しかし、南アフリカの環境大臣エドナ・モレワ(英語版)は狩猟産業が過去幾年にもわたり南アフリカ経済に数百万もの貢献をしたと主張して、フロッケンの結論に異を唱えている。2010年の狩猟シーズンでは、約11億ランドの総収入が地場産業およびトロフィーハンティング産業によって生み出されたという。モレワによると「この金額は、宿泊費や種別料金[注釈 4]を通じて生じた収益のみを反映したものである。この金額には、関連産業を介して相乗効果で生み出された結果の収益などを含んでいないため、本当の収益は大幅に増加する」という[10]。
ただし、南アフリカの ⇒キャンド・ライオン [注釈 5]産業は「南アフリカというブランド」を傷つける恐れもある、高収益な自然観光産業であるとの声も多い。
北米コディアック諸島にて、クマの頭部を背負ったハンター
セシル射殺による世間の抗議を受けて、このスポーツに対する意識が世界的に高まった。米国政府によると、同国の連邦保護種はフロリダパンサーだけとなり、イースタン・クーガーは絶滅したと考えられている[12][13]。
コロラド州、ユタ州、ワシントン州など幾つかの州では、近年さまざまな理由でピューマ狩りの増加が提案されており、カリフォルニア州が現在、西側で唯一ピューマ狩りを禁止する州である[14]。
ブーン&クロケット・クラブ (Boone and Crockett Club) は、20世紀の変わり目に絶滅の危機にあった多くの遊興狩猟用大型動物の回復を支援するべく、自分達は年老いたオスを選んで仕留めていたと主張している[注釈 6]。同組織は現在もこの実践促進を継続しており、独自の記録データを通して保護活動が成功しているかを監視している[15]。
北米のトロフィーハンティングは、キャンド・ハンティングやバニティー・ハンティング[注釈 7]と混同されるべきではないとする意見もある。実際ボーン&クロケット・クラブはこの慣行を認めておらず、それへの反対運動に積極的だと主張している[17]。とはいえ北米でも、仕留めることで料金を払う「牧場ハンティング」が顕在化している。 牧場ハンティングとは、狩猟される動物がトロフィーハンティング向けに牧場で特別飼育された大型獣ハンティングの一形態である。 インド生息のブラックバック、ニルガイ、アクシスジカ、バラシンガジカ、イラン生息のムフロンといった様々な種類のシカ、ヒツジ、アンテロープ、さらにアフリカやアジアや太平洋諸島に生息するトラ、ライオンといった多くの狩猟対象となる動物種が、トロフィーハンティング目的でテキサス州やフロリダ州の牧場に導入されることとなった。 一般的にこれらの動物は仕留めるたびに料金を払う形で狩猟されており、4,000ドル以上を払うハンター達は物珍しい狩猟動物を撃つことが可能になる[18][19]。これらの種の多くは本来の生息地で絶滅危惧種または絶滅の危機に瀕している種であり、米国政府はこれら動物の現生地域での保護活動に狩猟料金の10%を与えるよう義務付けている。米国における絶滅危惧種のハンティングは、通常であれば絶滅危惧種法で違法となるが、米国に本来生息していない希少動物であるため、これらの牧場では許可されている。 米国人道協会 狩猟オークションは、狩猟用動物の飼育場および禁猟区に野生動物を提供する一助となっている。これらの施設はアフリカの観光面で重要(同大陸最大の経済分野の一つ)であり、例えば南アフリカのGDPの約5%を占める[20][7]。
牧場ハンティング
狩猟オークション