トキ
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1735年頃に発行された『諸国産物帳』によれば、北海道南部、東北、北陸、中国地方に分布していた[13]明治以降(1860年代後半以降)、20世紀初頭までに種個体群が壊滅し、1920?30年代以降は急速に希少化した[13]

このような状況にあっても、1922年(大正11年)の『日本鳥類目録』(初版、日本鳥学会編)では、北海道(函館)、本州(宮古、西多摩、横浜、美濃、越後)、伊豆七島、四国(徳島)、九州、沖縄、台湾、朝鮮に分布されると記述されている[13]。20年後の1942年(昭和17年)刊行の『日本鳥類目録』第三版では、初版での分布地に加え、佐渡島、隠岐島に生息するとされた[14]

江戸時代の文献との差異及び、日本においては留鳥だったが、ユーラシア大陸東部では広域の渡りが行われていた[15]ことから、太平洋沿岸?九州・沖縄地方へは渡り鳥として飛来していた可能性がある[16]

人工繁殖による種の再導入(英語版)以前における本州最後の生息地は石川県能登半島であり、日本最後の生息地は新潟県佐渡島(現佐渡市)であった。2003年(平成15年)に最後の日本産トキ「キン」が死亡したことにより、現在、繁殖しているのは中国産の子孫である(種としては同一、後述)。
ユーラシア大陸東部

日本国外では極東ロシアアムール川ウスリー川流域)、朝鮮半島、中華人民共和国(北は吉林省、南は福建省、西は甘粛省まで)と東アジアの広い範囲にわたって生息しており、18世紀?19世紀前半まではごくありふれた鳥であった。

しかし、いずれの国でも乱獲や開発によって19世紀から20世紀にかけて激減し、朝鮮半島では1978年板門店、ロシアでは1981年のウスリー川を最後に観察されていない。
種の再導入後の分布

野生では中華人民共和国(陝西省など)に997羽(2010年12月時点)[17] が生息している。

日本の佐渡島においても、2008年(平成20年)以降、人工繁殖のトキが放鳥されており、累計300羽を超えている(後述)。野生でも繁殖が確認され、2020年(令和2年)9月24日時点で、推定458羽が生息している[18]

飼育下では、中国に620羽(2010年12月時点)[17]、韓国に13羽(2011年7月時点)がいる。日本では、2021年(令和3年)2月15日現在、175羽がおり[19]、佐渡市の佐渡トキ保護センターを主に、分散飼育されている(後述)。
現在の生息地
現在のトキの生息地


中国

陝西省

洋県西郷県城固県寧陝県周至県など



日本

新潟県佐渡市など[注釈 3]


韓国

慶尚南道昌寧郡 牛浦沼


トキが飼育されている施設
陝西省西安、:zh:??生態区にて(2013年撮影)

中国(2015年現在[22]

北京動物園トキ飼育センター

陝西トキ救護センター(洋県)

陝西楼観台トキ飼育センター

陝西寧陝県トキ野生復帰センター

河南省董寨自然保護区トキ飼育センター

浙江省徳清県トキ飼育繁殖基地

陝西省銅川トキ野生復帰センター

陝西省千陽トキ野生復帰センター


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