トラウマ
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認知行動療法も有効であり、持続エクスポージャー療法 (PE)、認知処理療法 (CPT)、トラウマフォーカスト認知行動療法 (TF-CBT)、EMDRといった技法がある(「心的外傷後ストレス障害#心理療法」を参照)[2]
支援の方針

本人のあらゆる過去や側面を受け止めて、承認・価値を与えることが重要とされる[3]。また、トラウマに付与された否定的な意味づけ(罪悪感など)を和らげて、別の肯定的な意味づけ(当時の状況を考慮すれば無理もないことであった、など)を共有していく[4]。さらに、トラウマ以前の記憶にアクセスし当時の趣味・日課などを取り戻したり、本人のペースを尊重しながら過去と切り離された新しい人生を再建したりできるようサポートする[5]

フラッシュバックが起きている場合、トラウマ記憶が容易に言語化できない鮮烈なイメージとして頭に残っており、言語化できる通常の記憶として処理されていないことがある[6]。そのような際には、本人の語りを治療者が丁寧に受け止め、トラウマ記憶の中の体験や感情に肯定的な意味づけ(自分のせいではなく無理もないことであった、など)をしていくことを通じて、トラウマ記憶を言葉で表現できる通常の記憶として処理することをサポートする[6]。このようにしてトラウマを和らげていく過程を、治療者が支援することも大切である[7][6]

同時に、トラウマ体験とそれに伴う感情を話したり書いたりすることをサポートするなかで、本人が記憶の中にある様々な感情を処理し辛い気持ちを和らげることができたり、現在の状況は過去とは異なる安全な状況であることを再認識できたりするよう、支援することも重要である[8]。これらの際にも、本人のどのようなトラウマ体験やそれに伴う感情も、温かく受け止めていく[9]
脚注[脚注の使い方]
出典^ Richard A. Friedman (2012年4月21日). ⇒“Why Are We Drugging Our Soldiers?”. The New York Times. ⇒http://www.nytimes.com/2012/04/22/opinion/sunday/why-are-we-drugging-our-soldiers.html 2013年6月9日閲覧。 
^ 山内美穂、岩切昌宏 (2017). トラウマに対する認知行動療法と脳機能に関する文献的研究 『学校危機とメンタルケア』 9, 118-127, 2017-03-31, .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}NAID 120006224964
^ オハンロン, B. 前田泰弘(監訳)内田由可里(訳) (2013). 可能性のある未来につながるトラウマ解消のクイック・ステップ--新しい4つのアプローチ-- 金剛出版, 13頁.
^ クラーク, D. M. & エーラーズ, A. 丹野義彦(訳)(2008). 対人恐怖とPTSDへの認知行動療法--ワークショップで身につける治療技法-- 星和書店, 114-115・122頁
^ クラーク, D. M. & エーラーズ, A. 丹野義彦(訳)(2008). 対人恐怖とPTSDへの認知行動療法--ワークショップで身につける治療技法-- 星和書店, 135-136頁
^ a b c 亀岡智美 (2016).被虐待児へのトラウマケア 児童青年精神医学とその近接領域 2016年 57巻 5号 p.738-747, doi:10.20615/jscap.57.5_738
^ 杉浦健 (2003). ⇒人はなぜ変われない(1)--トラウマ記憶とPTSD, その治療と回復 『近畿大学教育論叢』, 14, 33-46.
^ 伊藤 正哉・樫村 正美・堀越 勝 (2012). こころを癒すノート--トラウマの認知処理療法自習帳--. 創元社, 58・61頁.
^ 金吉春、小西聖子 (2016). PTSD(心的外傷後ストレス障害)の認知行動療法マニュアル 『不安症研究』 2016年 7巻 Special_issue号 p.155-170, doi:10.14389/jsad.7.Special_issue_155

関連項目

世代間トラウマ
(英語版)

1000ヤードの凝視(遠い目)

トラウマ・トリガー(英語版) ‐ 記念日反応(anniversary reaction)などトラウマに関わる事象によって、パニック発作、フラッシュバック、逃走しようとするなどが起きる。

攻撃者への同一化 - 攻撃者と同じ行動をとってしまうようになる現象。

精神的苦痛

心的外傷後成長(英語版)

心的外傷による障害

心的外傷後ストレス障害

急性ストレス障害

複雑性PTSD

戦争神経症

被虐待児症候群

失敗恐怖症

レイプトラウマ症候群(英語版)

宗教的トラウマ症候群


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