トライガン
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人々はこの荒れた大地にしがみつき、血と汗で大地を湿らせながら細々と生きている。そのささやかな暮らしも、荒くれどもが銃をぶっ放して台無しにすることもある……ここはそんな世界。

その過酷な世界に1人、赤いコートにトンガった金髪の、トラブルメーカーがいた。名をヴァッシュ・ザ・スタンピードという。彼は荒涼としたこの世界を放浪しながら、何かを探している。分かっているのは彼が凄腕のガンマンで、とてつもなくタフで、そして、筋金入りの平和主義者だということ。気のいい青年だがあまりの傍迷惑ぶりに、付いた渾名が「人間台風(ヒューマノイド・タイフーン)」。とうとう局地災害指定を受ける羽目になった彼には、保険会社からお目付け役が派遣される始末。

しかし、彼にはいくつもの秘密と、胸に秘めた決意があった。

『はるか時の彼方 まだ見ぬ 遠き場所で 歌い続けられる 同じ人類のうた。』[6]
登場人物

担当
声優は1998年テレビアニメ版・劇場アニメ版 / 2023年テレビアニメ版『STAMPEDE』の順に表記[7]。1人だけ記載されている場合は、'98TVアニメ版・劇場アニメ版での配役。


「アニメ版の相違点」は、基本的に'98TVアニメ版についての言及。『STAMPEDE』で相違点があった場合は『STAMPEDE』と前置きして記載。

『STAMPEDE』にのみ登場するキャラクターについては独自に副節を設けているので下記を参照。

主要人物
ヴァッシュ・ザ・スタンピード
声 -
小野坂昌也[8](少年時代 - 宮田幸季) / 松岡禎丞[9](幼少期 - 黒沢ともよ[9])本作の主人公[10]。「人間台風(ヒューマノイド・タイフーン)」と恐れられる元・600億$$の賞金首にして、人類初の局地災害指定を受けた(以降は「災害に賞金は掛けられない」という理屈から賞金自体が失効)伝説のガンマン。真紅のコートに箒のように逆立てた金髪という派手な出で立ちの青年。その生い立ちに隠された秘密によって、数千万人規模の大都市ジュライを消滅させた「ロスト・ジュライ」、五つ目の月[11]に大穴を穿った「フィフス・ムーン」両事件を引き起こしている。正体はプラントの突然変異種にあたる「自立種」で、「大墜落」以前の宇宙移民船時代に生まれた。A・ARM(エインジェルアーム)、尖翼[12]といったプラントとしての能力や他プラントとの交信・制御を可能としている。大口径のリボルバー拳銃と義肢である左腕に仕込んだ隠し銃を持ち、その「ラブ&ピース」を謳う酔狂な性格とは裏腹に、プラントとしての力と150年間積み重ねてきた研鑽からなるガンマンとしての実力は他者の追随を許さず、抜撃ちの速度はナイブズの眼前で繰り出しても知覚不能な程。決して人の命を奪わず、相手が悪人であっても命を救おうと奔走し、お人好しな性格と強い信念からなる頑固さが災いして、結果として騒ぎを大きくしてしまう天性のトラブルメーカー。150年以上もの年月を変わらぬ姿で生き続け、双子の兄ナイブズの手から、そして人間同士の諍いから、「大墜落」を生き延びた人類とその子孫を守るためにさすらっている。不老ではあるが決して不死ではなく、不殺の枷[13]を自らに架しての無茶な生き方の代償として、決して浅くない傷が体の至る所に刻まれている。ロスト・ジュライを引き起こした自分が不殺の信念を抱くことが孕む矛盾と無謀を自覚しながらも、自らに課した使命を全うすべく戦い続けている。通り名の「スタンピード (stampede)」には「すたこら逃げる」と「(カウボーイから見た)飼い牛の暴走」の2つの意味がある。
アニメ版での相違点
顔写真無しで手配されているため作中のほとんどの人間(メリルやミリィでさえも)ヴァッシュを本物の「ヴァッシュ・ザ・スタンピード」と認識しないことと、「フィフス・ムーン」事件まで賞金首であること。更に年齢が130歳前後と原作に比べて20年前後若いこと、「A・ARM」は本人ではなく銃に仕込まれたマイクロプラントと融合することで発動するようになっている。性格面では女好きな面が強調されている他、原作よりナイーブな人物に描かれている。
『STAMPEDE』での相違点
ビジュアルが箒のように逆立てた髪型からツーブロックに変更され、生え際の角度がナイブズと左右対称になっている。流れのプラント技師として各地を放浪している設定で、ロスト・ジュライやフィフス・ムーンが起こっていない関係で懸賞金の制定がごく最近であり、かつ賞金額が600万$$と他メディアより大きく減っている。またナイヴズを追いかけておらず、逃げ続けながら旅をしていたという設定であることも原作と大きな相違である。罪状はナイヴズが起こした複数のプラント強奪と殺人容疑、および他者を助けようとして起こった破壊活動によるもの。ジェネオラ・ロックで起きた事件を契機に、プラントを取り戻すためにナイヴズが待つ第三都市儒来へと向かう。左腕の義手は人間の骨格の形状をしており、原作漫画版やアニメ版のような隠し銃を内蔵しておらず、盾代わりにしている他にワイヤーアンカーを内蔵している。使用する拳銃はより小口径な22口径ロングライフル弾を8発装填可能な「ピースブリンガー」。小口径ながら無骨な大型拳銃で、格闘戦においてはトンファーのように扱う。自立種(インディペンデンツ)プラントだがナイヴズと違い食事を必要とする、人間に近い不完全体と思われていたが、その真価は「高次元から持ってくる」能力を扱う他のプラントと違って「高次元へ持っていく」力を行使できる存在。その能力のため、ナイヴズとコンラッドの計画達成のために目をつけられている。0話(12話)でナイヴズによる洗脳から解放された後は髪が逆立ち、色合いも含めて原作「マキシマム」以降のヴァッシュに似た髪型となる。一期エピローグでは、ロストジュライ以降消息不明になり、大量殺戮の容疑で賞金額が600億$$に引き上げられる。
メリル・ストライフ
声 - 鶴ひろみ / あんどうさくらベルナルデリ保険協会の災害調査員として、ヴァッシュが引き起こす「災害」を査定するために派遣された外交員。職務のためにヴァッシュに同行する内に、彼を取り巻く運命に巻き込まれていくこととなる。黒髪を短く揃えた小柄な女性で、丁寧で上品な口調が特徴的。したたかで正義感が強い。破天荒なヴァッシュに対してどこまでも常識的な一般人として、彼の引き起こすトラブルに常々頭を悩ませている。「デリンジャー・メリル」の通り名で呼ばれており、荒事の際はマントの下に大量に仕込んだデリンジャーを巧みに操って対処する。彼女にとってのデリンジャーは「男女の力の差をなくす」ためのものだが、発砲には消極的であり、初めて他者を撃った時には精神的ショックから嘔吐し失語症になっている。ヴァッシュの真実に触れていく内に一時期は恐れを抱いていたが、最後まで彼のことを信頼し続けた理解者でもある。気丈な性格だが物語が佳境にさしかかるにつれ涙を浮かべるシーンが増え、ヴァッシュには「泣き虫になっちゃった」と評された。「マキシマム」開始時23歳。エピソードによっては髪を肩まで伸ばしている。エピローグでは地球のテレビジョンの技術により各地でテレビ局が開局され、ヴァッシュを知る者として「N.L.B.C(ノーマンズランド・ブロードキャスト)」からスカウトされて保険会社を退職して実況リポーターとしてヴァッシュを追いかける事になる。
アニメ版での相違点
基本的にほぼ原作と相違ない。終盤において、ヴァッシュが自らを庇い、人間の在り方を解くメリルにレムの姿を重ねるシーンが存在する。
『STAMPEDE』での相違点
裕福な家庭で育ちベルナルデリ通信社に入社したばかりの新人記者。ノヴェムバ大学を卒業したエリート。一人前の記者になることを夢見るが、早々ゴシップを取り扱う部署に配属され、教育係として同行することになった先輩のロベルトとスクープの旅の最中にヴァッシュと出会う。学校教育でプラントなど世界を取り巻く表の知識は知っているが、若さと育ちもあってか世間知らずな面がある。原作や旧アニメと違いマントは羽織っておらず、青い帽子を被っている。当初はデリンジャーを携帯していなかったが、ロベルトの死後にそれを形見として受けとる。ロストジュライから2年後にあたるエピローグでは単身で活動しており、時折ジュライ跡地にロベルトの供養に訪れており、本社から保険協会に異動になった事と、部下としてミリィ・トンプソンが配属される旨が語られている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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