また最小値に近い数値を扱っていないかどうかにも注意を払う必要がある。
デジタル処理では、定義された最大値を超えた場合には桁溢れ(オーバーフロー)となり、以後の演算処理の結果は保証されない。また、最小値に近い数値では量子化誤差が無視できず、S/N比の劣化として現れることがある。[注釈 7]
「コンピュータの数値表現#誤差」も参照
固定小数点数と浮動小数点数詳細は「固定小数点数」および「浮動小数点数」を参照
デジタルコンピュータで小数点数(小数点がついているような数)を表現する方法としては、固定小数点表示 / 浮動小数点表示 という2つの方法がある[12]。
固定小数点方式では、数値の整数部と小数部をそれぞれビット列の一部で表す。整数部および小数部のビット列の長さは固定されているため、小数点が固定された数値表現といえる。浮動小数点方式は、数値を仮数部と指数部に分けて表す。浮動小数点方式では、小数点の位置は指数部の値によって変わる。
固定小数点方式は、浮動小数点方式と比較して、大きな数値や小さな数値の表現には向かず算術オーバーフローも生じやすいという欠点がある。その一方で、情報落ちによる誤差は発生しにくい、演算が浮動小数点よりも高速という利点がある[12]。
浮動小数点方式は、固定小数点方式と比較して、大きな数値や小さな数値も表現できる。他方、桁落ちによる誤差が発生する欠点がある[12]。(浮動小数点方式で計算すると20%もの誤差を生じることがあり、深刻な事故の原因にもなることは#特徴の節で説明した。) 音声や画像のような本来連続的な対象をデジタルコンピュータで扱う場合、入力信号に対して標本化および量子化と呼ばれる処理を行い、その特徴量を数値化する。入力データを適当な区分に分割し、各区分の代表点を取る操作を標本化という。標本化によって得られる代表点は連続的な値をとるため、代表点の値が収まるような区間で離散化する必要がある。代表点の値を離散的な数値に対応する操作を量子化という。 原信号に対する忠実度は標本化のサンプリングレートと量子化のステップ幅およびステップ数に依存する。デジタル化された信号は、サンプリングレートが高いほど、またステップ幅が小さいほど原信号に対して忠実である。一方、データ圧縮の観点では、必要最低限の忠実さを保ちつつより低いサンプリングレート、より少ないステップ数で符号化することが求められる。 マイクロコントローラの中には外部からのアナログ入力(電圧の連続的な変化)を受け付ける入力ピンをいくつか備えているものもあり、それだとアナログ値をデジタル値に変換することができる。またデジタルシグナルプロセッサもアナログ信号をデジタル信号に変換する役割を担う。 アナログデータをデジタルデータに変換することを「デジタル化する」、「デジタイズする」などという。 デジタルデータをそのまま扱う場合(単純なリニアサンプリング)について述べる。 実際のデジタル処理では、二進数1桁をビットとし、8ビットなどのまとまった単位をオクテットまたはバイトとして取り扱い、さらにそのまとまりをワードという単位として取り扱うことが多い。これは処理装置や記憶装置の語長に合わせて効率よく使えるようにするためである。 英単語 digital の音写として一般に「デジタル」と「ディジタル」の二通りの表記が用いられる。 例えば日本産業規格 (JIS X 0001, JIS X 0005) などでは「ディジタル」という表記が用いられている(「ディジタル計算機」「ディジタル化する」「ディジタルデータ」など)。 「ディジタル」や「デジタル」の間で表記が揺れた要因として、1955年に文部省が発行した『国語シリーズ27 外来語の表記 資料集』の影響が考えられる。同資料ででは次のように説明していた。 11.原音における「ティ」「ディ」の音は、なるべく「チ」「ジ」と書く。 この資料集は実際には規則ではなくあくまで現状整理という位置付けだったようだが同年版の『記者ハンドブック』(共同通信社)の外来語の書き方の欄などメディア関係者が参照する資料に文部省資料集の主要な記述がそのまま転載され、事実上のガイドラインとなっていた[18]。
デジタルデータへの変換
デジタル処理
デジタル化処理詳細は「デジタイズ」を参照
デジタル処理
片仮名表記
例 (中略)... ラジオ(radio) ジレンマ(dilemma)
ただし、原音の意識がなお残っているものは、「ティ」「ディ」と書いてもよい。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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