トラヴィス_(バンド)
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2008年のフジロックフェスティバルで再来日、翌日には韓国に移動し、06年から仁川で毎年開催されているペンタポート・ロック・フェスティバルの2日目メインステージのヘッドライナーを務めた。

『ザ・ボーイ・ウィズ・ノー・ネーム』リリースにともない久々の大規模ツアーを敢行したバンドは、その余勢を生かしライブ・テイクを中心としたレコーディングを進めた。そして2008年9月、前作からわずか1年弱という異例のスパンでアルバム『オード・トゥ・ジェイ・スミス』を発表。今作から、バンドは長らく在籍したインディペンディエンテ・レコードを離れ1996年にデビューEPを発表した自主レーベルからのリリースを開始することとなった。以前のトラヴィスにはなかったヘヴィなロック色が非常に濃い仕上がりとなったためか、アルバムは全英20位と伸び悩み、アルバムからのシングルも全英トップ100入りを逃している。ちなみに、このリリースにともない、1998年以来実に10年ぶりとなる単独来日公演が2009年2月に実現した。

『オード・トゥ・ジェイ・スミス』からおよそ5年後には、新アルバム『ウェア・ユー・スタンド』をリリース。全英チャート3位を記録した。
音楽的評価

地元
スコットランドを中心に、英国を代表するバンドのひとつとして国民的人気を誇る。彼らの楽曲「ホワイ・ダズ・イット・オールウェイズ・レイン・オン・ミー?」は、Virgin Radioが発表した「過去10年間で最も重要な曲ベスト100」の5位にランクインされている(ちなみに1位はオアシスの「ワンダーウォール」、レディオヘッドの「クリープ」は6位、ブラーの「パークライフ」は8位)。

ブリット・ポップ・ブーム終焉後のUKシーンの潮流を、『OK コンピューター』発表以降のレディオヘッドと共に、エモーショナルな内省路線に移行させた存在として評価されている。その後、コールドプレイスノウ・パトロールキーンアスリートといった諸バンドや、ジェームス・ブラントといったミュージシャンの活躍を助長する土壌を育んだ功績は大きいといわれている。一方で当時の音楽界を湿っぽくした張本人であるという声もあり、こういった音楽に不満だったロック・ファン達のフラストレーションが、後のストロークス登場に始まるロックンロール・リバイバルブームの拡大を助勢したともいわれている。

その他のエピソード

トラヴィスは非常に礼儀正しく性格のいいバンドとして知られ、特にフランはロック・ミュージシャンとしては粗暴な言動がひとつもなく、売れても尊大な態度を全くとらない人格者として人望が厚い。

そのフランが『インヴィジブル・バンド』リリース時に宣言した、「バンドよりも作品の方が大切。残ってゆくのはバンドではなくて楽曲だけでいい」という台詞は彼らを象徴する名言としてしばしば引用される。

フィーダーのアルバム『プッシング・ザ・センシズ』収録の「Tumble And Fall」という曲には、フランとダギーがコーラスでゲスト参加している。これは、メンバーが新曲のレコーディングをしていた際、偶然、同じスタジオに居合わせたフィーダーに誘われたことで実現したものであった。

バンドの代表曲のひとつである「ホワイ・ダズ・イット・オールウェイズ・レイン・オン・ミー?」は、日本の雑誌等で、しばしば「雨歌」と通称される。カタカナ表記では長くなってしまうためでもあるが、端的な通称として好まれている。ほかに略称で「レイン」とか「レイン・オン・ミー?」などと呼ばれることもあるが定着はしていない。ちなみにライブのラストはこの「雨歌」で締められることがほとんどで、その際は大きな縦ノリが起こることも定番である。

過去2度出演したフジロックフェスティバルにおいては、いずれも降雨の中でこの「雨歌」が演奏されている。特に2008年のステージにおいては、「ビューティフル・オキュペイション」のイントロ演奏を始めておきながら、途中から雨が降り出すや演奏を中断してセットを「雨歌」に切り替えるなど、天然の演出を逆手にとる程のこだわりっぷりであった。


『ザ・マン・フー』からのシングルである「ライティング・トゥ・リーチ・ユー」はオアシスへのオマージュが基になった曲である。実際、歌詞には「ワンダーウォール」という単語が登場し、イントロも「ワンダーウォール」に酷似したコード進行である。後に、その楽曲のクオリティも含めノエル・ギャラガーの公認を受けている。

2001年に、英国のテレビ番組『トップ・オブ・ザ・ポップス』に出演して「シング」をスタジオで披露した際、彼らは「シング」のPVにならって、なんと演奏中にパイ投げをやりだし、メンバー全員ぐちゃぐちゃになるというザ・ドリフターズ顔負けの茶目っ気をみせたことがある (観客を巻き込んでのパイ投げの応酬の中、顔を真っ白にしたフランは、メンバーの容赦ない攻撃にも屈せず最後まで熱唱した)。

『12メモリーズ』収録の楽曲「ピース・ザ・ファック・アウト」のラスト数十秒に入っている、「Peace The Fuck Out!」という合唱は、バンドの地元であるグラスゴーの名門サッカークラブ・セルティックのサポーターたちの声であり、録音はホームスタジアムであるセルティック・パークにて行われた。

『ザ・ボーイ・ウィズ・ノー・ネーム』は、2005年脳腫瘍で亡くなった、イギリス出身の元世界ラリー選手権(WRC)王者、リチャード・バーンズに捧げられている。

スピッツ草野マサムネは、2008年11月に発売したシングル「若葉」についてのインタビューでマンドリンを取り入れたことに関して、「この曲はラジオで聴いたトラヴィスの曲にインスパイアされて作った」と語っている。

ライブでは、アカペラを披露することもある。

フラン・ヒーリーは、かつてリアム・ギャラガーを涙させた逸話について明かしている。1990年代にオアシスと共にツアーを回っていた時にバンドの「Luv」を歌ってリアム・ギャラガーを泣かせた事があるといい、以下のように明かしている。


「僕達は1997年に、オアシスの『ビィ・ヒア・ナウ』ツアーのサポートを務めてたんだ。それってまるでローリング・ストーンズのサポートをするみたいな経験だったんだよ。


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