デパート
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フランスの主要百貨店は、ギャラリー・ラファイエットプランタンがあり、いずれも本店はパリ9区、オスマン大通りに位置する。フランス最古、また世界最古の百貨店であるボン・マルシェ百貨店もパリにある。
アメリカ合衆国

アメリカでは例えば、メイシーズ、ロード・アンド・テイラーシアーズJ.C.ペニーなどが百貨店と考えられる。その一方で、ターゲットKマートウォルマートなどはディスカウントストアと見なされている。また、会員制の大型ディスカウントショップでは年会費が発生し、コストコ、ビージェイズ・ホールセール・クラブ、サムズ・クラブがこれに当たる。
日本日本橋三越本店本館 (東京都中央区)詳細は「日本の百貨店」を参照

日本の百貨店の歴史は、20世紀初頭にまで遡る。1904年(明治37年)に合名会社三井呉服店により新たに設立された株式会社三越呉服店が顧客や取引先に三井・三越の連名で挨拶状を発送し[注釈 3]、三越呉服店が三井呉服店の営業をすべて引き継いだことを案内するとともに、今後の方針として「今後一層其の種類を増加し(中略)米国に行わるるデパートメントストーアの一部を実現致すべく」[8]と述べた。これは後に「デパートメントストア宣言」[注釈 3]と呼ばれるようになり、こうして創業した三越百貨店を日本における百貨店の始まりとするのが一般的である。

一方で、1920年(大正9年)には白木屋阪神急行電鉄(現・阪急電鉄梅田駅構内の旧:阪急ビルディング(5階建)の1階に出張売店として出店し、ターミナルデパートの先駆けとなった。1925年に白木屋との賃貸契約満了を迎えた為に店舗が閉鎖されると、後継として阪急電鉄直営の阪急マーケットが同年6月に開業した。後の1929年4月に改めて阪急百貨店として創業し、世界初となる鉄道会社直営のターミナルデパートが誕生した。

上述するように、日本の百貨店の多くは呉服店あるいは鉄道会社(私鉄)を起源とする。代表的な呉服系百貨店には三越大丸島屋そごう松坂屋丸井今井、電鉄系百貨店の代表例には阪急電鉄京王百貨店名鉄百貨店が、そのどちらにもあてはまるものには東急百貨店近鉄百貨店が挙げられる。

2013年現在、日本の大手百貨店を運営する小売企業はJ.フロント リテイリング大丸松坂屋)、エイチ・ツー・オー リテイリング阪急百貨店阪神百貨店)、セブン&アイ・ホールディングスそごう西武百貨店)、島屋三越伊勢丹ホールディングス伊勢丹、三越)の5つであり、いずれも全国規模で百貨店を運営しているほか、海外に支店を持つグループもある。このほか、地方を拠点として店舗を展開する百貨店が各地に数多く存在しており、日本百貨店協会に加盟している百貨店は2022年7月現在で175店舗を数える。バブル崩壊以降は深刻な経営難に苦しむ店舗が多く、2000年代後半には大手百貨店を巻き込んだ経営統合により、日本の百貨店業界は大きく再編された。
百貨店の定義

日本では、経済産業省が実施する商業統計調査の基準によれば、百貨店は「衣・食・住の商品群の販売額がいずれも10%以上70%未満の範囲内にあると同時に、従業者が常時50人以上おり、かつ売り場面積の50%以上において対面販売[注釈 4]を行う業態」としており[9]、「品揃えは百貨店と同定義であるが、対面販売の比率が50%以下である」と定義された[9]総合量販店(総合スーパー)と区別されている。なお、同統計調査では「専門店」を「衣食住のどれか1つが売上の90%以上を占めるもの」と定義しており、この定義に当てはまる場合は店の規模や販売方式によらず「専門店」として取り扱われている。さらに、売場面積3000m2以上(東京特別区および政令指定都市は6000m2以上)の「大型百貨店」と、3000m2未満(同6000m2未満)の「その他の百貨店」に細区分することもある[9]

また、商品取引の伝票処理においては百貨店とスーパーマーケットとの間に明確な違いが存在し、百貨店では「百貨店共通伝票」を使用し、スーパーマーケットでは「チェーンストア統一伝票」を使用している。

名称については店舗形態による拘束を受けないため、上記の定義に当てはまらないスーパーマーケットや小規模な生活雑貨店が「百貨店」の名称を使用した例がある。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 「英のDepartment Store?仏のGrands magasins?独のWarenhaus (od.Grossmagazin)」の様な商業組織の制度を「大商店制度」(又は「大店舗制度」?Magazinsystem)と云う 小売商業の革新(其二) 神戸高等商業学校講師坂西由蔵「商業界」1905年
^ ただし、これが現代におけるDepartment storeや百貨店の定義に適うものかは不明。
^ a b 1904年12月20日顧客らに送った書状。のちに「デパートメントストア宣言」と呼ばれるこの文書「米国に行はるるデパートメント・ストーアの一部を実現致すべく候」翌日の12月21日、三越呉服店は日本初のデパートとして営業を開始した。「あの日から 日本経済の転機」 1904年12月20日 デパートメントストア宣言 近代百貨店の産声 東京新聞2007年(平成19年)12月19日
^ これに相対する販売方式はセルフサービス方式である。

出典^ ドイツ語についてはウィキペディア独語版の記事名de:Kaufhausおよびde:Warenhausより。
^ 河原啓子 2001, p. 58.
^ ジョアン・フィンケルシュタイン『ファッションの文化社会学』成実弘至訳 せりか書房 2007年、ISBN 9784796702799 pp.89-94.
^ Natalie Loughenbury (2010年1月6日). ⇒“Bennetts Irongate, Derby Celebrates Its 275th Anniversary”. Derbshire Life (Bennets). ⇒http://www.bennettsirongate.co.uk/bennetts/bennetts-derby-history.php 2012年1月26日閲覧。 
^ “ ⇒About Us”. Bennetts Irongate. 2012年4月23日閲覧。
^ Parkinson-Bailey, John (2000). Manchester an architectural history. Manchester: Manchester University Press. pp. 80?81. .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 0-7190-5606-3 
^ The Buildings of England Lancashire: Liverpool and the South-West, Richard Pollard and Nickolaus Pevsner, 2006, Yale University Press


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