羊乳は栄養源として重宝され、そのまま飲むほかにチーズに加工して保存される[34]。祝宴や高い地位にあった男性の葬儀の場などでは、野菜やパンと一緒に羊やラクダの肉が食べられていた[34]。
羊肉は家畜の肉付きが最もいい9-10月頃に屠殺した雄羊が食用にされることが多く、ひも状に切った肉を羊脂で焼いて食べる[34]。冷えると膜を張る羊脂は保存料としても利用され、羊脂を塗った肉は冬期の保存食にされる[34]。 トルクメン人にはハプログループQ (Y染色体)が高頻度に見られる。Grugni et al. (2012) では42.6% (29/68)[35]、Di Cristofaro et al. (2013) では33.8% (25/74)[36]、Karafet et al. (2018) では50.0% (22/44) (Q-M25のみ)[37]観察される。 ミトコンドリアDNAハプログループからは、モンゴロイドとコーカソイドの混血であることが示されているほか、トルクメン人と南部シベリア人のみで見つかっている多型をもつ2つの特異的なmtDNAマーカーがみられる[38]。
遺伝子
イランのトルキャマーンイランのアーシューラーデ島
ロシアの南下に伴ってアトレク川(英語版、ロシア語版)にイランとの国境線が敷かれた後、トルクメン人は国境線によって分断された。
イランに住むトルクメン人はトルキャマーンと呼ばれ、カスピ海東岸からトルクメニスタンの国境にかけての地域に居住している[39]。トルキャマーンの部族はグークラーン(ギョクレン)、ヨムートが大部分を占め、少数のノクーリー、テケが属している[40]。1924年から1925年にかけてトルキャマーンはイランからの独立を主張したが、イラン政府によって独立運動は弾圧された[40]。1979年のイラン革命の際にもトルキャマーンは自治運動を起こしたが失敗に終わっている。
脚注^ “The World Factbook”. 2015年3月18日閲覧。
^ “The World Factbook”. 2015年3月18日閲覧。
^ "Ethnic Groups". Library of Congress Country Studies. 1997. Retrieved 2010-10-08.^ Jump up to: a b
^ Alisher Ilhamov (2002). Ethnic Atlas of Uzbekistan. Open Society Institute: Tashkent.
^ ⇒http://www.unhcr.org/cgi-bin/texis/vtx/home/opendoc.pdf?tbl=SUBSITES&page=SUBSITES&id=434fdc702
^ 2002 Russian census
^ 2002 Tajikistani census (2010)
^ “ ⇒About number and composition population of Ukraine by data All-Ukrainian census of the population 2001”. Ukraine Census 2001. State Statistics Committee of Ukraine. 2012年1月17日閲覧。
^ a b c d e f g h 小松「トルクメン」『中央ユーラシアを知る事典』、394頁
^ a b c d e f g h i j 護、岡田『中央ユーラシアの世界』、239-242頁
^ a b c d e f g h 佐口「トゥルクメン」『アジア歴史事典』7巻、103-104頁