ニューヨーク州ラーチモント出身。イエール大学卒業。当初は歯科医志望だったが、19歳の時に「ブック・オブ・メイクアップ」を読んで、メイクアップアーティストを志すようになる。大学では演劇部のメイクを担当していた。卒業後は陸軍に入隊し、第二次大戦に従軍。
1945年、NBCテレビが開局すると、テレビ界では初めてとなる常勤のメイクアップアーティストとなる。当時のテレビドラマはすべて生放送だったが、スミスは出演者の老けメイクを即興でこなして名を上げた[2]。
その後映画界へと進出、フォームラテックス (液状の特殊ゴム素材=ラテックスをミキサーで撹拌・発泡させた後、オーブンで焼き上げ、柔らかいスポンジ状にした物)製のマスクを小さなパーツに分解する“オーバーラップ・アプライエンス”という手法を映画で初めて使用して注目を集める[3]。
『小さな巨人』(ダスティン・ホフマン)や『エクソシスト』(リンダ・ブレア、マックス・フォン・シドー)、『ゴッドファーザー』(マーロン・ブランド)、『タクシードライバー』(ロバート・デ・ニーロ)でのメイクが有名で、繊細でリアリスティックなメイクを得意とした。1984年、『アマデウス』で老サリエリ(F・マーリー・エイブラハム)の老けメイクを担当して、第57回アカデミーメイクアップ賞を受賞した。
黒沢清監督のホラー映画『スウィートホーム』のメイクを担当したほか、1992年から2000年まで代々木アニメーション学院特殊メイク科で講師を務めた[4]。
2011年、第84回アカデミー名誉賞を受賞した。弟子にリック・ベイカー、辻一弘らがいる。
2014年7月30日に老衰で死去した。92歳没。
主な作品
出獄 Call Northside 777 (1948) クレジットなし
鉄のカーテン The Iron Curtain (1948) クレジットなし
向う見ずの男 From Hell to Texas (1958) クレジットなし
恐怖のワニ人間 The Alligator People (1959) 劇場未公開
枢機卿 The Cardinal (1963)
マリアンの友だち The World of Henry Orient (1964)
何という生き方!