直角位相振幅変調 (QAM、英語: quadrature amplitude modulation) は、多値のASKを直角位相変調することで、位相変化と振幅変化を組み合わせた変調方式である。1シンボルあたり送れる状態数を多くできるため伝送効率が良いのが特徴であるが、反面シンボル間の振幅・位相距離が近くなるため、必要とするC/N比はPSKなどに比べると高い。シンボル当たりの状態数に応じて16QAM・64QAM・256QAMなどと呼ばれる。
組み合わせ個数が多いことを利用し、通信線の状況に合わせて通信速度を変化させることにより、送信誤りでの再送信による速度低下の影響を少なくし送信効率をあげることもできる。7,200・9,600・12,000・14,400・16,800・28,800・31,200・33,600・56,000bpsのメタル回線用のモデムなどで用いられている。また、マイクロ波による地上および衛星通信・携帯電話・モバイル通信でも多用される。
あまり使われていないが16APSK、32APSKというものもある。8PSKの振幅を2段階以上に切り替えて変調したものと考えることができるが、QAMの信号ダイアグラムを複数の同心円の上に並ぶよう再配置して消費電力の変動を小さくしたものとも言える。遅延検波が可能とされる。BSの4K並びに8K放送では16APSKを使っているが、既存の4PSK・8PSKの衛星デジタル放送と比べパラボラアンテナが同心円の数だけ大型化する欠点がある(なお、同放送はフレームレートを倍増した際に必要な帯域の増加が二割未満に留まる事から、一時期は同程度のスロット(地デジで言うセグメント)の割り当てで32APSKを採用してフレームレートを既存のデジタル放送に比べ倍増する事も検討された)。
多搬送波の変調方式
直交周波数分割多重方式詳細は「直交周波数分割多重方式」を参照OFDMの周波数
直交周波数分割多重方式 (英語: orthogonal frequency division multiplex、OFDM) とは多数の搬送波を使用し、変調する信号波の位相が隣り合う搬送波間で直交するようにし、搬送波の帯域を一部重ね合わせて周波数帯域を有効利用する方式。多重化方式の1つであるとも言える。個別の搬送波には直角位相振幅変調が用いられる。参照;英文版OFDM
OFDMは以下の例で使用されている (IDFT、英語: inverse discrete Fourier transformation)
日本および欧州の地上波デジタル放送方式
デジタルラジオのDABにおいて、EUREKA 147、デジタルラジオモンディアル、HD radio、T-DMB、ISDB-TSB。
xDSLモデム
無線LAN方式のIEEE 802.11a、IEEE 802.11g、IEEE 802.11n
IEEE 802.16 または WiMAX Wireless MAN standard。
IEEE 802.20 または mobile broadband wireless access (MBWA) standard。
電力線搬送通信における通信方式の一つ
携帯電話(HSPA LTEなど)
逆離散フーリエ変換
マルチキャリアCDMAが望まれています。
関連項目
変調方式
多重化
差動符号化
適応変調
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