ドイツキリスト教民主同盟
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人間は神の創造されたものを意のままにしてはいけないのであり、それを守ることを神から委ねられている[25]。キリスト教民主同盟は欧州連合憲章に記されている神に関する事項の定着、保証に尽力する[26]。そのためにキリスト教の象徴を公共空間に目に見える形で保持すること、ならびにキリスト教の祝祭日を保持することに尽力するとされている[27]
経済政策記念メダル: ルートヴィヒ・エアハルト、社会的市場経済

キリスト教民主同盟は社会的市場経済の確立に力を尽くし、これを未来に向けた自由と豊かさと安心に関する保証と見なす。グローバリズムの進展においてキリスト教民主同盟は社会的市場経済の国際的な拡大を望み、その際今まで得てきた経済的自由が守られるように求めている。その際、キリスト教民主同盟は経済的にも適切に運営され、社会的にも公正な政治を考えている。

キリスト教民主同盟は自由な民主政治と結びつけられている社会的市場経済を一つの経済モデルと見なしている。キリスト教民主同盟綱領によると、自由と責任ならびに競争と社会的協調は社会的市場経済によって一体性を得たとし、その一体的特徴が経済社会モデルを現実のものにし、社会的公正にも配慮することに成功したとしている。社会的市場経済の強化はより強められた自由と競争において基礎づけられると見なしている。その際、キリスト教民主同盟は自由な市場と競争による肯定的な社会構成力に信頼を置く。

社会市場経済の目標は全住民の完全雇用であり、安定し適切な経済成長とならびに堅実な財政の実現である。さらに、キリスト教民主同盟は現時点でまだ国家による経営関与がおこなわれている企業部門の民営化に努める。労働政策において、労働市場のフレキシブル化と国家の介入しない賃金協約に取り組む。この労働政策は失業問題の解決には合致しない。

今日の財政赤字は将来の増税につながるので、財政状況を戻すことをキリスト教民主同盟は強く主張している。価値と資産を生み出す公共投資はあくまでも貸付金として融資されるべきと主張している。
家族政策 

キリスト教民主同盟は男女による婚姻に社会の模範像を見出すと同時に、家族の幸せの上に社会が作られると理解する。家族は父、母、子供たちから成立し、社会の基礎として存在していると見なしている。加えて、キリスト教民主同盟は違う生き方も尊重する。非結婚的な結合である同性愛者の共同生活が存在していることを認めている。キリスト教民主同盟は社会に寛容を広め、あらゆる差別に反対している。しかし、登録した同性愛者カップルが民事婚と同等化扱いすることをキリスト教民主同盟は認めていない。CDU/CSUとFDPは2009年における連立協定において一致して税法上の平等に反する冷遇措置を削減するとしたにもかかわらず、キリスト教民主同盟は登録した同性愛者カップルにおける法的地位を一般の夫婦と同等化扱いすることに反対し続けていくと表明している。キリスト教民主同盟は同性愛者カップルにおける法的地位同等化への反対を維持し、登録した同性愛者カップルが結婚している家庭よりも毎年1000ユーロ多い税金を納付することを求めている。これは子供のいない家庭が同様の措置を受けているからである。2011年6月6日にドイツ連邦議会法務委員会公聴会で専門家の過半数が同性愛者カップルによる養子縁組に賛成する意見を表明したが、キリスト教民主同盟はこの同性愛者カップルによる養子縁組に反対する。さらに、キリスト教民主同盟は同性愛者カップルの民事婚開放に反対する。
教育政策

キリスト教民主同盟は大学進学者向けのギムナジウム、職業訓練に教養科目を付加した実科学校、職業訓練中心の基幹学校の3つに分かれている現行の中等教育システムの維持を主張しており、ドイツ社会民主党(SPD)によって提案されている総合制学校の導入には反対している。
国内政策(内務大臣所管)

犯罪をより厳しく対処することによって社会の安全を高めることを求めている。特に、大災害とテロに対処する場合、ドイツ連邦軍をドイツ国内においても導入することを主張している。外国人政策において移住者の社会的統合が進展することをキリスト教民主同盟は期待している。さらに、移住者に向けたドイツ語教育へ援助し、適切に運営された移住者政策に尽力することを主張している。多重国籍は特例事項としてのみ導入するとしている。
外交政策CDU所属メルケル首相(中央右)。2009年、バーデン=バーデンにおけるNATOサミットにてオバマ米国大統領(前列左端)と共に。リスボン条約締結に積極的に動いたCDU所属メルケル首相(左)。ブランデンブルク門前にてバローゾ欧州委員会委員長と共に。

外交政策において、とりわけ、キリスト教民主同盟はアメリカと損なわれない健全な関係を維持することに努めている。イラク戦争開戦時、当時のゲアハルト・シュレーダー首相の率いる社会民主党(SPD)と同盟90/緑の党によるドイツ連邦政府が頻繁に示した反米姿勢に対してキリスト教民主同盟は非難を加えた。パリベルリンモスクワ北京による怪しげな同盟関係は西方同盟を取り替える存在にはならないとエドムント・シュトイバー(CSU)によって語られた。むしろ、ドイツはアメリカを世界の平和と自由の証人として必要としているとキリスト教民主同盟は見なしたのである。


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