トーマス・カーライル
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例えば内村鑑三は「後世への最大遺物」において、「勇ましい高尚なる生涯」が「後世への最大遺物」になる例として、カーライルがハリエット・テイラー(英語版)(友人ジョン・スチュアート・ミルの晩年の内妻)により誤って燃やされてしまった「フランス革命史」の膨大な完成原稿を書き直したエピソードを挙げ、「私はカーライルという人については全体非常に尊敬を表しております」としている。

作家夏目漱石ロンドン留学時に記念館を訪れ、帰国後に紀行文「カーライル博物館」を書いている。初期作品「吾輩は猫である」に、登場人物がカーライルと同じ「胃弱」であることを自慢して友人にからかわれる描写がある。

イギリスなどヨーロッパでは20世紀以降寧ろ時代遅れの印象が強まり反ユダヤ主義的言動はナチスへの影響も含めて批判の的となっている一方、ボルヘスチェスタトンなどと並んで優れた文学者の一人としてカーライルを挙げている[2]
格言

カーライルは、大英帝国(ヴィクトリア朝)時代を代表する著述家・言論人として様々な金言がある。

「この国民にしてこの政府あり」はその一つ。元は19世紀イギリスの修道士の発言「国民は、自分達と同程度の政府しか持てない」。「杓子定規なお役所仕事」をレッドテープと呼ぶが、これはカーライルが広めたとされる。「雄弁は銀、沈黙は金」はカーライルの言葉ではなく、カーライルの『衣装哲学』第三章目によると、これは彼がスイスで見たドイツ語の碑文である[3]
著作

衣装哲学(1833年 - 1834年)

フランス革命史(英語版)(1837年)

英雄および英雄崇拝(英語版)(1841年)

過去と現在(英語版)(1843年)

黒人問題に関する時論(英語版)(1849年)

スターリング伝(英語版)(1851年)

フリードリヒ大王伝(英語版)(1858年 - 1865年)

邦訳

『カーライル選集』(
日本教文社(全6巻)、1962-63年) 

1巻「衣服の哲学」 宇山直亮

2巻「英雄と英雄崇拝」 入江勇起男訳

3巻「過去と現在」 上田和夫

4巻「妻と友へ」 入江勇起男訳

5巻「文学と人生」 高村新一

6巻「歴史の生命」 宇山直亮訳 - 各・オンデマンド版、2014-15年


多田貞三訳 『追想 ジェーン・ウェルシ・カーライル』 山口書店、1986年

石田憲次石田英二訳 『過去と現在』 岩波文庫(上下)、1941年

石田憲次訳 『衣服哲学』 岩波文庫 1946年、復刊1994年、2010年

老田三郎訳 『英雄崇拜論』 岩波文庫 1949年、復刊2003年

山崎八郎訳 『ゲーテ=カーライル往復書簡』 岩波文庫 1951年、復刊1993年

谷崎隆昭訳 『衣服哲学』 山口書店 1983年

谷崎隆昭訳 『過去と現在』 山口書店 1984年

脚注[脚注の使い方]^ Thomas Carlyle British essayist and historian Encyclopadia Britannica
^ 訳文は『序文つき序文集』(国書刊行会、2001年)に所収。
^ “ ⇒Sartor Resartus by Thomas Carlyle.”. www.gutenberg.org. 2020年1月13日閲覧。

関連文献

イアン・キャンベル『トマス・カーライル』 多田貞三訳、成美堂、1981年

A.ローレンス・ルケーン 『カーライル』
樋口欣三訳、教文館「コンパクト評伝シリーズ」、1995年

向井清 『衣装哲学の形成 カーライル初期の研究』 山口書店 1987年

向井清 『トマス・カーライル研究 文学・宗教・歴史』 大阪教育図書、2002年

向井清 『カーライルの人生と思想』 大阪教育図書、2005年

『古典的シェイクスピア論叢  ベン・ジョンソンからカーライルまで』 川地美子編訳、みすず書房、1994年

外部リンク英語版ウィキソースにトーマス・カーライル著の原文があります。ウィキクォートにトマス・カーライルに関する引用句集があります。ウィキメディア・コモンズには、トーマス・カーライルに関連するメディアがあります。

Thomas Carlyleの作品 (インターフェイスは英語)- プロジェクト・グーテンベルク (plain text and HTML)


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