海底でピカールとウォルシュは小型のウシノシタ(シタビラメ)やヒラメ[2]のような魚類を発見し、あらゆる海洋のうちで最も苛烈な水圧下でも脊椎動物が生息することを明らかにした。海底は珪藻土の軟泥からなることが観察された。[3]
2名は海底に20分間とどまったが、ようやく窓のクラックを発見したために海底を離れた。彼らは3時間15分かけて浮上、無事帰還した。これ以降、長く有人でチャレンジャー海淵に潜った探査船はなかった。1995年に日本の無人探査機かいこう[4]が同海底に達した。現在はかいこうの後継機である大深度小型無人探査機ABISMOが2008年にチャレンジャー海淵にて最大潜航深度10,258mを記録し、大深度下での連続的資料採取に成功している。2009年5月31日にネーレウスが10,902mに到達した。
2012年3月26日、映画監督のジェームズ・キャメロンが、一人乗りの潜水艇「ディープシーチャレンジャー」に搭乗し、トリエステ以来52年ぶりにチャレンジャー海淵最深部に潜行。最深部での試料採取や映像撮影にも成功した。 1963年4月、改修されたトリエステは大西洋において遭難した原子力潜水艦「スレッシャー」の捜索にあたり、同年8月にニューイングランド沖2,560メートルの海底で残骸を発見した。1966年に退役・解体され、耐圧球が「トリエステ2(DSV-1)」に転用、同船は翌年に同じく「スレッシャー」の調査に投入された。詳細は「トリエステ2」を参照 トリエステ級バチスカーフは1983年の潜水を最後に、アルビン号を始めとするアルビン級
退役
その後
トリエステは現在ワシントンD.C.のワシントン海軍工廠にある国立アメリカ海軍博物館(英語版)にて、オリジナルの耐圧球に船体を復元した状態で常設展示されている。
ギャラリー
1960年1月23日、チャレンジャー海溝探査を開始する直前のトリエステ。後方は探査に同行した護衛駆逐艦「ルイス(英語版)」
トリエステの耐圧球とバラストサイロ
トリエステに乗船するジャック・ピカールとドン・ウォルシュ
国立アメリカ海軍博物館に展示されるトリエステ(復元)
脚注^ “ ⇒USS Wandank II ATA-204”. 2014年11月15日閲覧。
^ ヒラメやカレイの魚類で、そのような超深海に生息する種は知られていない。
^ しかし、後のかいこうによる日本の調査ではそれらに似た生物は発見できず、別な種類の動物を誤認したのではないかと言われる。
^ 2003年に事故で喪失。
関連項目
潜水艇
深海救難艇
FNRS-2 - ピカールが最初に設計したバチスカーフ。
FNRS-3 - フランス海軍のバチスカーフ。FNRS-2の改造。
アルシメード - フランス海軍のバチスカーフ。トリエステ・トリエステ2と同時期に活動した。
しんかい6500 - 日本の深海探査艇。
外部リンク
Trieste I (Bathyscaph) (Naval History and Heritage Command)
History of the Bathyscaph Trieste - ウェイバックマシン(2012年3月6日アーカイブ分)
The Deep - Trieste Animation - ウェイバックマシン(2008年10月14日アーカイブ分)
⇒RV Trieste ( ⇒Historic Naval Ships Association)
FNRS-2 (Ships of the World: An Historical Encyclopedia) - ウェイバックマシン(2004年11月12日アーカイブ分)
表
話
編
歴
第二次世界大戦後のアメリカ海軍の潜水艦
×は退役艦型・{ }は将来艦級
原子力推進型
SSBN
×ジョージ・ワシントン級
×イーサン・アレン級
×ラファイエット級
×ジェームズ・マディソン級
×ベンジャミン・フランクリン級
オハイオ級
{コロンビア級}
SSGN
×ハリバット
改良型オハイオ級
SSN
×ノーチラス
×シーウルフ
×スケート級
×スキップジャック級
×パーミット級
×タリビー
×スタージョン級
×ナーワル
×グレナード・P・リプスコム
ロサンゼルス級
シーウルフ級
ジミー・カーター
バージニア級
SSRN
×トライトン
NR
×NR-1
通常動力型
SSG
×グレイバック級
SS
×バラクーダ級
×タング級
×セイルフィッシュ級
×ダーター
×バーベル級