トムソン_(企業)
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のちにトムソン・ブラント(Thomson-Brandt)となった[2][17][18]
1968年?1991年:国営化とグループの拡大トムソンの社名時のロゴ


トムソンCSF(現タレス・グループ)がかつて製造していた製品:(左)電力用トランジスタ、(右)地対空ミサイル用レーダー
旧トムソン本社ビル

1968年、トムソン・ブラントの業務用電子機器部門が無線電信公社(英語版)(Compagnie Generale de Telegraphie Sans Fil, CSF)と合併し、トムソンCSF(Thomson-CSF)となった。トムソンCSFは1970年代から1980年代にかけて、中東での大型輸出契約を獲得し、電話交換機、シリコン半導体、医療用画像処理にまで事業範囲を拡大させた[16][19]

1982年にトムソン・ブラントとトムソンCSFは共に国営企業となり、トムソン・ブラントはトムソンと改名。トムソンCSFは同社に吸収合併されるが、対外的には独立した存在として扱われた[16][20][2]

1987年、トムソンはGEからRCAを含む同社の家電製品部門を獲得し、代わりに医療機器事業をGEに譲渡した。この時GEのブランドは10年間、RCAのブランドは永久使用を条件とした[21][22]。同年、トムソンCSFの半導体事業を担うトムソン・セミコンデュクトゥール社(Thomson Semiconducteurs)がイタリア・SGSミクロエレットロニカ社(SGS Microelettronica)と経営統合し、SGSトムソン・マイクロエレクトロニクス(SGS-Thomson Microelectronics)となった[23][19][24]

1988年には、トムソンの家電製品部門としてトムソン・コンシューマー・エレクトロニクス(Thomson Consumer Electronics、以下TCE)が設立[25][26]。1989年には航空機メーカー・アエロスパシアルの子会社3社とトムソンCSFの航空機部門が合併し、セクスタン・アヴィオニーク社(Sextant Avionique)が誕生。のちにアエロスパシアルによって売却され、トムソンCSF・セクスタン(Thomson-CSF Sextant)として子会社化した[2][27]

1990年には、トムソンCSFはオランダ企業フィリップスの軍事関連子会社であったオランダ信号機器(Hollandse Signaalapparaten BV、現タレス・ネーデルラント(英語版))の買収を機に、軍事用製品の部門を強化。電話、ランプ、放射線などの事業を他の企業に売却した[2][28]。この頃になると、トムソンは財務面において脆弱性を抱えるようになった。この年、TCEは27億フランの損失を計上し、その損失のほとんどをトムソンCSFの利益によって補填することで経営の安定を維持していた。1991年時点で、トムソンは防衛用電子機器の分野で世界第2位、家電分野においては日本の松下電器(現パナソニック)やソニー、フィリップスに次いで第4位、半導体分野では第12位のシェアを獲得していた[26]
1995年?2000年:政府による売却、そして民営化へ

1994年、TCEは営業利益を1993年時点の1億5500万フランから、6億400万フランと4倍にまで増やし、売上高は14%増の381億4600万スイスフランを計上していたが、120億フランもの負債が3年もの間残ったままだった[29][30]。翌1995年、TCEはトムソン・マルチメディア(Thomson Multimedia)と改称。光ディスク事業に参入し、東芝をはじめとする日本企業やJVCタイム・ワーナー、フィリップスなどが参加するDVDフォーラムの一員としてDVDや派生規格であるDVD-RAMの規格制定に携わった[31][32][33]。だが1995年末時点で、トムソンの負債額は238億フランにまで膨れ上がっており、経営状態は著しく悪化していた[34]

1996年、フランス政府はトムソンの民営化を決定し、トムソンCSFとトムソン・マルチメディアをそれぞれラガルデールグループと韓国企業の大宇電子に売却しようとした[35][36]。売却後について、トムソンCSFはラガルデールのミサイル製造部門(Matra Defense Espace)と合併することが発表され、これによりトムソンは「輸出において比類なき打撃力を持つ」ことになるとされた[37]。また、大宇電子はトムソン・マルチメディアの買収によりフランスで5000人の新規雇用を創出する予定であると報じられたが[37]、当時首相であったアラン・ジュペはトムソン・マルチメディアを「現状では何の価値もない」と判断しており[17][38]、政府が大宇電子に提示した売却額もわずか1フランという名目上の金額だった[17][39]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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