ドナルド・トゥスク
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もっとも、このような事態のため新政権に課せられた、2週間以内にセイムで信任を得られる可能性は当初からなく[24]、内閣信任決議案は12月11日に賛成190、反対266票で否決され、モラヴィエツキは首相を失職[25]。直後にトゥスクの新首相就任が賛成248、反対201票で承認された[26][27]。12月13日に宣誓を行い就任[28]。@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .mod-gallery{width:100%!important}}.mw-parser-output .mod-gallery{display:table}.mw-parser-output .mod-gallery-default{background:transparent;margin-top:.3em}.mw-parser-output .mod-gallery-center{margin-left:auto;margin-right:auto}.mw-parser-output .mod-gallery-left{float:left;margin-right:1em}.mw-parser-output .mod-gallery-right{float:right}.mw-parser-output .mod-gallery-none{float:none}.mw-parser-output .mod-gallery-collapsible{width:100%}.mw-parser-output .mod-gallery .title,.mw-parser-output .mod-gallery .main,.mw-parser-output .mod-gallery .footer{display:table-row}.mw-parser-output .mod-gallery .title>div{display:table-cell;text-align:center;font-weight:bold}.mw-parser-output .mod-gallery .main>div{display:table-cell}.mw-parser-output .mod-gallery .gallery{line-height:1.35em}.mw-parser-output .mod-gallery .footer>div{display:table-cell;text-align:right;font-size:80%;line-height:1em}.mw-parser-output .mod-gallery .title>div *,.mw-parser-output .mod-gallery .footer>div *{overflow:visible}.mw-parser-output .mod-gallery .gallerybox img{background:none!important}.mw-parser-output .mod-gallery .bordered-images .thumb img{outline:solid #eaecf0 1px;border:none}.mw-parser-output .mod-gallery .whitebg .thumb{background:#fff!important}

ミュンヘン安全保障会議の討論会で駐米ドイツ大使のヴォルフガング・イシンガー、フランス大統領ニコラ・サルコジドイツ首相アンゲラ・メルケルに対して発言するトゥスク(右端)。2009年2月7日撮影。

ドイツのメルケル首相と(2012年10月17日)

左からブラジルのマウロ・ヴィエイラ外相、同国のジルマ・ルセフ大統領、トゥスク、ジャン=クロード・ユンケル欧州委員会委員長(2015年11月30日)

エストニアのケルスティ・カリユライド大統領と(2017年6月30日)

理念と実績

トゥスクは政治的に一貫して穏健な保守主義かつ中道右派のスタンスを取り、国有大企業従業員や東部地方住民に票田を偏る社会的ないし経済的な国家主義(右派の法と正義や左派の民主左翼連合など)、大資本家大企業幹部、都市部ブルジョワに票田を偏るリバタリアニズム(中道の自由連合や、自らの党である市民プラットフォームの一部勢力)のどちらとも与せずに一定の距離を置き、全国の中小零細企業の開業と成長や、それら小規模企業の労働者の待遇改善に重点を置いた政策を採っている。

例として、トゥスクは多くの国有大企業の民営化計画を推進するという自由主義的な改革を行う一方[29]スウェーデンの巨大小売コングロマリットの「イケア」は法と正義(PiS)党が政権与党時代に行った統制主義的な改革である大規模小売店舗法の改正で巨大店舗が以後ポーランドに進出できなくなった、と不満を述べていること[30]に対し、全国の若い中小零細企業の成長を後押ししたいトゥスクも、巨大店舗出店に関わる規制を再度緩和させようなどという動きを見せていない、といったことが挙げられるが、さらに農民党党首かつ元首相で第1次トゥスク内閣では副首相と経済相を務めたヴァルデマル・パヴラク(英語版)を派遣し全世界のイケア・グループの経理を担当する経理部をポーランド国内に誘致するという日本円にしておよそ1800億円の対内投資案件を交渉していると言われる[31]

ポーランドの週刊誌とのインタビューで自身のマクロ経済の認識について「あなたはケインズ派かそれともフリードマン派か?」と記者から問われたトゥスクは、「ケインズもフリードマンも思考の役には立つが、実際にはたいして役に立たないよ。」と、ケインズ経済学諸派とフリードマンに代表されるマネタリズムおよび新しい古典派の諸派の双方を纏めて斬って捨て、「もし私が自分の考えを誰かのものに例えるとするならば、いまのところはフリードリッヒ・フォン・ハイエクだと答えておく。景気循環についての話のなかでハイエクは、銀行が信用を拡大することによって引き起こされる人工的な景気上昇はいかなるものであろうと銀行自身の損となる結果で終わる、という事実を強調している。こんにちアメリカ金融機関の経営哲学には、(恣意的に需要を創出する、あるいは恣意的に均衡を達成する)成果を求めて(市場に)介入するような類のケインズ的な調整をやらかす伝統があまりに多く見て取れるが、そういう成果というのは実際にはただ単に一時的なものに終わってしまうものだ。」と答えている[32]。すなわちトゥスクはケインズもフリードマンもどちらも結局はハイエクの用語の『設計主義的合理主義』(Constructivist Rationalism)なのである[注釈 1]と認識していること、設計主義的合理主義の経済政策は役に立たないどころか(恣意的な信用拡大によって)政策目標達成は短期的で終わりかつその後にかえって悪い事態をもたらすにすぎない無理政策だと考えていること、これに対してハイエクの提唱していた『進化論的合理主義』(Evolutionary Rationalism)に賛同および立脚していることが明らかで、彼が弁証法を用いてマクロ経済を高度に理解していることがはっきりとわかる。


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