ドクター・ドゥーム
[Wikipedia|▼Menu]
例えばドゥームは、一時的に退位した後、ドクター・ストレンジから魔術の極意をもぎとるための陰謀を放棄して、ラトヴェリアが再興するのを監督するために帰国している[19]。ドゥームは激しい癇癪持ちという面を見せるが、時には他人に対して暖かさを見せたり、同情を寄せたりしている。彼は大悪魔メフィストから彼の母親の魂を解放しようと試みており、クリストフ・バーナードを自分の息子のように扱っている[19]

バーンはドゥームの恐怖を更に詳細に考慮している。バーンはステート大学での事故はドゥームに小さな怪我を残しただけであるというアイディアを採用しており、彼が顔に大きなダメージを負ったのは、ドゥームが鍛造した直後の熱いままの鎧を身に着けた時であるとした[21]

バーンが去った後にもドクター・ドゥームは『ファンタスティック・フォー』でもっとも有名なヴィランであり続け、1980年代の『X-ファクター』や『エクスカリバー』、『パニッシャー』、『スペクタキュラー・スパイダーマン』といった他のコミックにも登場し続けた。

『ファンタスティック・フォー』第350号において作家のウォルト・シモンソンは、ドゥームが時空間を超える旅の途中におり、たまたま地球に戻ってきているだけであるというアイディアを紹介した。シモンソンのレトコンは読者に対して様々なタイトルにおけるドゥームの一見奇妙に思えるような登場の仕方のどれもが、実はドゥームボット(ドゥーム本人をコピーしたロボット)だったのではないかという仮説を抱かせた。これについては「シモンソンは本物のドゥームが登場したストーリーとそうでないストーリーのリストを作っている」という都市伝説がある[22]
現在

2003年、ドゥームは『ファンタスティック・フォー:Unthinkable』というストーリーでの唯一のヴィランであり、フランクリン・リチャーズ(リードの息子)を地獄に幽閉し、ヴァレリア・リチャーズを捕えることでファンタスティック・フォーと最期まで戦うことに成功した。作家のマーク・ウェイドはドゥームのキャラクターの中核をかつてない方法で再定義しようと努めた。 ウェイドがした解釈によれば、ドゥームがリードを憎むのは、ドゥームが過ちを犯した時、それを指摘したリードが正しかったが故である[23][24]。ウェイドは『(バーンの任期中に示されたような)ドゥームは極悪であるが高貴な男である、などというのはまったくもって嘘っぱちである。(中略)その原動力が嫉妬であるようなドゥームという男は、とんでもなく狭量で、決して高潔ではない。そう、ドゥームは正々堂々と(regal)しており、可能なときにいつでも自らが高いモラルを持っているように振る舞う。なぜなら、彼にとってはそれこそが偉大な人間が持っていると信じているものだからである。 ?しかし私はドゥームが『it 'does not suit him to' do this-and-such』というのを聞いた時、私が聞いたのは『それはリード・リチャーズに対する憎悪とは関係がない、だから私には時間の無駄だ。』というものだった。ウェイドはまた、ドゥームが『彼の母親が見ている間は、もしなんとかしてリードより賢いことを示すことができるなら新生児の頭を引きちぎり、リンゴのように食べるだろう』と述べた[24]。それだけだとサンドイッチを作ったり、911の事件に対して涙を流すのが成り立たなくなるが長く続くキャラクターであるので作家ごとの様々な顔を持っている。

2005年と2006年にドゥームはエド・ブルーベイカーによるオリジンの語りなおしとなる短期シリーズ『ブックス・オブ・ドゥーム』の主役となった[25]。インタビューの中でブルーベイカーはシリーズはコミックではほとんど見ることができないドゥームの人生の初期を更に詳しく述べるための方法であるといった。シリーズはドゥームの問題多き子どもから独裁者までの道のりが運命づけられたものだったのか、ドゥーム自身の失敗が堕落へと導いたのか、つまりは生まれか育ちかという問題について決定しようとする試みもしている[26]。ブルーベイカー版ドゥームはオリジナルであるリー/カービー版にかなり影響を受けている。『ドゥームの顔は描くのか』という質問についてブルーベイカーは『カービーを手本にするよ。見せない方が良さそうだ。』と答えている[25]
能力「en:Doctor Doom's devices」も参照

ドクター・ドゥームの持つ最も危険な武器は、マーヴェル・ユニバースでも屈指の知能である。彼はほとんど全ての科学分野に精通しており、ロボット工学や遺伝子工学、兵器テクノロジー、生命化学などの専門家である。

彼は、敵を打倒したり、自らが更なる力を手に入れるために、膨大な数の装置を組み立てており、そのなかにはタイムマシンや、人間にスーパーパワーを付与する装置、多くのロボットらが含まれている。特にドクター・ドゥーム自身の精巧なレプリカロボット『ドゥームボット』は、多くのミッション(特に彼が負けそうな局面など)で用いられている[19]

ドクター・ドゥームは科学以外に魔法の能力を持っている(これはかつてチベット僧と過ごしている間に身につけたものや、母親から教わった神秘的な知識のおかげである)。しかし魔法の習得と行使に必要な「謙虚さ」を欠いていたり、自分が魔法の全てをマスターしているわけではないと認めたがらないことが原因で、彼の魔法に関する能力は限定されている。

エイリアン種族Ovoidsはドゥームに自らの意識を近くの生物へ転送するサイオニック技術を教え、ドゥームはテラックス(Terrax、ギャラクタスのヘラルドのひとり)による死から逃れる際などいくつかの機会で用いている[19]

またドゥームは、自らの科学技術を利用して、何度もシルバーサーファーなどのギャラクタスのヘラルドの力(パワー・コズミック)を奪ったりコピーしようと試みており、何度か成功している。

元々は自らの醜く破壊された顔を隠すために設計したドゥームの鎧は非常に強力な装置でもある。彼の鎧は強力な電気ショックを発生させることができ、ドゥームに触れるものを無力化する[27]。また外部から加えられるダメージに対して高い抵抗力を持ち、鎧表面からは防御力を引き上げる力場をも発生させている[27]。この鎧はある程度自律的に行動することも可能で、その内部には空気や水・食料・エネルギーの蓄積・再生システムを持っており、着用者は水中や外宇宙でもかなりの長時間生存することができる。

また武装としては、ガントレットからのエネルギー噴射や、電気エネルギーの放出能力のような神秘的な力を用いる。
他のバージョン詳細は「en:Alternate versions of Doctor Doom」を参照

ドゥームが、ファンタスティック・フォーの最大のヴィランの一人であるという地位[2]から、彼はマーベルのパラレルワールドやスピンオフの多くに登場している。

「ミュータントX」世界のドゥームはスーパーヒーローとして登場し、逆にミスター・ファンタスティック(リード・リチャーズ)がヴィランになっている。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:58 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef