ドイツ語
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上記の事情と、両国の大幅な領土縮小(かつてのドイツ人国家であった神聖ローマ帝国ハプスブルク帝国などから独立して誕生した国も多い)も影響し、欧州の多くの国で今でも母語として使用されている。
ドイツ語圏
ドイツ語を公用語としている国

ドイツ

 オーストリア

リヒテンシュタイン

ルクセンブルク(他にルクセンブルク語フランス語と併用)

以上の4か国は国民のほとんどをドイツ語の母語話者が占めている。

スイス(他にイタリア語フランス語ロマンシュ語

スイスにおいてはドイツ語の母語話者は全人口の64%を占め、スイス最大の言語集団となっている。ドイツ語はベルンチューリヒを中心とする国土の中央部および東部で広く話されている。

ベルギー(他にフランス語オランダ語

ベルギーにおけるドイツ語話者は人口の1%を下回り、全く一般的な言語ではない。しかし、ベルギーにおけるドイツ語話者は1919年ヴェルサイユ条約によってドイツから割譲されたベルギー東端の地域に集中しているため、独自の言語共同体であるドイツ語共同体を持ち、フランス語、オランダ語とともに独自の言語共同体を持つ3つの言語のひとつとなっている。
ドイツ語をかつて公用語としていた国

ナミビア 1884年から1990年のドイツ領時代および南アフリカ領時代は公用語であった。

公用語ではないが、ドイツ語が使用されている地域EU加盟国における住民のドイツ語への理解度
黒色が母語地域、以下50%以上、20-49%、10-19%、5-9%、5%未満(灰色はEU非加盟国・地域) ドイツ語圏の分布 公用語であり第一言語である地域(黄色)、公用語だが第一言語ではない地域(赤色)、国民的、又は教養的言語として用いられている(青紫)、マイノリティー言語としてドイツ語が法的に認められている(青紫の四角)、5万人以上のマイノリティーにドイツ語、又はその方言が用いられているが、法的に認められていない(水色)

イタリアトレンティーノ=アルト・アディジェ州南チロル)地方(旧 オーストリア帝国領)州の公用語

トレンティーノ=アルト・アディジェ州はかつてオーストリア帝国領であり、なかでも北部のアルト・アディジェ(ボルツァーノ自治県)はかつて南チロルと呼ばれたようにドイツ語圏であるチロルの一部分となっていた関係上ドイツ語話者が多数を占め、ドイツ語もイタリア語と並び公用語となっている。

アルザス地域圏アルザス語)(ドイツ語では、Elsass エルザス)

ロレーヌ地域圏モゼル県[1] フランス:約120万人)

この両地域はドイツ系のアルザス人が人口の大部分を占め、アルザス=ロレーヌとして長くドイツ・フランス両国の係争地となっていた地域である。

 デンマークユトランド半島最南部の一部地域

かつて ハプスブルク帝国オーストリア大公国)や プロイセン王国の支配下にあった中央ヨーロッパ東ヨーロッパ一帯

クロアチア

スロバキア

スロベニア

 チェコ

 ハンガリー(約13万人)

ポーランド(約15万人)

 ルーマニア(約6万人)

セルビアヴォイヴォディナ自治州


ブラジル

アルゼンチン

カザフスタンヴォルガ・ドイツ人約18万人)

カメルーン(旧ドイツ植民地、約23万人)

トーゴ(旧ドイツ植民地、約10万人)

ナミビア(旧ドイツ植民地、約3万人 及びナミビアの中等・高等教育を受けている国民)

ナミビアは第一次世界大戦まではドイツ領南西アフリカとしてドイツの植民地となっており、第一次大戦後南アフリカの委任統治領となっても、ドイツ人入植者は首都ウィントフックを中心にドイツ語のコミュニティを保ち、現地の白人社会においてはアフリカーンス語と並び有力言語となっていた。ナミビア独立後ドイツ語の地位は低下したが、なおも入植者の子孫らによってドイツ語は話されている。またドイツ系以外の国民も商業語としてドイツ語を学んでいる。

パラグアイ(約16万人)

アメリカ合衆国中西部や、同国ペンシルベニア州などに話者集団がいる。

カナダ(約44万人)

トルコ

方言

ドイツ語の方言は、大きく分けて北部方言(低地ドイツ語:Niederdeutsch)と中部・南部方言(高地ドイツ語:Hochdeutsch)に分けられる。地方分権が他の西欧諸国に比べて遥かに進められているドイツでは方言の公的地位が高く、中には低ザクセン語のように独自の言語として保護されているケースも存在する。とはいえドイツ国内の保護は概ねドイツ語の一方言としての扱いに留まっている感が否めず、これに不満を持つ者と現状を支持する者との間で激しい議論が交わされている。

現在標準ドイツ語と呼ばれるものは、書き言葉としては主にテューリンゲン地方などで話されていた東中部方言(テューリンゲン・オーバーザクセン方言)を基にした言葉で、この特徴をもつルター訳聖書のドイツ語が広まったことによって標準文語の地位を獲得した。このため、「高地ドイツ語(Hochdeutsch)」という言葉は「標準ドイツ語」という意味でも用いられる。ただし、発音に関する標準語の規範は19世紀末になってテオドール・ジープス(de:Theodor Siebs)の「舞台ドイツ語」(de:Buhnendeutsch)を権威として確立され、ジープスが低地ドイツ語の発音に強く傾倒した[4]ため、発音に関しては低地ドイツ語の地域であるハノーファーの都市部の発音が最も標準語に近いと言われている。


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