デヴィッド・ボウイ
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同年9月に短編映画『イメージ(英語版)』(1969年、イギリス)[21]に出演が決定し、その撮影の際にリンゼイ・ケンプと出会っている。ボウイはロンドン・ダンス・センター(英語版)でのケンプのダンス・クラスに習い、ケンプの下でコンメディア・デッラルテなどから学んだアバンギャルドパントマイムによってドラマティックな表現を身につけた。

1969年、前年に公開された映画『2001年宇宙の旅』をモチーフにして、アルバム『スペイス・オディティ[注 1]』を制作。アポロ11号の月面着陸に合わせて、その直前にシングル「スペイス・オディティ」をリリースした。
グラム・ロック時代グラムロック時代

1970年ミック・ロンソンをサウンド面での盟友に迎え『世界を売った男』をリリース。歌詞に哲学・美学の要素が含まれるようになり、1971年のアルバム『ハンキー・ドリー』でその路線は更に深まり、歌詞にも哲学・美学の要素が強く表れるようになった。

ミック・ロンソンが後に加入することになるグラムロックバンドのモット・ザ・フープル1972年3月、解散危機に直面し、ボウイはモット・ザ・フープルに「すべての若き野郎ども」を提供、同バンドの楽曲として大ヒットした。

1972年6月、コンセプト・アルバムジギー・スターダスト』をリリース。コンセプトに基づいて架空のロックスター「ジギー・スターダスト(Ziggy Stardust)」を名乗り、そのバックバンドである「スパイダーズ・フロム・マーズ(The Spiders from Mars)」を従え、世界を股に掛けた1年半もの長いツアーを組んだ。初期はアルバムの設定に従ったものだったが、徐々に奇抜な衣装(山本寛斎の衣装も多く取り上げている)、奇抜なメイクへと変貌していった。アメリカツアーの最中に録音された『アラジン・セイン』は、「ジギー・スターダスト」を演じるボウイというよりは、「ジギー・スターダスト」というアーティストそのもののアルバムになった。しかし、1973年7月3日のイギリスでの最終公演を最後に、ボウイはこの架空のロックスター「ジギー・スターダスト」の終焉を宣言した。この時期、後に歌手としてデビューするチェリー・バニラが、ボウイの広報を担当していた。

「ジギー・スターダスト」を演じることをやめ、一息ついたボウイは、子供の頃好んで聞いていた楽曲を中心に構成したカバーアルバム『ピンナップス』を発表し、それを最後にジギー・スターダスト時代の唯一の名残であるバックバンド「スパイダーズ・フロム・マーズ」を解散させ、盟友のミック・ロンソンとも離れることになった。ただ、ロンソンとは決別した後も、連絡を取り合う関係だった。
アメリカ時代アメリカ時代 (1974年2月)

1974年、そのような状況の中で、心機一転、原点回帰して、アルバムを制作することになった。作詞の際にウィリアム・バロウズが一躍有名にした「カット・アップ」の手法を導入したコンセプト・アルバム『ダイアモンドの犬』を発表する。ジョージ・オーウェルのSF小説『1984年』をモチーフに作られたアルバムだったが、オーウェルの遺族から正式な許可が下りず、「『1984年』という言葉を大々的に使用してはならない、『1984年』の舞台化も許さない」という制約で縛られることになった。1974年6月に始めた北米ツアーでは、ロック史上空前の巨大な舞台セットを導入し、絶賛されたが、相次ぐ機材のトラブル、ボウイの体調不良などで、2ヶ月程度でツアーは中断することになった。

1975年、カルロス・アロマー(英語版)を盟友に迎え、『ヤング・アメリカンズ』を発表する。全米1位を獲得したジョン・レノンとの共作シングル「フェイム」を含むこのアルバムは、フィリー・ソウルからさらに一歩踏み込み「白人はいかに黒人音楽のソウルフルさに近づけるか」というコンセプトで作られた。このアルバムの直後、初の主演映画『地球に落ちて来た男』がクランクインした。

1976年、自らの主演映画の内容に影響を受け、長年の薬物使用/中毒で精神面での疲労が頂点に達していたボウイは、自らのアイデンティティを見直す作業を余儀なくされた。それは、前作と裏返しの「白人である私、ヨーロッパ人である私はいかに黒人音楽を取り入れるべきか」という方向に変わり、コンセプト・アルバム『ステイション・トゥ・ステイション』として結実した[22]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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