ドイツ
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2018年時点においてドイツの軍事支出はGDP比1.24%で対GDP比としては世界94位だが[15]、軍事費自体は世界第8位である。また、軍事支出は約495億ドルと低めに抑えられている[53]。平時において連邦軍は国防大臣の指揮下に置かれる。ドイツが戦時に入れば(基本法は自衛のみを容認している)、首相が連邦軍の総司令官となる[54]。2011年5月現在、ドイツ連邦軍は職業軍人18万8000人と兵役最低6か月の18 - 25歳からなる徴集兵3万1000人を擁している[55]。ドイツ政府は職業軍人17万人、短期志願兵1万5000人へ縮小することを計画している[56]。各軍には予備役兵がおり、軍事訓練や海外派兵に参加している。予備役の将来の兵力や機能に関する新たなコンセプトが2011年に発表された[56]

2022年のロシアによるウクライナ侵略以降は、防衛予算、武器輸出に関する姿勢を転換し、2024年には北大西洋条約機構(NATO)が求める「国内総生産(GDP)2%」に相当する717億ユーロ(約12兆円)の防衛予算を計上した。GDP2%に達するのは冷戦末期の1992年以来、32年ぶり[57]

ドイツ連邦軍と国境警備隊が国防を担っているほか、相互防衛条約に基づき6万人強の米軍が駐留している。ドイツはEUおよびNATOの主要構成国であり、ロシアなど東方諸国を主たる仮想敵国としてきた。時代の移り変わりとともに、政府は連邦軍の主任務を、従来の国土防衛から「国際紛争への対処」に移行させる方針を発表した。内容としては、2010年までに紛争地においてNATO即応部隊などに参加する「介入軍」、平和維持活動にあたる「安定化軍」、両軍の後方支援を担当する「支援軍」の3つに再編成するものである。

同連邦軍は、1996年から始まるコソボ紛争に投入され、セルビアへの空爆を実施して初陣を飾った[58]。以来、各地の戦争に参加しており、2011年現在、ドイツ兵約6900人が国際平和維持活動に参加して国外に駐留しており、この中にはNATO主導の国際治安支援部隊(ISAF)に参加してアフガニスタンウズベキスタンに駐留した4900人、コソボ駐留の1150人、国際連合レバノン暫定駐留軍の300人が含まれる[59]

2011年まで、ドイツには18歳以上の男性に対する徴兵制度が存在し6か月の兵役期間が課せられていた。しかし、良心的兵役拒否者は同期間の民間役務(英語版)(Zivildienst)と呼ばれる老人介護や障害者支援などの社会奉仕活動、または消防団赤十字に対する6年間のボランティア活動を選択することができた。兵役拒否者は年々増加し、近年では兵役を選択する者は2割に過ぎなくなっていた[60]。このドイツの徴兵制度は2011年7月1日をもって中止となった[1][60][61][62]。しかし、徴兵制の廃止により、それまでボランティアとして慈善活動に従事させられた兵役拒否者がいなくなってしまい、老人介護などの福祉に多大な経済的負担が発生する懸念が持たれており[63]、ドイツ政府は補充対策を検討している[64]

2001年以降、女性軍人に対する制限が廃止され全ての軍務に従事できるようになったが、女性は徴兵制の対象ではなかった。2011年時点で約1万7500人の女性の現役兵と予備役兵がいる[65]
武器輸出

ドイツはアメリカ、ロシアに次ぐ世界第3位の武器輸出国である。しかし、2023年におけるドイツの軍事化レベルは1.73であり、世界的に見ても決して高いレベルではない[45]。人権弾圧国家や紛争地への武器輸出は原則禁止しているとされるが、実際にはサウジアラビアのような人権弾圧の疑いのある国や、イスラエルのように核保有の疑いがあり、パレスチナ問題のような不和を抱える国にも輸出されている[66][67]。また、長年の友好国であり地政学的に直接的な脅威となるロシアと戦うウクライナへの武器輸出について、賛否両論があったが、世論に押される形で武器輸出を容認するようになった[68]。ドイツの武器輸出は伸びており、2013年に輸出した武器の総額は、前年比24%増の58億5000万ユーロ(約8015億)であった。一方、ドイツ国民の間には武器輸出に反対する声が強く、2012年の世論調査では、ドイツ人の3分の2が武器輸出に反対しているとする調査もある[69]
主力兵器

ドイツ陸軍のレオパルト2主力戦車

ドイツ空軍のユーロファイター戦闘機

「不朽の自由」作戦に参加したドイツ海軍のブレーメン級フリゲート艦カールスルーエ」がソマリア沖で難民の乗った船を保護している
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地理詳細は「ドイツの地理」を参照

ドイツは西欧および中欧に属し[70]、北にデンマーク、東にポーランドチェコ、南にオーストリアスイス、南西にフランスルクセンブルク、そして北西にベルギーオランダとそれぞれ国境を接しており、国土はおおよそ北緯47 - 55度(ジルト島の北端が55度)、東経5 - 16度の範囲に位置している。総面積は35万7022平方キロメートルに及び、領土34万8672平方キロメートル、領海8350平方キロメートルからなる。この面積はヨーロッパ第5位、世界第64位である[15]

標高は南部のアルプス山脈最高峰ツークシュピッツェの2962メートルから、北西部の北海(Nordsee)および北東部のバルト海(Ostsee)海岸に及ぶ。中位山地、北ドイツ低地(最低地点はヴィルシュターマールシュ(英語版)の海抜3.54メートル)にはライン川、ドナウ川、エルベ川が流れている。

おもな天然資源は、鉄鉱石石炭炭酸カリウム、木材、褐炭ウラン天然ガス、塩、ニッケル可耕地と水である[15]地形図

ドイツの地形は北から南へ、大きく5つの地域に分けられる。北ドイツ低地、中部山岳地帯、南西ドイツ中部山岳階段状地域、南ドイツアルプス前縁地帯、バイエルン・アルプスである。

北ドイツ低地は全体的に標高100メートル以下の平坦な地域で、エルベ川などの川沿いにはリューネブルクハイデと呼ばれる大きな丘陵地がある。バルト海沿岸は平坦な砂浜や、断崖をなす岩石海岸となっている。中部山岳地帯は、おおよそ北はハノーファーの辺りから南はマイン川に及ぶ地域で、ドイツの西部と中部に広がり、ドイツを南北に分けている。地形的に峡谷や低い山々、盆地など変化にとんでおり、山地としては西部のアイフェル丘陵フンスリュック山地、中央部のハルツ山地、東部のエルツ山脈がある。


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