ディズニーによる21世紀フォックスの買収
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2月、CNBCはディズニー=フォックスの契約があるにもかかわらず、もしもAT&Tタイム・ワーナーの合併が成立した場合にはコムキャストがディズニーの524億ドルを上回る額を提示する可能性があると報じた。フォックス会長のピーター・ライス(英語版)はディズニーの提示額に満足しており、フォックスの資産は「ディズニーに最適」であると述べた[19]

3月初旬、非営利団体のプロテクト・デモクラシー・プロジェクトは、保留中となっているディズニーのフォックス買収に関する2社の通信記録を求めて司法省に対して訴訟を起こした。訴訟ではまた「大統領またはその政権が政治的友好関係者への支持のためにDOJの独立を不適切に妨害しているかどうかを調べるため、司法省による関連する独占禁止法執行の取り組み」が要求された。ドナルド・トランプは自身に批判的なCNNを所有するAT&T=ワーナーの合併を非難する一方で、ディズニー=フォックスの契約を進めるマードックを賞賛した[20]

2018年4月12日、ライスは2019年夏までに買収が完了する予定であることを明らかにした[21]。2018年3月よりディズニーのコングロマリットの戦略的再編成により新たにディズニー・パークス・エクスペリエンス・プロダクツウォルト・ディズニー・ダイレクト・トゥ・コンシューマー&インターナショナルという2つの事業部署が誕生した。パークス&コンシューマー・プロダクツは主にパークス&リゾーツとコンシューマー・プロダクツ&インタラクティブ・メディアの合併であったが、ダイレクト・トゥ・コンシューマー&インターナショナルはディズニー・インターナショナルとディズニー=ABC・テレビジョン・グループ、スタジオ・エンターテインメント、ディズニー・デジタル・ネットワーク(英語版)からのグローバルセールス、配給、ストリーミング部を引き継いた[22]。アイガーがこれを「戦略的に我々の事業を将来に向けて位置づける」と発言すると、『ニューヨーク・タイムズ』は21世紀フォックスの買収を前提として行われた再編成であると分析した[23]
ディズニーとコムキャスト間の入札合戦(2018年5月 - 7月)

2018年5月7日、ディズニーが提示するフォックス買収額を上回る融資を得るためにコムキャストが投資銀行と協議していることが報じられた[24]。その後まもなくボブ・アイガーはフォックス買収を確実にするためにSky plcを契約から除外する意思があることを明かした[25]

フォックスの投資家の幾人かはコムキャストが全額現金で600億ドルの対抗買収案を実行した場合、ディズニーとの契約を打ち切る用意があると語った。マードックの家族信託は特別議決権付きで保有していた株式によりフォックスの39%を支配していたが、会社の条例では、マードックの信託が票の17%しか持っていなかった場合にはこれらの特権はディズニー=フォックスの契約に関する投票には適用されず、したがって翌月予定されている投票で他の株主から破られる可能性があると報じられた[26]。同月後半、新フォックス社の担当はジェームズ・マードック(英語版)ではなくラクラン・マードックとなることが明らかとなった[27]

翌週、コムキャストはディズニーが提示するフォックス買収額に対抗することを発表した[28]。その直後、ディズニーはコムキャストがオファーを出した場合、フォックスの資産に更なる買収額を検討していることを明かした[29]

翌日、ディズニーとフォックスは7月10日の株主投票会議の開催決定を発表したが、両者はコムキャストが提案を承認した場合にフォックスの会議は延期される可能性があるとも述べた[30]

6月12日、A&Tは地方判事のリチャード・J・レオン(英語版)によってタイム・ワーナー買収を承認され、政府の規制当局がフォックスへの入札を阻止するか否かについてのコムキャストの懸念は和らいだ。その結果を受けて翌日にコムキャストはフォックスの資産に対してディズニーを上回る650億ドルを提示した[31][32]

6月18日、ディズニーはコムキャストが提示したフォックスの買収額に対抗するために520億ドルに更に追加すると報じられた[33]

6月20日、ディズニーとフォックスは以前の合併契約を修正し、ディズニーは提示額を713億ドル(コムキャストの650億ドルに10%を上乗せ)に引き上げ、また株式の代わりに現金を受け取るオプションを株主に提示したことを発表した[34]。6月21日、マードックはディズニーのより高額の条件に応え、「我々は21世紀フォックスで築いたビジネスを非常に誇りをもっており、ディズニーとのこのコンビネーションにより、新しいディズニーが業界のダイナミックな時代に歩調を合わせ続けることで株主に更なる利益をもたらすと確信している」と述べた。買収は株主による投票が必要であったので、この時点ではまだ他社の入札は防げなかった[35]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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