デジタルカメラ
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2010年2月2日、富士フイルムが世界で初めて犬と猫の顔認識に対応したデジタルカメラ「FinePix Z700EXR」を発表する[33]。発売日は2010年2月20日。

無線接続

カメラ本体内に無線LAN通信部を内蔵し、撮影した画像データ等をパーソナルコンピュータスマートフォンに転送したり、ソーシャル・ネットワーキング・サービスと連携することで直接アップロードする機能を有するものもある。転送にはWi-Fi,Bluetooth,NFC等が用いられる他、SDカードスロットを利用して通信機能を追加することでTransferJetで転送を行う場合もある。また、スマートフォンタブレット (コンピュータ)の液晶画面を用いたリモート操作に対応する機種もある。
その他
記録メディアとデータの破損

記録メディア内のデータをパソコンへ読み込ませた際、画像ファイルが壊れていたり、記録自体されていなかったりするトラブルが発生する。このような事態を防ぐためには、『データ記録中にカードを抜く』『データ記録中に電池を抜く』といった誤操作をしないこと、『データ記録中のデジタルカメラ本体への衝撃』を避ける、『メモリカードスロット用クリーナーカード等を用いて定期的に手入れをする』などが必要である。

また、誤操作で画像データを削除してしまった場合でも、データ復旧用アプリケーションを用いるか、専門業者のデータ復旧サービスを利用することで一部または全てのデータを取り戻せることがある。その際、復旧作業が終わるまではその記録メディアに一切の書き込みをしないことが重要である。書き込みをしてしまうと復旧の可能性が低下する。
他のデバイスとの連携

パソコンへの画像データの転送については、記録したメモリーカードによる方法の他、多くの機種ではUSB接続による方法もサポートしている。この場合、付属ソフトウェアやWindowsなどのOSの機能を用いてデジタルカメラから画像データを転送するもの(PTPなど)と、カメラを外部記憶装置(マスストレージ)のように見せて自由に画像ファイルの出し入れが可能なものがある。USB普及以前は、シリアルポートSCSIを使用するものもあった。またUSBがまだ十分な転送速度でない頃は、プロ向けの機種の中にはIEEE 1394を採用するものもあった。さらに近年は無線LANを使用するものもあるが、メーカーによりまちまちの実装である。

2003年からは、デジタルカメラ本体と対応プリンターをUSBケーブルで直接接続して印刷できる「PictBridge」などの規格も制定された。
画素数

デジタルカメラに内蔵されている撮像素子は、有効画素数と総画素数の違いに留意する必要がある。総画素数は撮像素子が本来持っている画素の総数であるが、デジタルカメラに内蔵する場合にレンズや絞りといった光学系の制約によって撮像素子の受光部全体に入射光を厳密・均等に当てることは難しい。カメラに装着された状態で光が当たる画素の総数が有効画素数と呼ばれて、総画素数より数%程小さい[23]。1990年代後半から2000年代にかけて、画素の数は販売戦略上の大きなアピールポイントであった。一般論としては、画素数の大きな方が、より詳細まで表現でき高画質であるが、画素数を大きくすればその分一画素あたりの受光面積は減り、ノイズが増えることにも留意する必要がある。画素数を増やすとともに、いかにノイズを控えるかが素子開発の大きなポイントであった。2010年代に入り、画素数増加とともに一画素のサイズがレンズの光学的解像度の限界に近づき、画素数競争も一段落しつつある。
撮像素子の大きさ

CCDやCMOSの撮像素子の大きさは、テレビ画面を表すのと同様に「型」が使われることが多いが、撮像素子の受光面の対角線の長さのインチ単位の大きさよりも大きな値になる。これは昔の真空管式の撮像管の時代に、撮像面の大きさではなく管の直径を表示していた名残りである[23]。また、面積だけでなく縦横比も撮像素子によって異なり、同一メーカーであっても機種によって違いがある。
シャープネス

コンパクトデジタルカメラの多くが、内部での画像処理で輪郭強調処理を行い、実体よりもシャープに見せている。こういったカメラの使用者の多くが、「シャープネス」の効いた出力のほうがピントの合った画像だと歓迎するためである。プロが使用する上級機では出力画像はシャープネスを効かせず、もしもそういった加工が必要ならば、カメラ上ではなくパソコンなどの画像処理ソフトによって精密に調整する。画像は輪郭強調やソフトフィルターを掛けるたびに劣化するので、手間を惜しまないならばカメラの外で処理するのが良い[22]
メーカー

2018年の日本国内でのシェアは、1位キヤノン、2位ニコン、3位ソニーの3社によって約90 %を占め、富士フイルム、パナソニック、オリンパス、リコーなど「その他」の企業が残りの10 %の中にひしめいている。世界のデジカメ市場(金額ではなく台数ベース)では、1位キヤノン、2位ソニー、3位ニコンの3社によって約85 %を占めるが、そこに4位の富士フイルムと5位のパナソニック(それぞれ数%)を加えるとシェアが9割を超え、つまり世界デジカメ市場の9割を日本企業が占有している[34]。2020年現在の市場規模は世界全体で約4201億円であるが、毎年数十パーセントの規模で縮退しており、先行きが不透明である。

デジタルカメラの販売は、2007年に初めて1億台を突破し2010年の1.2億台がピークであり、2010年代には特にスマートフォンの普及によりコンパクトデジタルカメラの販売が激減している。レンズ交換式デジタルカメラの販売台数は2013年をピークとして徐々に減っているが、コンデジほどの大きな変動は見られていない。2020年にはコロナウイルスによるパンデミックもあり、販売台数が前年比で40 %以上縮小した結果、ピーク時の14分の1まで市場が縮退した。

デジカメはフィルムカメラに較べると電子機器的な要素を多く含むため、2000年代には旧来のカメラメーカーに加えて、ソニーパナソニック(経営統合前の三洋電機を含む)、カシオ計算機などの家電・電子機器メーカーも参加して激しいシェア争いを繰り広げていた。2002年頃まではオリンパスや富士フイルムがシェア1位を争っていた時代もあったが、キヤノンが2003年にデジカメ市場のシェア1位(コンデジ・一眼レフ共に)となり、ニコンが一眼レフ市場2位となった後、結局はフイルムカメラ最大手であったキヤノンとニコンがデジカメでも最大手であり続け、競合とのシェアを引き離し続ける状況が続いていた。

競争の激化に伴い、2005年京セラが日本国内のデジタルカメラ事業から撤退。2006年にはコニカミノルタがカメラ事業全般から撤退し、一眼レフカメラ部門をソニーに譲渡した。また、イーストマン・コダックも消費者向けデジタルカメラの生産から撤退し、デジタルカメラ製造部門をフレクストロニクス・インターナショナルに売却している(開発・設計・販売は継続)。2009年にパナソニックに吸収された三洋電機のカメラ部門はXactiに継承された。


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