トルコ
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NATO加盟国としては唯一、非欧米国家グループである上海協力機構の対話パートナーにもなっており、2015年にはエルドアン大統領によって正規加盟が要請された[33][34]。軍事装備は西側のものだけではなく、中華人民共和国の協力で弾道ミサイルのJ-600Tユルドゥルム(英語版)や多連装ロケットシステムのT-300カシルガ(英語版)を導入しており、NATOのミサイル防衛を揺るがすHQ-9S-400のような地対空ミサイルも中国やロシアから購入する動きも見せた。2010年にはアメリカやイスラエルと行ってきた「アナトリアの鷲」演習を中国と実施し、中国と初めて合同軍事演習を行ったNATO加盟国となった[35][36][37]

2019年にはロシアの地対空ミサイルS-400を搬入。アメリカ政府はロシアへの軍事機密漏洩を警戒して、F-35戦闘機国際共同開発からトルコを排除した[38]

南東部においてはクルディスタン労働者党(PKK)との戦闘状態が長年続いている。南隣にあるイラクシリアに対しても、国境をまたいで活動するPKKやイスラム国など反トルコ勢力への攻撃と、親トルコ派勢力の支援を目的に、派兵や越境空爆をしばしば行っている[39][40]。「トルコ軍によるシリア侵攻 (シリア内戦)」も参照

2016年には、ペルシャ湾岸のカタールの基地を利用する協定を締結した[41]

有力な軍需産業を有していて各種兵器の開発と輸出を積極的に行っている。一例を挙げれば、政府系企業の航空宇宙産業(TAI)や民営のバイカル防衛が軍用無人航空機バイラクタル TB2を開発・製造しており、シリア内戦リビア内戦に投入されたほか、2022年ロシアのウクライナ侵攻にも投入され目覚ましい戦果を上げており、複数の国が輸入している[42](「2020年ナゴルノ・カラバフ紛争#戦術」「#工業」も参照)。
情報機関詳細は「トルコの情報機関」を参照
地理トルコの地形図詳細は「トルコの地理(英語版)」を参照

国土はヨーロッパアジアにまたがり、北の黒海と南のエーゲ海地中海をつなぐボスポラス海峡-マルマラ海-ダーダネルス海峡によって隔てられる。面積は780,576平方キロメートルで、日本の約2倍[7]北緯35度から43度、東経25度から45度に位置し、東西1,600キロメートル、南北800キロメートルに及ぶ。アナトリア半島は中央に広大な高原と海沿いの狭小な平地からなり、高原の東部はチグリス川ユーフラテス川の源流である。東部イラン国境近くにはヴァン湖アララト山(国内最高峰で休火山標高5,137メートル)がある。

国内に多くの断層を持つ地震国であり、近年では、1999年イズミット地震でマルマラ海沿岸の人口密集地が、2023年ではトルコ・シリア地震でトルコ南部が大規模な被害を受けた。なお、他の地震国の多くと同様、国内に数多くの温泉が存在し、中にはヒエラポリス-パムッカレなど世界遺産の中に存在するものもある。
気候詳細は「トルコの気候(英語版)」を参照

中近東という位置や地中海やエーゲ海からくる印象から、一般に温暖な印象であるが、沿岸地域を除くと冬は寒冷な国である。エーゲ海や地中海の沿岸地方は温暖で、ケッペンの気候区分では地中海性気候に属し、夏は乾燥していて暑く、冬は温暖な気候で保養地となっている。

イスタンブールのあるマルマラ海周辺やヨーロッパトルコ地域は地中海性気候と温暖湿潤気候の中間に属し、夏は他地域よりは涼しく、冬は比較的寒くなり雪も降る。

黒海沿岸地方は温暖湿潤気候に属し、年間を通じトルコ降水量が最多である。深い緑に覆われている。

国土の大半を占める内陸部は大陸性気候で寒暖の差が激しく乾燥しており、アンカラなどの中部アナトリア地方はステップ気候高地地中海性気候に属する。夏は乾燥していて非常に暑くなるが、冬季は積雪も多く、気温が20°C以下になることも珍しくない。

東部アナトリア地方は亜寒帯に属し、冬は非常に寒さが厳しく、東部の標高1,500mを超えるような高原地帯では1月の平均気温は−10°Cを下回る。標高1,757mにあるエルズルムでは気温がしばしば−30°Cを下回り、−40°Cに達することもある酷寒地である。

ヴァン県のチャルディラーン(Cald?ran)では、1990年1月9日に国内最低となる−46.4°Cを記録している。高温記録としては1993年8月14日にシリア国境に近いマルディン県のコジャテプ(Kocatepe)で48.8°Cを記録している[43]

トルコ各地の平年値(統計期間:1960年 - 2012年、出典: ⇒トルコ気象庁)平年値
(月単位)マルマラ地方 エーゲ海地方地中海地方中央アナトリア地方
エディルネイスタンブールブルサイズミルデニズリアンタルヤアダナカフラマンマラシュアンカラコンヤカイセリエスキシェヒルスィヴァスヨズガト
気候区分CfaCfaCfaCsaCsaCsaCsaCsaBSkBSkDsbBSkDsbDsb
平均
気温
(°C)最暖月24.7
(7月)24.4
(7月)24.5
(7月)28.0
(7月)27.4
(7月)28.4
(7月)28.5
(8月)28.4
(8月)23.5
(7月)23.6
(7月)22.6
(7月)21.7
(7月)20.2
(7月)19.7
(7月)
最寒月2.6
(1月)6.5
(1月,2月)5.2
(1月)8.8
(1月)5.8
(1月)9.8
(1月)9.6
(1月)4.8
(1月)0.3
(1月)−0.2
(1月)−1.8
(1月)−0.1
(1月)−3.3
(1月)−1.9
(1月)
降水量
(mm)最多月72.9
(12月)99.1
(12月)109.6
(12月)147.5
(12月)93.0
(12月)251.2
(12月)133.9
(12月)132.6
(12月)51.2
(5月)44.8
(12月)55.0
(4月)48.4
(12月)61.6
(4月)81.1
(12月)
最少月24.1
(8月)20.9
(7月)16.1
(7月)1.9
(7月)8.4
(8月)1.8
(8月)5.0
(8月)0.8
(8月)10.9
(8月)5.6
(8月)5.4
(8月)8.7
(8月)6.0
(8月)8.9
(8月)
平年値
(月単位)東アナトリア地方南東アナトリア地方黒海地方
アールアルダハンカルスエルズルムハッキャリマラティヤヴァンディヤルバクルガズィアンテプシャンルウルファキリスゾングルダクサムスントラブゾン


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