デジタルカメラの全体的な構成は、大きく分けて光学系と電子系、そしてそれらを保持する筐体に分類できる[注 3]。光学系はレンズと絞り機構であり、一眼レフでは光学式ファインダー用のレフレックスミラーとプリズムがこれらに加わる。機械式のシャッター機構を備えるものもある。電子系は受光素子とメモリーを含む画像演算回路、記録装置、液晶表示器、ストロボ、操作スイッチ、電池などである[注 4]。
光学系
撮像
基本的な光学系は銀塩カメラとそれほど差はない。同じ画角で同じF値のレンズを作る際に、撮像素子が小さいほど短い焦点距離のレンズ、つまり小さいレンズで済む[注 5]。ほとんどのデジタルカメラの撮像素子は、35 mmフィルムに比べて小さいため、レンズは35 mmフィルム式のカメラのものよりも小さい。デジタルカメラの中でもコンパクトデジカメの撮像素子は特に小さいため、高倍率のズームレンズが小型の本体に搭載できる[注 6][注 7][注 8]。コンパクトカメラの多くが沈胴式のレンズ[注 9] を備えることで、携帯性を高めている。一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラではレンズ交換に対応するために、カメラ本体と交換レンズとの接続に関して規格があり、これは「レンズマウント規格」と呼ばれる。カメラの本体側には「レンズマウント」と呼ばれる交換レンズの接合基部が設けられ、光路となる大きな開口部とその周囲の円環状の金属部分から構成される。レンズマウントには交換レンズ内の絞り機構やズーム機構などを駆動・制御するための配線用接点が設けられており、レンズマウント規格では物理形状だけでなくこういった電気信号類も規定している。銀塩カメラのシャッター機構は機械式のみであったが、デジタルカメラでは機械式と電子式(電子シャッター)の2種類がある。一般に一眼タイプでは機械式、コンパクトデジカメでは電子式が採用される傾向がある[注 10]。