デンマーク・クローネ
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マルグレーテ2世女王 のモノグラム(穴あき)

5クローネ(白銅貨)
マルグレーテ2世女王 のモノグラム(穴あき)

10クローネ(アルミニウム青銅貨)
マルグレーテ2世女王 の肖像、裏は紋章

20クローネ(アルミニウム青銅貨)
マルグレーテ2世女王 の肖像、裏は紋章
紙幣

この国の紙幣は、かつては農業や漁業を象徴する牧歌的なデザインの物が中心であったが、現女王の治世と共に、イエンス・ユール(Jens Juel)作の女性肖像を使ったパステルカラーの物に変更された。このシリーズ72紙幣では最高額面の1000クローネ紙幣が初めて発行されたが、この紙幣には用紙に日本の三椏といった和紙の原料を混ぜた用紙が使われていた。その後1997年からはセキュリティ対策を強化した現行の紙幣が発行され流通している。このシリーズ97の各紙幣には、特定の認識マークで複製を防止するユーリオンといわれる図案が裏表に採用されている。

このシリーズ97紙幣は、50、100、200、500、1000クローネの5種類で、シリーズ72紙幣にあった、10、20クローネ紙幣は硬貨に変更されたので発行されなかった。そのかわりに200クローネ紙幣が新たな額面の紙幣として、最初に発行された。デンマークやノルウェーでは高額紙幣はあまり流通しておらず、特に1000クローネ紙幣は旅行者が手にすることはもちろん、現地の人々も滅多に手にすることのない紙幣である。

シリーズ97紙幣は、表が近代文化人の肖像、裏はデンマーク国内の教会にある石像のレリーフに統一され、額面が上がるにつれて10mmずつ長さが長くなっている。

その後、各紙幣ともにさらにセキュリティ対策を高めた改訂版が2002年後半から順次発行された。これらは図案そのものに変更はないが、紫外線発光インクによるモチーフの印刷、ホログラムパッチの付加などが主な改良点である。

デンマーク国立銀行では、偽造が一層困難といわれる新しい紙幣を発行することになり、2009年からこれらを順次発行してきたが、2011年5月の1000クローネ紙幣の発行で、全ての券種の紙幣の置き換えが完了した。この新しい、シリーズ2009紙幣のデザインは、デンマーク国内の「橋」をモチーフとした風景になり(裏は出土品)、これまでのような人物の肖像は使用されていない。これは多分にユーロ紙幣を意識してのことだと思われる。前回は改札まで25年が経過していたが、今回は12年での改札となる。50クローネ紙幣が2009年8月11日に、100クローネ紙幣が2010年5月4日に、200クローネ紙幣が2010年10月19日に発行され、次いで500クローネ(2011年2月15日)、1000クローネ(2011年5月24日)の順に発行された。

シリーズ2009紙幣の偽造対策としては、ユーリオン模様、マイクロ文字、紫外線反応インク、インタリオ印刷、安全線、黒透かしなど従来の対策に加え、新たにスレッドウィンドウというものが設けられた。これは、これまで各国で行われてきた、薄い金属の細帯を紙に漉き込んで、その一部を紙幣表面に窓状に表したものと似ているが、この紙幣の細帯は樹脂製で、かまぼこ型レンズを使った3D画像のように、中に描かれた波型の模様が紙幣を傾けると、その向きと直角の方向に(つまり紙幣を左右に傾けると模様は上下に、紙幣を上下に傾けると左右にアニメーションする非常に高度な技術を用いたものである。ホログラムで文字がアニメーションするのはスイスの紙幣にも見受けられるが、このようなスレッド自体に複雑な仕組みを施したものを採用している国は少なく、スウェーデンの新1000クローナ紙幣や韓国の50000ウォン紙幣など数例があるのみで非常に珍しい。新たに発行されるアメリカの新100ドル紙幣にもこの技術が採用される予定である。

デンマークの紙幣印刷機には、凹版印刷のインクをすぐに乾燥させる装置を具備しているので、インタリオ印刷などの凹版部分が非常にクリアに仕上がっている。また紙幣には用紙の耐久性を高める目的で表面にある種の樹脂を塗布しているため、表面に独特の光沢感が見られる。

なお、この国の紙幣は、1945年以降に発行されたものは、全て法的に有効である。過去の紙幣には光の速さを測定したオーレ・レーマーや、電流の磁気作用を発見したエルステッド、文学者で童話作家のアンデルセンなどの肖像が用いられていた。
シリーズ97紙幣

50クローネ(紫)125mmX72mm 1999年5月発行 2005年8月改版
表:
カレン・ブリクセン(作家) 裏:ケンタウルス(Landet教会のレリーフ)

100クローネ(橙)135mmX72mm 1999年11月発行 2002年11月改版
表:カール・ニールセン(音楽家) 裏:バジリスク(Tommerby教会のレリーフ)

200クローネ(緑)145mmX72mm 1997年3月発行 2003年4月改版
表:ヨハンヌ・ルイーゼ・ハイベルク(女優) 裏:ライオン(Viborg大聖堂のレリーフ)

500クローネ(青)155mmX72mm 1997年9月発行 2003年9月改版
表:ニールス・ボーア(科学者) 裏:龍と戦う騎士(Lihme教会のレリーフ)

1000クローネ(赤)165mmX72mm 1998年9月発行 2004年11月改版
表:アンナ・アンカーミカエル・アンカー夫妻(画家) 裏:騎士の決闘(Bislev教会のレリーフ)
シリーズ2009紙幣

50クローネ(紫)125mmX72mm 2009年8月発行
表:Sallingsund Bridge 裏:Skarpsalling Vessel

100クローネ(黄橙)135mmX72mm 2010年5月発行
表:old Little Belt Bridge 裏:Hindsgavl dagger

200クローネ(黄緑)145mmX72mm 2010年10月発行
表:Knippelsbro 裏:a belt-plate from Langstrup

500クローネ(青)155mmX72mm 2011年2月発行
表:the bridge Dronning Alexandrines Bro 裏:the bronze vessel from Keldby

1000クローネ(赤)165mmX72mm 2011年5月発行
表:the Great Belt Bridge 裏:the Sun Chariot
為替レート

対ドル為替レート

現在のDKKの為替レート
Google Finance:AUD CAD CHF CNY EUR GBP HKD JPY (/円) USD
Yahoo! Finance:AUD CAD CHF CNY EUR GBP HKD JPY (/円) USD
Yahoo! ファイナンス:AUD CAD CHF CNY EUR GBP HKD JPY (/円) USD
XE:AUD CAD CHF CNY EUR GBP HKD JPY (/円) USD
OANDA:AUD CAD CHF CNY EUR GBP HKD JPY (/円) USD

脚注
注釈^ European Commision(2014)" ⇒Economic and Financial affairs"のなかの他国のペッグの幅を参照。通常は変動幅は15%である。
^ かつて発行されていた25オーレ青銅貨(模様は50オーレ青銅貨と同様)は、2008年9月30日限りで流通停止となり、2011年9月末で他の額面硬貨との交換も停止され、現在は完全に失効している。なおこの25オーレ青銅貨が現金の最小単位であった時代には、オーレ単位の計算上の金額に対し、12以下は切り捨てて0にし、13 - 24は25に切り上げ、26 - 37は25に切り捨て、38 - 49は50に切り上げ、51 - 62は50に切り捨て、63 - 74は75に切り上げ、76 - 87は75に切り捨て、88以上は切り上げて1クローネにする(0・25・50・75はもちろんそのまま。12捨13入・37捨38入・62捨63入・87捨88入)という端数処理方法が採用されていた。

出典^ a b 安岡美佳, 赤賀映 (2017年7月). “ ⇒デンマークの電子決済サービス モバイルペイ” (PDF). 北欧研究所. p. 3. 2017年10月20日閲覧。
^ 森田麻記子 (2017年8月30日). “ ⇒キャッシュレス社会成熟化の過程と今後の展開 北欧デンマークの事例から”. 富士通. 2017年10月20日閲覧。
^ “ ⇒Im Jahr 2000 stimmten 53,1 Prozent der Danen gegen die Euro-Einfuhrung” (ドイツ語). EU-Info.Deutschland. 2009年7月25日閲覧。
^ “ ⇒Danemark plant zweite Euro-Abstimmung fur 2011” (ドイツ語). EurActiv.com (2008年10月31日). 2009年7月25日閲覧。
^ EurActiv(2013)" ⇒Denmark moves closer to referendum on EU opt-outs"
^ a b c d ブルームバーグ(2013)「 ⇒デンマーク、ユーロ導入は無期延期へ?ペッグ制が国守ると首相
^ European Commision(2014)" ⇒Economic and Financial affairs"

関連項目

クローネ

Dankort

為替

為替レート

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キャッシュレス社会

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