デジタルカメラ
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2022年現在はニコン「COOLPIX P1000」(2018年発売)などの超高倍率機を中心に生き残っている[16]

高級コンパクトカメラ - 比較的大きな撮像素子(1/1.8型以上)を持ち、マニュアル操作に重点を置いたもの。2010年代前半よりスマホと対抗するためにコンデジの高級化が始まり、従来は一眼レフにしか搭載されていなかった35 mmフルサイズやAPS-Cサイズの大型センサーを搭載するコンデジが登場し始めた。

(上記以外の)コンパクトデジタルカメラ - 小型化に重点を置いた一般向けの機種。2000年代にはフイルムカメラからの移行先として、一般ユーザーがこのタイプのデジカメを買い求めたために市場が急激に拡大し、市場の多くをこのタイプが占めた時代もあったが、この程度の性能ならスマホのカメラで十分であるため、スマホの普及とともに市場が急激に縮退した。


レンズ交換式カメラ - レンズ交換が可能なもの。2009年まではデジカメ市場の1割に満たない、ハイアマチュアからプロフェッショナル向けのニッチな製品だったが、スマホの登場後にコンデジの市場が急激に縮退したことによって、2018年以降はレンズ交換式カメラがデジカメ市場の過半数を占めるようになっている。

デジタル一眼レフカメラ - ペンタプリズムなどによる光学式ファインダーを持つ従来の一眼レフカメラをデジタル化した形式。最も一般的な撮像素子のサイズは、APS-Cサイズと呼ばれる23.6 mm × 15.8 mmの撮像素子だが、35 mmフィルムと同程度の大きな撮像素子(36 mm × 24 mm)を持つものは「フルサイズ」と呼ばれる。その他に、「フォーサーズ」と名付けられた、APS-Cサイズよりひと回り小さい(17.3 mm × 13 mm)撮像素子の規格をオリンパスとコダックが独自に策定して、それぞれのデジタル一眼レフとミラーレスカメラに採用している。

ミラーレス一眼カメラ - 一眼レフカメラのデジタル化の中で派生した形式で、レンズ交換が可能でありながら光学式ファインダーが省かれ、電子式ファインダーのみを持つ。ミラーが無いためコンパクトカメラのようにボディを薄くできるため、スマホより高品質な写真が撮りたいけれど大きなカメラは持ちたくないという層に需要がある。2000年代後半より各社によって開発が行われていたが、市場では後発だったソニーがコニカミノルタの技術をベースとして2013年に発売した世界初のフルサイズミラーレスカメラ「α7」のヒットによって市場が急拡大した。この流れにキヤノンやニコンも追随したため、2010年代後半よりデジカメ市場の主戦場はミラーレス一眼へと移行しており、初心者向けからプロフェッショナル向けまで幅広い製品が存在する。2020年にはデジタル一眼レフカメラの販売台数を追い抜いた。なお、ソニーは「α7」のヒットにより世界ミラーレス市場1位となって、それまでキヤノンとニコンが独占していた高級カメラ市場に食い込むことに成功し、縮退するデジカメ市場で唯一伸長するミラーレス市場において販売シェアを伸ばしたことによって、2019年にはニコンを抜いて世界デジカメ市場2位となった。

中判デジタルカメラ - 35 mmフィルムより大きな撮像素子を持つ形式で、フィルム一眼レフカメラのシステムをベースにカメラボディをデジタル化した形式、フィルム一眼レフカメラのオプション品としてデジタルバックの形で提供されるものや、ミラーレス一眼カメラとして新規に開発した形式もある。2023年現在、富士フイルムとハッセルブラッドからミラーレス一眼カメラ、フェーズワンから業務用でデジタルバックや一眼レフカメラの製品が発売されている。

ハイブリッドインスタントカメラ(チェキ) - インスタントカメラとデジタルカメラが一体化したもの。本体にプリンターも内蔵しており、デジタルで撮影した画像をフィルム[17]に記録し、現像・プリントまでをカメラ1台で行うことができる。2017年4月に発売した「instax SQUARE SQ10」[18]が同社のインスタントカメラ「instax」シリーズ(通称:チェキ)の上位機種で展開されている。商品戦略上は「チェキ」のファミリーであるが、カメラ映像機器工業会におけるフィルムカメラの統計は2008年に廃止されているため、統計上は「デジカメ」にカウントされている。

FinePixシリーズのひとつとして、以前の1999年11月に intax miniを使用して、同じくデジカメとプリンター一体構造である「FinePix PR21プリンカム」[19]が発売されたが、定価99,800円かつ約700グラムで巨大で、話題とならなかった。


トイデジカメ - おもちゃのデジカメ。無名のメーカーから様々な製品が販売されている。高くても数千円程度で買える。2010年代後半の時点では、数千万画素、4K解像度で動画も撮れるものも登場しているが、画質はあまり良くない。スマホのカメラよりも低性能だが、味のある写真が撮れるので、愛好家も存在する。


構造デジタルカメラの構造概略2種類のデジタルカメラの光学系
A:コンパクト・デジタルカメラ
B:一眼レフ・デジタルカメラ
1.レンズ 2.撮像素子 3.液晶表示部 4.ファインダー 5.ミラー 6.シャッター 7.ペンタプリズム
全体構造

デジタルカメラの全体的な構成は、大きく分けて光学系と電子系、そしてそれらを保持する筐体に分類できる[注 3]。光学系はレンズと絞り機構であり、一眼レフでは光学式ファインダー用のレフレックスミラーとプリズムがこれらに加わる。機械式のシャッター機構を備えるものもある。電子系は受光素子とメモリーを含む画像演算回路、記録装置、液晶表示器、ストロボ、操作スイッチ、電池などである[注 4]
光学系
撮像
基本的な光学系は銀塩カメラとそれほど差はない。同じ
画角で同じF値のレンズを作る際に、撮像素子が小さいほど短い焦点距離のレンズ、つまり小さいレンズで済む[注 5]。ほとんどのデジタルカメラの撮像素子は、35 mmフィルムに比べて小さいため、レンズは35 mmフィルム式のカメラのものよりも小さい。デジタルカメラの中でもコンパクトデジカメの撮像素子は特に小さいため、高倍率のズームレンズが小型の本体に搭載できる[注 6][注 7][注 8]。コンパクトカメラの多くが沈胴式のレンズ[注 9] を備えることで、携帯性を高めている。一眼レフカメラミラーレス一眼カメラではレンズ交換に対応するために、カメラ本体と交換レンズとの接続に関して規格があり、これは「レンズマウント規格」と呼ばれる。カメラの本体側には「レンズマウント」と呼ばれる交換レンズの接合基部が設けられ、光路となる大きな開口部とその周囲の円環状の金属部分から構成される。レンズマウントには交換レンズ内の絞り機構やズーム機構などを駆動・制御するための配線用接点が設けられており、レンズマウント規格では物理形状だけでなくこういった電気信号類も規定している。銀塩カメラのシャッター機構は機械式のみであったが、デジタルカメラでは機械式と電子式(電子シャッター)の2種類がある。一般に一眼タイプでは機械式、コンパクトデジカメでは電子式が採用される傾向がある[注 10]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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