トロイカ
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そのため、カチューシャの面々が間違えて、ピョートル・ブラーホフ (Булахов, Пётр Петрович)がピョートル・ヴャゼムスキー (Вяземский, Пётр Андреевич) の詞に曲をつけた「トロイカ (≪Тройка≫)」(正題: ≪Тройка мчится, тройка скачет≫; トロイカが駆ける、トロイカが跳ぶ)を訳したため、このような歌詞で定着してしまった[2]、という説が信じられてきた[3]。しかし、実際に歌詞をつけたカチューシャ団員の森おくじの証言によれば、歌詞を付けたのは昭和27年(1952年)、当時、楽団の巡演の事前に行っていた歌唱指導用の曲を新しく別のものにする必要があり、その時「トロイカ」の美しいメロディーに気がついた。団員の宮尾長治、富山友正と一緒にその場で歌詞を「合作」した。曲が「淋しすぎるため、早くリズミカルに演奏し、ソヴィエトの若者の明るい喜びを表現した」。ブラーホフ作曲の「トロイカ」と歌詞が似たのは偶然で、当時はブラーホフ版の原詞を入手できなかったそうである[4]。従来は正しくカチューシャ「作詞」として楽譜集に掲載されていた[5]ものが誤って「訳詞」として掲載され、それが定着したため、上記のような「間違えて歌詞をつけた」という説が広まり信じられるようになった、というのが真相である。

楽団カチューシャの歌詞は:
雪の白樺並木 夕日が映える 走れトロイカ ほがらかに 鈴の音高く

響け若人の歌 高鳴れバイヤン 走れトロイカ かろやかに 粉雪蹴って

黒い瞳が待つよ あの森越せば 走れトロイカ 今宵は 楽しい宴

みんなのうた

みんなのうた
トロイカ
歌手東京少年少女合唱隊(*1)
東京放送児童合唱団(*2)
作詞者楽団カチューシャ
作曲者ロシア民謡
編曲者荒谷俊治(*1)
小林秀雄(*2)
映像実写
初放送月1961年12月(*1)
1966年2月(*2)
再放送月2006年8月8日
2006年10月22日
2007年1月1日(以上*1懐かし)
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『みんなのうた』では、開始間もない1961年12月に放送、荒谷俊治が編曲し、東京少年少女合唱隊が歌った。映像は十勝岳を舞台にした実写映像だった。この後1966年2月小林秀雄編曲・東京放送児童合唱団の歌でリメイク、この時の映像は札幌の原々種牧場が使われた。

2006年8月8日・同年10月22日2007年1月1日の3回、衛星第2テレビの『なつかしのみんなのうた』で再放送され、2011年4月3日NHK総合で放送された『みんなのうたスペシャル 1960'sセレクション』の冒頭で紹介、地上波では49年3ヶ月ぶりの再放送となった。現在はDVD-BOX『みんなのうた』のDISC.1に1961年版が収録されている。
脚注^ 東大音感合唱による訳詞。北川剛 編「ロシヤ民謡アルバム」(音楽之友社)などに所収。飯塚書店より発行された「ロシア民謡集」では楽団カチューシャによる詞と合わせて掲載されている。
^ 長田暁二編「世界抒情歌全集」、ドレミ楽譜出版社、1993 p.626
^ 他に山之内重美「トロイカから私を呼んでまで」(東洋書店) p14-17などで言及。
^ 「ロシア民謡を日本に広めた森おくじの世界 楽譜集」(清風堂書店) p90-93。なお、森の証言は2007年にある指揮者からの問い合わせに対する回答の形で行われ、書籍としては2014年に出版された。
^ 例として森が挙げているのは、カチューシャ編「ソビェート青年の歌」(全音楽譜出版社、1963年)

出典

北川剛 編「ロシヤ民謡アルバム」(音楽之友社、1979年 第12刷)

飯塚書店編集部 編「ロシア民謡集」(飯塚書店、1980年)

長田暁二編「世界抒情歌全集」(ドレミ楽譜出版社、1993年)

山之内重美「トロイカから私を呼んでまで 続・ロシア愛唱歌集」(東洋書店、2004年) ISBN 4-88595-525-4

「ロシア民謡を日本に広めた森おくじの世界 楽譜集」(清風堂書店、2014年) ISBN 978-4-88313-819-7

トロイカを収めた各種日本盤LP、CDのライナーノーツ


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