ドイツ
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乳児死亡率は2018年時点で、出生児1000人あたり3.4人(男児:3.7人、女児:3.1人)と非常に低い数値である[15]

2009年現在のおもな死亡原因は心血管疾患の42%、続いて悪性腫瘍の25%だった[166]。2008年現在、8万2000人がHIV/AIDSに感染しており、1982年以降、合計2万6000人がこの病気で死亡している[167]。2005年の統計では成人の27%が喫煙者である[167]。2007年の調査によれば、ドイツは肥満した人の数がヨーロッパで最大である[168][169]

現在の年金制度は、連邦労働社会省(英語版)が所管している。強制加入の国営年金保険と、任意の企業年金、私的年金の3つにて構成される。国営年金は雇用主と雇用者が折半して拠出し、2015年の保険料は18.7%であり、低所得者への減額制度がある[170]。さらに、2024年6月26日以降にドイツ国籍を取得しようとする移民の立場からすれば、将来を見据え、老後のためにきちんとした年金を払い続け、生活保護に依存しないことが求められる[171]。詳細は「年金#ドイツ」を参照
治安詳細は「ドイツにおける犯罪(英語版)」および「ドイツにおける法執行機関(英語版)」を参照

ドイツは2023年の世界平和度指数で15位、日本は9位である[45]。同連邦国警察の発表によれば、2019年のドイツ国内全体の犯罪発生件数は約544万件であり、人口10万人当たりの犯罪発生件数は日本の約10倍に上っている。犯罪種別は、スリひったくりなどの窃盗強盗詐欺などといった金銭ならび財産に関わる犯罪が殆どであるが、傷害暴行(婦女暴行を含む)といった身体の安全に関わる犯罪も発生している。

特に、観光客が多く訪れる首都ベルリンを始めとする大都市や観光地は、外国人犯罪グループの流入、麻薬の蔓延などの様々な要因から犯罪発生率が高くなっている現状がある。一般に、ヨーロッパの大都市は治安が悪く[172]、ベルリンの「積極的平和指数」と「一般的平和指数」はともにドイツで最低であった。ワースト3はベルリンブレーメンハンブルクである[173]

さらに一定規模以上の都市には、特定の国・地域出身の外国人が多く定住する区域が存在しており、これらの場所はその国・地域の文化が根付いており、日中は活気がある反面、夜間の治安は一般的にあまり良くない傾向にある。このほかにも都市によっては、麻薬や犯罪の巣窟となっている危険地域(No-Go-Areas)が存在する為、それらの地域には絶対に近付かないよう現在も警告がされている。

一方でドイツは難民受け入れに積極的な政策をとっており、2015年以降これまでに180万人以上の難民がシリアイラクなどからドイツに入国して来ている。こうした中、反移民・難民を標榜するデモが大都市を中心に同連邦国内で断続的に発生し、一部が暴徒化するケースも見受けられる。逆に反移民・難民の機運に対する不満と移民や難民に紛れ込んだテロリストが潜伏している危険性が高いため、滞在時の外出や散策は安易に行わないよう注意が必要となって来る[174]
治安維持

治安維持については他国と同じく、基本的には警察(Polizei)によって行われる。その警察組織はナチスドイツ時代に設置されていた集権的な秩序警察(Ordnungspolizei)を廃止し、それぞれの州政府によって地方警察 (Landespolizei)が運営され、警察とは別に都市や地区レベルの治安組織もある。連邦全体の組織としては連邦刑事局(BKA)および連邦警察局(BPOL)があり、前者は複数の州や他国が関係する事件に介入して調整を行い、後者は国境警備やカウンターテロリズムを担当する。世界的に知られる特殊部隊であるGSG-9はBPOLの指揮下にある。集団警備が必要な場合は機動隊(Bereitschaftspolizei)が動員されるが、これについてはBPOLと地方警察がそれぞれ部隊を持ち、内務省が全体を管轄している。「ドイツの警察」も参照

ほかに警察組織以外の特殊な治安機関としては内務省直属の連邦憲法擁護庁(BfV)が存在し、政府直属の連邦情報局(BND)、軍直属の軍事保安局(MAD)と並んで諜報機関としても機能している。
人権詳細は「ドイツにおける人権(英語版)」を参照

ドイツは、他者の人権の受容、汚職の少なさ、情報の自由な流れ、良好なビジネス環境、高い人的資本、資源の公正な配分、よく機能する政府、近隣諸国との良好な関係によって決定される2024年積極的平和指数で世界11位である[48][49]。さらにメタ分析論文によれば、2019年、ドイツはスウェーデン、オランダ、ノルウェーを含む調査対象国の中で、有色人種に対する雇用差別が最も低い[175]。ドイツでは、男女平等を無視し[147]、差別や外国人排斥を行った場合[176]、あるいはそれ以外で3カ月以上の禁固刑や日額90の罰金刑を受けた場合は、ドイツ国籍を申請することができない[171]
マスコミ詳細は「ドイツのメディア(英語版)」を参照

2024年の経済平和研究所によれば、ドイツは情報の自由度において世界第10位である[49]

この節の加筆が望まれています。
「ドイツの通信(英語版)」も参照
文化ベルリン、芸術の中心詳細は「ドイツの文化(ドイツ語版、英語版)」を参照ドイツで最も活動的で平和な都市[173]

歴史的にドイツは「詩人と思想家の国(Das Land der Dichter und Denker)」と呼ばれてきた[177]。連邦各州が文化施設を担当しており、ドイツには助成を受けた240の劇場、数百の交響楽団、数千の博物館。そして2万5000以上の図書館がある。これらの文化施設は多くの人々に利用されており、毎年延べ9100万人のドイツ人が博物館を訪れ、20万人が劇場やオペラ、3600万人が交響楽団を鑑賞している[178]国際連合教育科学文化機関は、ドイツでは36件を世界遺産リストに登録している[179]

ドイツは高いレベルの男女平等[147][180]、障害者の権利促進、同性愛者に対する法的社会的寛容を確立している。ゲイとレズビアンはパートナーの遺伝的子供を養子とすることができ、2001年以降にはシビル・ユニオン(結婚に準じる権利)[181] が認められた[182]。1990年代半ば以降、ドイツは移民に対する態度を変えており、ドイツ政府とドイツ人の過半数が移民の管理は資格基準に基づいて許可されねばならないと認識するようになった[183]。ドイツは、北欧諸国やオランダと同様、プロテスタントの文化圏であり[184]、宗教改革以来、ドイツ、オランダ、北欧の合理主義のおかげで、社会は福祉を重視してきた[49][184]。ドイツは第二次世界大戦中の歴史的要因による罪を償い、イスラエルをほぼ無条件で支持している[185]。また、二重国籍が解禁され、ドイツ国籍の申請要件が比較的緩和されたことは、二重国籍を認めていない日本では基本的に享受できない[147]

ドイツは2010年に世界でもっとも賞賛される国の統計で50か国中第2位に挙げられた[186]。2013年のBBCの世論調査によれば、ドイツは世界でもっとも肯定的な影響を与えている国と認められている[187]。同様に、2018年に欧州委員会が実施した欧州連合加盟国の世界の主要経済国に対する好感度調査では、ドイツはフランスと日本を僅差で上回った[46]

ドイツの祝日啓蒙思想の犠牲となった歴史をもち、ドイツ連邦制を象徴する文化である。ドイツはカトリック・プロテスタントが混在しているため、元日ドイツ統一の日のようにドイツ全土で祝日とされている日のほかに、カトリック信者の多い州だけ、あるいはプロテスタント信者の多い州だけ祝われる日が存在するため、州によって祝日は異なっている。
食文化ザワークラウトとヴルストを中心としたドイツ料理詳細は「ドイツ料理」を参照

ドイツ料理は地域ごとに特色があり、バイエルンやシュバーヴェンといった南部はスイスやオーストリアと食文化が共通している。すべての地域で肉はしばしばソーセージにして食べられる[188]。料理は火を使わずに用意できるカルテス・エッセン(kaltes Essen、冷たい食事)と、調理してから出されるヴァルメス・エッセン(warmes Essen、温かい食事)とに大別される。


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