トロイカ体制
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ベトナム社会主義共和国

ベトナム社会主義共和国では実質的な最高指導者である共産党中央委員会書記長、国家元首である国家主席、実務を担う首相の3職を分離させるトロイカ体制を敷いていた。ベトナムではこの三職に国会議長を加えたものを、国家の「四柱」と呼んでいる[2]

しかし、2018年10月には病死したチャン・ダイ・クアン国家主席の後任としてグエン・フー・チョン共産党書記長が2021年4月まで国家主席を兼任し、元首と書記長を分離してきた原則が崩れている[3]
レバノン共和国

レバノン共和国では大統領キリスト教マロン派から、首相イスラム教スンニ派から、国会議長はイスラム教シーア派からそれぞれ選出することが慣例化しており、トロイカ体制と呼ばれている[4][5]
転用

1960年ベルギー領コンゴから独立を果たしたコンゴ共和国は、激化する内乱(コンゴ動乱)の沈静化のため国際連合に援助を求めた。当時の国際連合事務総長ダグ・ハマーショルドは4度に渡りコンゴを訪問したが、ソ連はハマーショルドのアフリカ非植民地化への努力を不充分と評価した。1960年9月にソ連はコンゴ国連軍を編成するとした国際連合安全保障理事会決議143に賛成したものの[6]パトリス・ルムンバ政権への支援が不十分としてハマーショルドの国連事務総長の辞任を要求し、代案としてあらかじめ拒否権を持つ西側東側第三世界非同盟)出身の3人の国連事務総長によるトロイカ体制を提案した。これはソ連のニキータ・フルシチョフの自伝において「資本主義諸国・社会主義諸国・新興独立国の3つのグループの利害を対等に代表」と言及されている[7]

1981年 - 1983年までの読売ジャイアンツ藤田元司監督時代(第1次)で、監督藤田、ヘッドコーチ牧野茂、助監督王貞治の3人が合議しながら指揮を執った体制。

本田技研工業本田宗一郎藤沢武夫両名引退後の布陣。技術畑出身の河島喜好、営業出身の川島喜八郎、西田通弘の体制。

2006年4月 - 2009年5月までの日本民主党執行部体制。代表(当時)前原誠司堀江メール問題で辞任した後、代表に就任した小沢一郎自由党出身)、元代表であり党内実力者である菅直人鳩山由紀夫をそれぞれ代表代行、幹事長に登用し挙党一致体制を敷いた。

ユーロ圏債務問題の文脈では、欧州中央銀行(ECB) 、欧州連合(EU) 、国際通貨基金(IMF) の3つの組織のことをいう。

2014年4月東海旅客鉄道(JR東海)の会長であった葛西敬之が、日本では極めて少ない事例である[8][9]代表権のある名誉会長に就任し、社長・代表権のある会長の3人の体制が「トロイカ体制」と報じられた[10][11]。ただし、同社の代表取締役はこの異動[12]の前後を通じ6名であり[13][14]、代表取締役数に変動があったわけではない。

出典^ 木村明生著、クレムリン権力のドラマ レーニンからゴルバチョフまで、117ページ、朝日新聞社
^新国家主席を選出 - FOREIGN PRESS CENTER(ベトナム外務省プレスセンター 2016年4月5日)
^“ベトナム書記長、国家主席を兼務=国会が選出?権力基盤を強化”. AFPBB News. フランス通信社. (2018年10月23日). ⇒http://www.afpbb.com/articles/-/3194395 2018年10月24日閲覧。 
^ “レバノンの次期大統領にラフード氏を選出 隣国シリアの思惑反映”. 読売新聞. (1998年10月16日) 
^ “ラフード氏新大統領、強力なイニシアチブ発揮/レバノン”. 読売新聞. (1998年12月4日) 
^ “ ⇒Republic of Congo - ONUC Background”. United Nations (2001年). 2015年12月29日閲覧。
^ “アーカイブされたコピー”. 2006年10月22日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2016年2月8日閲覧。
^ “ ⇒「代表取締役名誉会長」は何する人ぞ?”. 東洋経済新報社 (2013年12月26日). 2016年1月7日閲覧。
^ 2014年現在の日本の上場企業で、取締役名誉会長がいる会社はわずか17社、うち代表権を持った名誉会長がいるのはJR東海を除くと5社のみであった。
^ “JR東海社長に柘植副社長 葛西氏は名誉会長に”. 日本経済新聞. (2013年12月16日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASDD160QV_W3A211C1TJ1000/ 2016年1月7日閲覧。 
^ “代表権3人、トロイカ体制 JR東海、リニア・海外展開にらむ”. 産経新聞. (2013年12月17日). https://web.archive.org/web/20160304085911/http://www.sankei.com/economy/news/131217/ecn1312170037-n1.html 2016年1月7日閲覧。 
^ “ ⇒役員の異動について”. 東海旅客鉄道 (2013年12月16日). 2016年1月7日閲覧。
^ “ ⇒アニュアルレポート 2013” (PDF). 東海旅客鉄道. p. 31. 2016年1月7日閲覧。
^ “ ⇒第27期有価証券報告書” (PDF). 東海旅客鉄道. pp. 39-40 (2014年6月24日). 2016年1月7日閲覧。

関連項目

三頭政治 - 共和政ローマ末期の寡頭体制

合議制

二頭政治

非スターリン化

タンデム体制


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