写真参照。2008年10月にプレセツク宇宙基地にて大陸間弾道ミサイル「トーポリ」の発射実験を視察するメドヴェージェフ2008年7月に北海道洞爺湖サミットにて日本の福田康夫首相(右)と。2008年9月29日に韓国の李明博大統領(左)と。2008年11月にG20金融サミットにてアメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領(右)と北朝鮮の金正日国防委員長(左)と(2011年8月24日) メドヴェージェフは南オセチア紛争後の2008年8月31日に以下の5つからなる「外交の5原則」を表明した。 この「外交の5原則」を表明した演説の中でメドヴェージェフは「ロシアには他の国と同じように特権的利益を持っている地域がある」と発言し、その「特権的利益を持っている地域」を保持していくという考えを示した。「特権的利益を持っている地域」とはロシアの国境付近の地域を含むが、その地域に限定しないと述べた。さらにメドヴェージェフは、居住する場所に関係なく、ロシア人の生命を保護すると語った。それでもロシアは孤立を求めず、欧米諸国や他の国と友好関係を築いていくとも語った。そして、アメリカのような大国による一極支配の世界は受け入れられないと主張した[18][19]。 メドヴェージェフはアメリカの一極支配体制に強く反発している。2008年の年次報告演説でも南オセチア紛争や2007年世界金融危機はアメリカの一極支配が原因だと主張した。また、前述の南オセチア紛争やミサイル防衛等でのアメリカに対する強硬姿勢は「新冷戦」の勃発であると言われることもあり、メドヴェージェフ自身も「我々は新冷戦を恐れない」と発言している(ただしプーチン首相は新冷戦の勃発を否定している[20])。2011年にはアメリカと新戦略兵器削減条約を締結した。 北方領土問題解決に関し、大統領就任当初から意欲的な姿勢を示していた。2008年7月に北海道洞爺湖サミットに出席するため来日したが、サミットの合間に当時の首相であった福田康夫と個別に日露首脳会談を行った際、「北方領土問題が解決されれば、両国関係が最高水準に引き上げられることに疑いは無い」などと述べ、北方領土問題の解決に意欲を示した。2008年11月22日の麻生太郎との会談でも、「北方領土問題の解決を次世代に委ねることは考えていない」と述べ、解決に前向きな姿勢を示した。2009年7月に日露首脳会談が予定されており、北方領土問題について何らかの表明が期待されるが、一方で5月29日に河野雅治駐ロシア連邦大使らが出席した信任状捧呈式の場で北方領土問題に言及し、「パートナーである日本がロシアの南クリル(千島)諸島への主権に対して疑いを差し挟む試みを指摘せざるを得ない」と発言し、日本側の期待に水を差した。2010年11月1日に国後島を訪問し、ロシア領であることを主張した[21]。以後も数度に渡って北方領土の訪問・視察を繰り返してロシアの実効支配をアピールする姿勢を強め、日本との領土交渉も暗礁に乗り上げた。 2012年7月3日にゴロジェツ副首相、イシャエフ極東開発相と共に国後島を訪問した[22]。2012年9月24日に副首相を集めた会議で道路整備のため、2007年から2015年に実施される「クリル(千島)諸島社会・経済開発計画」の予算を増額する政令に署名したことを明らかにした[23]。2015年8月22日に首相として初めて択捉島を訪問し[24]、中国と韓国はロシアの「友人」で日本は「隣人」と表現した[25]。 2022年2月24日にロシアがウクライナへの全面侵攻を開始すると[26]、2月26日、アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア、カナダ、欧州委員会は、国際銀行間の送金・決済システムである国際銀行間通信協会(SWIFT)からのロシア排除に合意した[27]。2月27日、岸田文雄首相は「この措置に日本も加わる」と表明[28]。
全般
国際法の遵守
多極的な世界の実現
南オセチア紛争以外の国際紛争の不追及
ロシア国内外に居住するロシア人の保護
親ロシア的な地域との関係強化
アメリカ合衆国
日本
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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