低地ドイツ語は中部ドイツ語・上部ドイツ語と方言連続体を形成しており、かつては同じ言語と見なされていた。だが今日は第二次子音推移を経ていないことなどを始めとする大きな相違点から、明確に他言語であると考える傾向が強い。また、低地フランク語は他の低地ドイツ語(低ザクセン語、東低地ドイツ語)と比べアングロ・フリジア語群との共通点が少ないことから、低地フランク語を低地ドイツ語に含めず別の言語グループとする場合がある。
低地ドイツ語(Niederdeutsch)
低ザクセン語(Niedersachsisch) - 「西低地ドイツ語」(Westniederdeutsch)とも呼ぶ。EUから地域言語の地位を得ている。低地フランク語に属するオランダ語との言語連続体に属すると考えられている。
ヴェストファーレン方言(Westfalisch)
オランダ低ザクセン語(Nedersaksisch) - 低ザクセン語諸方言のうち、オランダ領内で話されるもの。「低地フランク語」に属する狭義のオランダ語とは別区分。
フローニン語(Gronings)
オストファーレン方言(Ostfalisch) - ハノーファー都市部が最も発音に関する標準語に近いとされる(舞台ドイツ語も参照)。
北低ザクセン方言(Nordniedersachsisch) - ハンブルク、キールなどで話される。
東低地ドイツ語(Ostniederdeutsch)
フォアポンメルン方言(Vorpommersch) - ロストック、シュヴェリーンなどで話される。
中部ポンメルン方言(Mittelpommersch)
東ポンメルン方言(Ostpommersch)
マルク・ブランデンブルク方言(Mark-brandenburgisch)
低地プロイセン方言(Niederpreusisch) - バルト語派の影響が指摘されている。
メノナイト低地ドイツ語(Plautdietsch)
低地フランク語(Niederfrankisch) - 「低地フランコニア語」、「低地フランケン語」とも呼ばれる。
オランダ語(Niederlandisch)
アフリカーンス語(Afrikaans)
フラマン語(Flamische Dialekte)
西フラマン語(Westflamisch)
ゼーラント語(Seelandisch)
リンブルフ語(Limburgs) - ドイツでは低地フランク語の一つと捉えるが、オランダ、ベルギーでは西中部ドイツ語と一つと捉えられ、見解が分かれている。
歴史962年の神聖ローマ帝国におけるドイツ語の分布(東方殖民以前の分布)ドイツ語話者の分布は、第二次大戦におけるドイツの敗北により、大きく変化した。図は1910年の国勢調査をもとにした1945年までの分布(紺色)図は1950年時点の分布(紺色) ポーランド・チェコからはドイツ語話者がほぼ一掃されている。しかしながら、ドイツ語話者は少数民族として東欧各地に残った(空色)
「ドイツ語」という語は786年 theodiscus(テオディスクス) というラテン語型で初めて文献に登場するが、これは「民衆の」という意味を表す古高ドイツ語の形容詞 diutisc から派生している。このテオディスクスはチュートン人(Teutone=トイトーネ、ドイツ語辞書によると、ゲルマン系で古高ドイツ人の先祖とされる)のラテン語形ともされる。