トルクメニスタン
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2021年1月に発効した改正憲法により、上院に相当する定数56議席の「人民評議会(ハルク・マスラハトイ)」が復活して二院制へと一時移行したが、2023年に廃止され一院制に戻った[9]。議員全員は大統領の承認を得る必要がある。一方、人民評議会の議員は選挙人による間接選挙で48人、大統領による任命で8人が選出され、こちらも任期は5年である。

現在の「人民評議会」と同じ名前の組織がかつて国権の最高機関として存在し、大統領による主宰のもと、マジュリス代議員・閣僚・地方・司法権などの代表が入り、大統領不信任案を提出し、弾劾に関する国民投票を行う権限を有していた。しかし2008年の憲法改正により一度廃止され、権限は議会に移った。この際、それまで50議席だった議会定数は125議席に拡大された。
政党「トルクメニスタンの政党の一覧(ロシア語版)」も参照

旧トルクメン共産党(ロシア語版、英語版)の後身であるトルクメニスタン民主党(Turkmenistany? Demokratik Partiyasy, TDP)による事実上の一党独裁制で、かつてはニヤゾフ初代大統領が同党の議長を務めていた。

憲法では複数政党制が認められているものの、TDP以外の正式登録された合法政党において優位となっているのは、現時点で農業党(ロシア語版)と産業・企業家党の2つしかない。農業党はTDPの地方(農村)幹部により構成される衛星政党であるため、同国において複数政党制は実質には機能していないに等しい。
司法

司法権は最高裁判所に属している。「トルクメニスタン最高裁判所(英語版)」も参照
国際関係詳細は「トルクメニスタンの国際関係」および「トルクメニスタンの在外公館の一覧」を参照

トルクメニスタンはソビエト連邦崩壊時、アルマトイ宣言に合意したため独立国家共同体(CIS)加盟国となったが、その後に制定されたCIS憲章を批准していないため正式な加盟国とはならなかった。しかしながら脱退したわけではなく、正式加盟国では無いにもかかわらずCISの会議には参加を続けており、2007年には正式に準加盟国と定められた。旧ソ連の中央アジア諸国では唯一、上海協力機構の正式加盟国ではなく、ゲスト参加にとどまっている。一方で北大西洋条約機構(NATO)や日本など西側諸国とも対話や要人の往来を行う全方位外交を行っている[1]。また南隣のイランとの友好関係も重視しており、各分野で協力する文書を2018年に結んだ[10]

アフガニスタンで2021年に成立したタリバン政権アフガニスタン・イスラム首長国)に対しても、2022年1月に代表団を受け入れるなど接近している[11]。これには、アフガニスタン経由でパキスタンインド天然ガスパイプラインを敷設して、中華人民共和国(中国)に偏っている天然ガスの輸出先多角化と価格上昇を意図しているという観測がある[11]

永世中立国を掲げるものの、実態としては軍事的にも経済的にもロシアと中国の影響力が強い地域でもある。トルクメニスタン産の天然ガスはかつて、ロシア経由でヨーロッパへと輸出されていたが、トルクメニスタン側が値下げに応じなかったため2016年に中断し、2009年に完成した中国向けパイプラインを通じた輸出のみとなり、中国に接近して武器も購入した[12][13]。ロシア国営企業ガスプロムは2019年にトルクメニスタン産天然ガスの輸入を再開する予定を表明しており、これには同国への影響力回復を目指すロシア政府の意図があると見られると報道されている[14]

2022年12月14日には、ベルドイムハメドフ大統領が首都アシガバートにトルコエルドアン大統領アゼルバイジャンアリエフ大統領を迎えて会談し、トルクメニスタン産ガスを両国経由でヨーロッパへ輸出するための協力覚書を交わした[15]
日本との関係詳細は「日本とトルクメニスタンの関係」を参照
軍事詳細は「トルクメニスタン軍」を参照

トルクメニスタン軍は、陸軍海軍空軍の3軍から構成されている。
地理トルクメニスタンの地図トルクメニスタンの地形詳細は「トルクメニスタンの地理(英語版)」を参照
地形

国境線の長さは3,736キロ。うち9割がカラクム砂漠で国土面積の多くを占めており、国土の北方はトゥラン低地で占められている。

ウズベキスタンとの国境付近に位置する北東地域にはキジルクム砂漠がある。その中にアムダリヤ川が流れており、そこからカラクム運河が分かれていて、灌漑農業などに利用されている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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