商業作品で無断転写した著者・出版社側が発覚後に対応した主な事例としては、以下のものがある。
池上遼一の漫画『信長』で新府城の復元図が盗用であると、復元図の作者である工業デザイナーの藤井尚夫に抗議された[1]。
『信長』は最終巻が出版されないまま小学館からのコミックスは絶版となったが、2003年にメディアファクトリーから引用箇所を描き替えた上で復刊されている[1]。
かわぐちかいじの漫画『沈黙の艦隊』での潜水艦・空母等の作画が写真集からの無断トレースであるとして、写真家の柴田三雄から訴えられた[1]。
かわぐちかいじ側の全面謝罪と賠償金の支払が行われた[1]。
末次由紀の漫画『エデンの花』に、井上雄彦の漫画『SLAM DUNK』や『リアル』からの作画や構図等のトレースがあったことが2005年に発覚した[1]。
出版社側が陳謝し、『エデンの花』の単行本は絶版処分となった[1]。
漫画雑誌『マガジンドラゴン』に掲載された『ドラゴンカップ』受賞作品である豪村中の『メガバカ』内に、『DEATH NOTE』などの他者の作品からトレースされたと思われる絵が多数を占めていた事件がある[1]。
講談社が公式に謝罪し、『メガバカ』は選考から除外された[1]。
松枝尚嗣の漫画『ダシマスター』で作中に登場する料理の絵がウェブ上の料理画像からのトレース疑惑が浮上した[2]。
休載、そのまま連載終了となり、単行本は絶版となった。
また、漫画家のCLAMPやイラストレーターのみつみ美里はウェブサイト上で自身の作品のトレースをしないように呼びかけているなど、この種の問題の存在は商業作品・同人誌を問わず広く認知され、議論が行われている。 子どもの遊びの一つ。漫画などの絵の上に薄い紙を置いて絵をなぞって写し取る行為。自分でそのキャラクターなどを描けた気分になるという楽しみがある。トレス台の代わりに、昼間の窓ガラスなどが用いられることもある。トレス台が存在しなかった・または非常に高価で手に入りにくいものだった時代は、漫画家や製図業者などもトレス台の代用品とされていた。 漫画などのキャラクターがプリントされた紙と、トレーシングペーパーがセットになった「写し絵セット」も市販されている。 塗り絵や線画を元に写すこともある。
写し絵遊び
注釈^ a b c d e f g h 坂茂樹「封印漫画大全」(三才ブックス)
^ 集英社の料理マンガが連載中断 写真トレースはダメなのかで議論
関連項目
製図
図面
複写
模写
二次創作
盗作
ぱくり