現在インターネットの使用人口の全体の約3パーセントがドイツ語であり、英語、中国語、スペイン語、日本語、ポルトガル語に次ぐ第6の言語である。ウェブページ数においては全サイトのうち約6パーセントがドイツ語のページであり、英語に次ぐ第2の言語である[2]。EU圏内では、母語人口は域内最大[注 1]であり、話者人口は、英語に次いで2番目に多い[3]。
しかし、ドイツ、オーストリアは海岸線が少なく植民地政策が歴史的に欧州内東方へ行われたこともあり、英語、フランス語、スペイン語のように世界語化はしておらず、基本的に同一民族による母語地域と、これに隣接した旧支配民族の使用地域がほとんどを占めている。
上記の事情と、両国の大幅な領土縮小(かつてのドイツ人国家であった神聖ローマ帝国、ハプスブルク帝国などから独立して誕生した国も多い)も影響し、欧州の多くの国で今でも母語として使用されている。
ドイツ語圏
ドイツ語を公用語としている国
ドイツ
オーストリア
リヒテンシュタイン
ルクセンブルク(他にルクセンブルク語、フランス語と併用)
以上の4か国は国民のほとんどをドイツ語の母語話者が占めている。
スイス(他にイタリア語、フランス語、ロマンシュ語)
スイスにおいてはドイツ語の母語話者は全人口の64%を占め、スイス最大の言語集団となっている。ドイツ語はベルンやチューリヒを中心とする国土の中央部および東部で広く話されている。
ベルギー(他にフランス語、オランダ語)
ベルギーにおけるドイツ語話者は人口の1%を下回り、全く一般的な言語ではない。しかし、ベルギーにおけるドイツ語話者は1919年にヴェルサイユ条約によってドイツから割譲されたベルギー東端の地域に集中しているため、独自の言語共同体であるドイツ語共同体を持ち、フランス語、オランダ語とともに独自の言語共同体を持つ3つの言語のひとつとなっている。
ドイツ語をかつて公用語としていた国
ナミビア 1884年から1990年のドイツ領時代および南アフリカ領時代は公用語であった。
公用語ではないが、ドイツ語が使用されている地域EU加盟国における住民のドイツ語への理解度
黒色が母語地域、以下50%以上、20-49%、10-19%、5-9%、5%未満(灰色はEU非加盟国・地域) ドイツ語圏の分布 公用語であり第一言語である地域(黄色)、公用語だが第一言語ではない地域(赤色)、国民的、又は教養的言語として用いられている(青紫)、マイノリティー言語としてドイツ語が法的に認められている(青紫の四角)、5万人以上のマイノリティーにドイツ語、又はその方言が用いられているが、法的に認められていない(水色)
イタリア:トレンティーノ=アルト・アディジェ州(南チロル)地方(旧 オーストリア帝国領)州の公用語
トレンティーノ=アルト・アディジェ州はかつてオーストリア帝国領であり、なかでも北部のアルト・アディジェ(ボルツァーノ自治県)はかつて南チロルと呼ばれたようにドイツ語圏であるチロルの一部分となっていた関係上ドイツ語話者が多数を占め、ドイツ語もイタリア語と並び公用語となっている。