トレオニン
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トレオニンはタンパク質を構成する20種類のアミノ酸の中で最後の1935年に、ウィリアム・カミング・ローズ(英語版)、Richard McCoy、Curtis Meyerによって発見された[2]。このアミノ酸はトレオース(threose)と構造が似ていたため、threonineと命名された[3]
生合成

ヒトはトレオニンを体内で作り出すことができないため、必須アミノ酸に分類される。一方、植物や大部分の微生物はアスパラギン酸から合成している。生合成の各段階は次のようなものである。まず、酵素アスパルトキナーゼがアスパラギン酸のβ-カルボキシル基をリン酸化する。次に β-アスパルテートセミアルデヒドデヒドロゲナーゼによって還元され、β-アスパルテートセミアルデヒドになる。これはトレオニン、メチオニンリシンの生合成において重要な中間体である。これがホモセリンデヒドロゲナーゼ、ホモセリンキナーゼ、トレオニンシンターゼの作用によりトレオニンとなる。
代謝

トレオニンは2通りの経路で代謝される。

トレオニンはトレオニンデヒドロゲナーゼ
によってピルビン酸へと変換される。この経路の中間体はCoAによる加チオール分解(英語版)を受け、アセチルCoAグリシンが生成する。

ヒトにおいて、トレオニンはあまり一般的な経路でセリンデヒドラターゼによってα-ケト酪酸へと変換され、その結果スクシニルCoAへと至る経路に入る。

代謝性疾患

以下の代謝性疾患では、スレオニンの分解が障害される。

マロン酸およびメチルマロン酸尿合併症 (CMAMMA)

メチルマロン酸血症

プロピオン酸血症

脚注^ Dawson, R.M.C., et al., Data for Biochemical Research, Oxford, Clarendon Press, 1959.
^ McCoy, R. H., Meyer, C. E., and Rose, W. C. (1935). ⇒“Feeding Experiments with Mixtures of Highly Purified Amino Acids. VIII. Isolation and Identification of a New Essential Amino Acid”. J. Biol. Chem. 112: 283?302. ⇒http://www.jbc.org/content/112/1/283.full.pdf+html
^ Meyer, Curtis (1936). ⇒“The Spatial Configuation of α-Amino-β-Hydroxy-n-Butyric Acid”. J. Biol. Chem. 115 (3). ⇒http://www.jbc.org/content/115/3/721.full.pdf

外部リンク

トレオニン(スレオニン)
- 素材情報データベース<有効性情報>(国立健康・栄養研究所

『スレニオン』 - コトバンク










タンパク質を構成するアミノ酸
主なトピック

タンパク質

ペプチド

コドン

特性

脂肪族

分枝鎖アミノ酸 (バリン

イソロイシン

ロイシン)

メチオニン

アラニン

プロリン

グリシン

芳香族

フェニルアラニン

チロシン

トリプトファン

ヒスチジン

極性なし

アスパラギン

グルタミン

セリン

トレオニン

正電荷 (pKa)

リシン (?10.8)

アルギニン (?12.5)

ヒスチジン (?6.1)

負電荷 (pKa)

アスパラギン酸 (?3.9)

グルタミン酸 (?4.1)

システイン (?8.3)

チロシン (?10.1)


分類

必須アミノ酸

ケト原性アミノ酸

糖原性アミノ酸

タンパク質を構成しないアミノ酸


主要な生体物質


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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