プラグインAPIには標準仕様が存在し、一つのオーディオプラグインを多数のDAWで使うことが可能となっている。
VST
スタインバーグが策定したプラグイン仕様。楽器向けのVST Instruments (VSTi)もある。VST3では64bit浮動小数点数のオーディオのやりとりが可能となっている (対応するかはプラグインに依る)[1]。
AU
macOS標準のオーディオプラグイン仕様。エフェクト向けのAU Effectと楽器向けのAU Instrumentがある。
LV2(英語版)
Linux向けに開発されたプラグイン仕様。エフェクト用プラグイン仕様であるLADSPA及び楽器用プラグイン仕様であるDSSI (Disposable Soft Synth Interface(英語版))の後継。
DirectXプラグイン(英語版)
Windows標準のプラグイン仕様であった。エフェクト用のDXと楽器用のDXiが存在した。
ARA (Audio Random Access(英語版))
ノンリニアオーディオプラグイン仕様[2]。ARAはMelodyneのために開発された。SpectraLayers 6以降などにも使われるようになった[3]。
なお、独自のプラグインAPIを採用するソフトウェアも存在する。
Avid ProTools
独自プラグイン仕様のAAX (Avid Audio eXtension) を採用している。AAXでは専用DSP向けのAAX DSPとネイティブCPU向けのAAX Nativeが用意されている。これらは32bit浮動小数点数処理となっている。以前は古い専用DSP (デジタルシグナルプロセッサ) 用として24/48bit固定小数点数処理のTDM (Time-division Multiplexing) プラグインが[4]、ネイティブCPU処理用として32bit浮動小数点数処理のRTAS (Real Time Audio Suite) プラグインが使われていた[4]。なお、ProToolsでも後述するプラグインブリッジを使ってVSTプラグインやAUプラグインを使うことは可能である。
Digital Performer
独自プラグイン仕様のMAS (MOTU Audio System) がある。しかしながらDigital Performerはバージョン4.1以降AUプラグインにも対応し[5]、バージョン8以降VSTプラグインにも対応している[6]。
Reason
独自プラグイン仕様のRE (Rack Extension) があり、REプラグインは自由な配線が可能となる。なお、Reson 9.5以降はVSTプラグインを使うことも可能となっている[7]。
また、プラグイン同士のブリッジも存在する。
VST To RTAS Adapter
VSTプラグインをRTASプラグイン環境で使用できるようにする[8]。
Blue Cat Patchwork
様々な仕様のプラグインを様々なプラグイン環境で使用できるようにする。
DDMF Metaplugin
様々な仕様のプラグインを様々なプラグイン環境で使用できるようにする。
jBridge
32bitのVSTプラグインを64bit環境で使用できるようにする[9]。
外部音源やDAW同士の連携に使えるプロトコルも存在する。
MIDI信号
DAWとMIDIコントローラーや外部MIDI音源 (ソフトウェアMIDI音源含む) の接続に使われる。代表的なソフトウェアMIDI音源にはMicrosoft GS Wavetable SW Synth、TiMidity++、FluidSynthが存在する。多くのDAWはMIDI信号の入出力に対応しているため、DAW同士の連携にMIDI信号を使うこともできる。ただしMIDIは古い仕様であるため7bit整数しかないパラメータもあり、2019年現在、新たな仕様であるMIDI 2.0が策定中となっている[10][11]。
ReWire
DAWと独立した音源ソフトウェアの接続に使われる。多くのDAWはReWireの音源側として使用することも可能となっており、DAW同士の接続にReWireを使うことができる。MIDIをベースとしている。
CV/gate(英語版) (Control Voltages及びGates) 信号
モジュラー・シンセサイザー同士の接続に使われいるアナログ信号であるが、DAWにおいてはReasonが仮想的に実装している[12]ほか、Bitwig Studioが専用デバイスを通してCV/GATE信号の出力に対応している[13]。またMIDI信号からCV/GATE信号へと変換するハードウェアコンバーターも存在する。