美しい高音の裏声を多用した歌唱スタイルが特徴。「女性や子供のよう」とも形容されるが、トムのコンプレックスでもあり、『キッド A』では意図的にそのスタイルを封印して歌声をノイズやエフェクトでかき消したりなど、時期によって試行錯誤を重ねている。パブロ・ハニー期には線の細い歌声とは正反対の、エモーショナルなシャウトを用いていたこともあった。現在では、本来の高い裏声をメインにした歌唱に戻っており、2006年のソロ・アルバム以降のインタビューでは「僕にはこの声しかないって改めて分かった」などと語っており、後の『イン・レインボウズ』では、それまで以上に披露している。
レディオヘッドの楽曲は一部のプログラミング主体の曲以外、トムの弾き語りを基調にバンドサウンドを肉付けしていくものが非常に多いため、トムのギタープレイはその多くが、伴奏となるコードプレイもしくはリフ主体であり、ギターノイズやリードプレイはエド・オブライエンとジョニー・グリーンウッドに任せている。しかし、多くのバンドのリード・ヴォーカルの弾くようなサイド・ギターとしてのプレイ一辺倒というわけではなく、歌いながらメロディー・ラインとは全くリズムの違うリフを弾いていたりなど、ギター歴が非常に長いだけあって、目立たないながらも技術は高い水準にある。デビュー初期は非常に低い位置でギターを構えていたが、現在は標準もしくはやや高めになっている。
『キッド A』以降から、本格的に鍵盤の弾き語りも行うが、ほとんど独学のためか、シンセサイザーに関しても「プログラミングや演奏はジョニーやコリンのほうが得意」と謙遜している。 バンドの楽曲のすべての作詞を手掛ける。作曲もメンバーで最も貢献度が高いと言えるが、レディオヘッドの楽曲の多くはデモや大枠をトムが作り、アレンジをメンバー5人とナイジェル・ゴッドリッチで議論しながら行うというスタイルをとっているため、一人でバンドのすべての曲を一から十まで作曲しているわけではない[注釈 1]。ソロアーティストとしても活動。第三世界の人権問題や環境問題を軽視するコマーシャリズム、グローバリズムに嫌悪感を抱いており、貿易法改善を呼びかけるといった社会運動にも積極的に参加している。楽曲の歌詞にも政治、社会問題に関連して(多くは婉曲的に)書かれたものがいくつか存在するが、その多くは何らかの扇動的意識や不特定多数への問いかけを内包しているというより、むしろアイロニカルで厭世的なものであり、ここは同じく政治的な歌詞が目立つU2のボノやR.E.M.のマイケル・スタイプとの大きな相違点である。
レディオヘッドにおける貢献・作風
私生活は1993年から2000年までアンビリーバブル・トゥルース
23年間、ヨークはアーティストで講師のレイチェル・オーウェンと交際していた。彼はエクセター大学在学中に彼女に出会った。彼らの息子ノアは2001年、娘アグネスは2004年に生まれた。タイムズ紙によると、ヨークとオーウェンは2003年5月にオックスフォードシャーで密かに式を挙げ結婚した[13]。2015年8月に二人は友好的に別れたと発表した[14][15]。オーウェンは2016年12月18日に48歳で癌のため死去した[16]。
ヨークは2017年にイタリア人女優のダジャナ・ ロンシオーネ(Dajana Roncione)と交際を始めた。彼らは2020年9月にシチリア島のバゲリーアで結婚した[17][18][19]。
発言
「『あなたの目は美しいんだけど、何かが全く違ってるのよ。』表現者としての僕を最初に批評してくれた人が言った言葉さ」[20]
「小さい頃はただスターを目指してたよ。もしかすると、今もそうかもしれないね」[21]
「ロックなんてゴミ音楽じゃないか! 僕はゴミだと思う」[22]
「僕らは民主的だから、何ひとつ決まらないんだ。だからいつも苦しむんだ」[23]
「基本的に僕らのアルバムには完全に近い凝集性がある。シングル用じゃないから時間をかけずとか、そんな事、何言ってんだこのクソ野郎はってぐらい、よく理解できない」[24]