)

完成したシナリオを元に、藤本の生前にチーフアシスタントを務めていた萩原伸一(藤子プロ)が漫画を執筆し『大長編 ドラえもん のび太の南海大冒険』として、『月刊コロコロコミック1997年10月号から1998年3月号に連載を行った。

漫画連載時のクレジットは「原作 藤子・F・不二雄」「作画 萩原伸一(藤子プロ)」。

序盤は藤本の短編漫画のコマをそのまま引用している部分が多く、財宝を目当てにジャイアンやスネ夫たちと「ほどほど海賊船」で出来レースを演じるくだりなども短編漫画と同様である。

中盤でのび太はドラえもんたちとはぐれて行方不明となり、謎の無人島に漂着。のび太と一人ぼっちの少年ジャック、ピンクのイルカ「ルフィン」との交流が描かれる。ドラえもんらが乗り込んだ海賊船での展開と、のび太らの無人島の展開が並行して描かれ、如何にして彼らが再会するかが見どころとなっている。最終決戦ではしずか達にもそれぞれ見せ場が与えられている。

今作に登場する女性キャラクターのベティは、ジャイアンとの交流場面が多い。大長編で登場する女性キャラクターはのび太と仲良くなったり、互いに名前を呼び合ったりすることが多いが、ベティとのび太の会話は一切ない。
映画

連載漫画を元に、監督の芝山努により絵コンテが描かれた。ただし、終盤部分は連載漫画が完成前だったため、シナリオを元に絵コンテが描かれた[4]

それでも、本作の制作がきっかけでラストシーンの設定は事前の打ち合わせである程度は固めることが出来る様になったため、アニメーター・美術スタッフの負担が軽減し、キャラクターの動き方のクオリティも向上した[5]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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