近年のバラエティ番組ではプロデューサーがチーフD(演出)を兼ねているケースも多く見られる。また、プロデューサー級のスタッフがディレクターの上から演出面のみを指揮管理する場合に「総合演出」(ゼネラルディレクター、プロデュースと呼ばれることもある)、プロデューサーのさらに上に立ち番組の演出・制作を全面的に指揮監督する場合に「総監督」[注 2]という呼称が使われることもある。テレビ業界では、一般的にディレクターはプロデューサーよりも下位の役職であり、プロデューサーがディレクターを指揮する体制が定着しているため、このような現象が起きていると考えられる。
テレビドラマのディレクターは映画監督に倣って「監督」(演出)と呼ばれることよりも、ディレクターと呼称されることが近年多い。また、ディレクターが海外で使う英語の名刺には、一般に「program director」(プログラム・ディレクター)と書かれる。これはテレビ会社の取締役(director)と間違われるのを防ぐためである。 日本のアニメ業界においての呼称は「監督」がほとんどだが、東映アニメーション、シャフト、ナックでは監督に相当する職種をシリーズディレクターと呼んでいる[1]。また、東映アニメーションのシリーズ・ディレクターの権限は、「担当話数の演出家がその話の監督である」という伝統があるため、他社の監督に比べると小さい[1]。作品の中には監督、ディレクターが混在しているものも見られる。 また、時折、監督の上に「総監督」が置かれることがあるが、アニメ番組の場合は前述の他のテレビ番組と異なり、プロデューサーを兼務する意味合いは持たない。 アニメ制作においては「演出」は監督と別に置かれることがほとんどだが(クレジットに「演出」が設けられている場合がほとんど)、監督によっては兼業していたり、或いは部分的に数話だけ演出を行っている場合もある。 レコードやCDなどの音楽商品を制作する場合の「制作監督者」を、通常「音楽ディレクター」と呼ぶ。音楽ディレクターは、音楽商品の音楽的な面ではなく音源は通常、音楽プロデューサーとレコーディング・ディレクター、編曲家が担当するため専ら、より事務的(または技術的、商品的)な面を監督することになる。従って、音楽ディレクターは音楽家である必要はなく、通常は、レコード会社(CD会社)若しくは原盤管理会社やその下部に属する音楽制作オフィスの制作担当社員が担う。 他の場面で「ディレクター」と呼ばれる者の役割から推測すると、CD等の制作ではディレクターが中心的な立場になるようにも思えるが、実際の場面では、音楽プロデューサーやA&Rの方がむしろ主導権を握っていることが多い。 日本オリエンテーリング協会が認定している、オリエンテーリング競技の公認指導者を、オリエンテーリング・ディレクターと称し、2級・1級の2段階が設定されている(1級が格上)。なお、同1級認定者は、他の協会が指定する資格取得(レクリエーション・コーディネータなど)の際、一部科目の履修を免除することが可能となっている。このほかの競技においても、公認指導者を「ディレクター」と呼称するものが一部存在する。 典拠管理データベース: 国立図書館
アニメ制作
音楽制作
その他
脚注[脚注の使い方]
注釈^ チーフD、スタッフロールでは「演出」と書かれている場合が多いが番組によってはゼネラルディレクターに「演出」、チーフDはそのまま「チーフディレクター」と表記するケースもあり定まっていない。具体的には、『クイズ!ヘキサゴンII』、『ロンドンハーツ』、『きらきらアフロ』、『しゃべくり007』などでこの例が見られる(2011年現在)。またスタッフが多い日中帯の情報番組などにおいてもこのような例が見られる。
^ 総合演出兼チーフプロデューサーもしくは制作総指揮に相当。具体的には、『ズームイン!!SUPER』の碓田千加志、『めちゃ×2イケてるッ!の片岡飛鳥、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』の菅賢治など。
出典^ a b “ ⇒Q&Aコーナー 第3回 原恵一監督の新作など、質問5連発!”. WEBアニメスタイル. 株式会社スタイル (2005年11月29日). 2024年3月8日閲覧。
関連項目
アシスタントディレクター (Asisstant Director; 略称: AD)
葬祭ディレクター - 厚生労働省の認定資格の一つ。
アートディレクター (Art Director; 略称: AD)
テクニカルディレクター (Technical Director; 略称: TD)
写真ディレクター
クリエイティブ・ディレクター
ドイツ
2
チェコ
2