予防
調理の前後にはよく手を洗う
園芸や猫の世話をする時にはゴム手袋などを着用する
生食や無滅菌の牛乳を避け、加熱、燻製、塩蔵がしっかりされた食品をとる
24時間以上冷凍した食品を使う
野菜や果物は酢水で洗ってから食べる
猫はできるだけ部屋飼いにし、生肉を与えたり狩りをさせたりしない
肉類は十分に加熱し食べる
妊婦は、生肉はもちろん、十分に加熱していない肉を食べない
もし飼い猫が外出せず、かつ生肉を食べないのであれば、飼い猫から感染するリスクは高くない。ゴム手袋などを着用して飼い猫のトイレを毎日清潔に保ち、適宜ゴム手袋を消毒する。どこで食事をしているかわからないようなネコは、近づけない。
生肉、動物、ネコの糞便に汚染される可能性があるものなどを取り扱う職業に就いている場合は、注意が必要である。獣医師や繁殖家とその補佐、食肉処理場・加工場や肉屋の従業員や検査員、農家、造園家、研究施設や衛生試験場の技師、医師や保健衛生関連の専門家などが該当する。
妊婦における注意事項[16]
先天性トキソプラスマ症を防ぐために、妊婦においては特に厳重な予防策が必要である。
まず、十分に加熱していない肉を食べることは危険である。生ハム、ローストビーフ、レアステーキ、肉のパテ(火を通していないパテ、加熱不十分なパテ)、生サラミ、生ベーコン、ユッケ、馬刺し、鳥刺し、鹿刺し、エゾシカのレアステーキ、鯨刺し、ヤギ刺し、加熱が不十分なジビエ(野生の鳥獣)料理、等はトキソプラズマを含む可能性があるとされる。
また、土いじりをすることは危険である。庭や畑や公園の砂場では、ネコがトキソプラズマを含んだ糞をしている可能性がある。ネコの糞が含まれた土からの感染を防ぐために、作業中は手袋や眼鏡やマスクを装着すること、作業後は十分な手洗いをすること、 収穫したものはよく洗浄してから食べることが大切とされる。
ネコの飼育にも危険を伴う。排菌するのは「トキソプラズマに初めて感染して二週間以内のネコ」だけだが、未感染のネコが多い。ネコに感染させないため、猫を外へ出さない、猫に生肉をあたえない、(成猫・子猫にかかわらず)他所の猫と接触させない、といった工夫が必要である。ネコからの感染を防ぐため、猫の糞にふれない(ネコのトイレ掃除は妊婦にさせない)、猫のトイレ掃除は頻繁に行う(1日2回)、猫の糞は密閉して捨てる、といった工夫が必要である。
疫学トキソプラズマは全人類の30-50%に感染していると考えられている[17]。成人での抗体陽性率は、アジアでは少なく、アメリカでは約11%[18]、北欧やイギリスで30%以下、ヨーロッパ南部と湿潤アフリカで20-50%、ヨーロッパ西部では50-70%に達する。フランスは特に多いことが知られており、抗体陽性率は全体で80%を超え、妊婦に限っても54%と高率である。これは生に近い肉を好む食習慣があることと関係している。ドイツ(約80%)・オランダ(80%超)・ブラジル(67%)も多い国として知られている。日本では、地域差があるが10%前後となっている。
1948年にアルバート・サビンとフェルドマン(H.A.Feldman)により、トキソプラズマ感染で産生された抗体をアルカリ性メチレンブルーで染色し定量確認する色素試験(Sabin?Feldman dye test)が開発された[19]。
ヒト以外の動物におけるトキソプラズマ症日本ではめん羊、ヤギ、ブタ、イノシシのトキソプラズマ症が家畜伝染病予防法において届出伝染病に指定されている。と畜場法において感染食肉は全廃棄の対象となる。トキソプラズマ症以外での全廃棄の対象となる寄生虫病はピロプラズマ症、トリパノソーマ症、旋毛虫症、有鉤嚢虫症
がある。治療にはマクロライド系抗生物質、サルファ薬、スルファモイルダプソン
、ピリメサミンなどが使用される。
関連項目猫から人にうつる感染症としては、他にパスツレラ症、猫ひっかき病などがある。
脚注^ Montoya J, Liesenfeld O (2004). “Toxoplasmosis”
. Lancet 363 (9425): 1965?76. doi:10.1016/S0140-6736(04)16412-X
. .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}