デジタルオーディオプレーヤー
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またプレーヤー自身を、USBホスト機能を持つアンプミニコンポラジカセメディアプレーヤーポータブルDVDプレーヤーなどの機器に接続して、ストレージ内の音楽ファイルを再生(機種によっては録音)可能である。

DRMの掛かった音楽ファイルは、通常の汎用プレーヤーでは再生できないが、一部にはDRMの掛かった物を再生可能な汎用プレーヤーも存在する。DRMの掛かったファイルのみWMPなどのソフトを使用してプレーヤーに転送する。国内メーカーの製品ではシャープVictor(現・JVCケンウッド)、ケンウッド(現・JVCケンウッド)、SANYO、ウォークマン、Giganeatなどのプレーヤーの一部の機種がこれに当たる。

プレーヤーとしてではなく、単なるUSBメモリとしての利用も可能ではある。

DRMが掛かっていないため、複数のプレーヤーや、プレーヤー間での機器乗り換え作業は比較的容易である。
利用方法

これらの機器は主に、コンパクトディスクカセットテープMDなどといった媒体からパソコンなどを使ってファイルに変換するリッピングと呼ばれる作業を行い、抽出した音楽ファイルをパソコンに接続して転送してプレーヤーに書き込んで利用する。

また近年では、歌謡曲洋楽懐メロクラシック音楽民謡民族音楽など幅広く取り揃えたダウンロード販売などのサイトを利用する形で、インターネットで購入した音楽ファイルを書き込んで利用する人も多く、後述するようにiPodなどはこのダウンロード販売とセットにして扱いやすくすることでシェアを伸ばした。2005年頃よりはポッドキャスティングの形で、最新歌謡曲やヒットソングから落語までといった様々な有償・無償のサービスが展開されている。

このほかにも街角やコンビニエンスストアに設置された情報端末から直接音楽データを購入できるサービスも始まっている。その他には多機能化機種では、内蔵されたラジオからの録音・再生にも対応している製品もある。

音楽CD数十?数百枚にも匹敵する内部記憶装置の大容量化といった事情に伴い、プレイリストの指定といった形で、その時の気分で優先して再生する音楽を選べる機能を持つものも多い。曲に関する様々な情報が記載された画面を見ながら選曲できるなど、従来の携帯音楽プレーヤーには無い様々な利便性を供えている。この中には歌詞テキストファイルや写真(デジタル画像)の表示といった付加価値を持つ製品も見られる。

電源は内蔵二次電池(専用アダプターによる充電式)と乾電池を使うタイプの2種類がある。前者ではパソコンそのものを充電器として利用できるほか、外付けバッテリーが利用できるタイプの物もある。後者では、乾電池を使う一般的な機器に比べると消費電力がやや大きいにも関わらず単四型電池1本しか利用できないものが圧倒的であり、これ以外の音楽プレーヤーに比べると電池切れが早い製品も少なくない。ニッケル・水素蓄電池のような高機能蓄電池も利用できるが、主な乾電池型二次電池の電圧が、乾電池の1.5Vに対して1.2Vと低い為、使用するプレーヤーによっては、プレーヤーの電池残量計が早めに電池切れと判断し、乾電池を使用した時よりも電池の持ちが悪くなる事がある。

2000年代半ばのプレーヤーでは、USBからの給電を前提にしてACアダプタを付属しないものもある。通常、パソコンのUSB端子を利用するが、充電のためだけにパソコンを起動しなければならないなどの欠点もある。これを補うものとして、ACコンセントからUSBの電力だけを供給できるアダプタや、同様にUSBの電力供給が可能な携帯式のバッテリパックなどのグッズが出現している。ただし、対象外の機器で充電されるのを嫌い、専用の充電器かパソコンのUSBからの充電でも、デバイスとして認識されている状態でないと充電しない機種もある。充電表示していないだけで実際には充電されているという機種も存在する。

音声入力をもたないカーオーディオ機器などでデジタルオーディオプレーヤーの音楽を聴けるように、FMトランスミッターを内蔵するプレーヤーもある。また、外付け用のFMトランスミッターも多く発売されている。これは、再生音声をFMラジオの電波で飛ばすもので、FMラジオをもつカーオーディオやラジカセミニコンポで受信して聴くことができる。室内でも、手元にプレーヤーを置き、わずらわしいケーブル配線などをせずにワイヤレスで室内の離れたところに設置された音響機器で再生するといった使い方ができる。ただし電池の持ちに関しては構造上あまり芳しいとは言いにくいため充電しながらの利用になることも多い。

またカーオーディオ分野にも、デジタルオーディオ対応プレーヤーの増加が見られる。古くはCD-Rに焼き付けたMP3再生にのみ対応していたが、次第に各種フォーマットにも対応してきた。さらに、近年のDVD普及により、音楽ファイルを焼き付けたDVD-R等を再生できる機種も、JVC(現・JVCケンウッド)から登場したほか、音楽CDを自動的にリッピングして内蔵ハードディスクに保存する機能を持つものもある。また、USBメモリ用のコネクタ付きモデル、iPod専用コネクタ付きモデルも登場。年々対応機種は増加している。なお、いずれの機種も年々価格が下落しており、自動車の標準装備となる日も近いとする意見もある。

さらに近年では、Bluetoothに対応したデジタルオーディオプレーヤーも登場した。Bluetooth対応のヘッドホンやオーディオ機器と組み合わせて、ワイヤレスで音楽等を楽しむことができる。Bluetoothを内蔵するプレーヤーは少数であるが、外付け用のBluetoothトランスミッターも多く発売されており、トランスミッターを介することでBluetoothに対応できる機種は数多く発売されている。

AppleACアダプタと多目的型ACアダプタ(アプライド)。近年ではアップルもiPodに付属させていない機種も多い。

歴史

初期の携帯音楽プレーヤー1979年に登場したウォークマンに代表されるアナログカセットテープ タイプのものだった。これによって部屋の中だけで聴いていた音楽が、外の世界へと開放された。CD登場後は携帯CDプレーヤーが隆盛したものの、用途は再生のみに限られていた。CDは2000年頃までは自作できる環境が整っておらず、ユーザーの好みの曲だけを集めたオリジナル編集CDの作成が困難であったため、レンタルCDをテープに録音し、音楽CD自体を所有しないユーザーからはカセットテーププレーヤーの方が珍重され、カセットから携帯CDプレーヤーへの置き換えには至らなかった。


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