現在は2019年3月22日角川/KADOKAWAから発売中のディア・ハンター 4Kデジタル修復版 スペシャル・エディション【2枚組】 [Blu-ray]に収録(正味140分※ 日本語吹替部分のみを再生できる日本語吹替オンリー機能付き )
配役
クリストファー・ウォーケン - 彼はベトナム戦争の後遺症から心身ともに疲弊し痩せ切った青年を演じるため、1週間米とバナナと水だけを食べ続けた。
メリル・ストリープ - 1977年、ストリープはアントン・チェーホフ作の『桜の園』の舞台に立つ。彼女の演技に目を止めたデ・ニーロの推挙によりストリープの出演が決まった[5]。当時スタンリー役のジョン・カザールと同棲していたメリル・ストリープは、骨癌で長くは生きられない恋人と一切に過ごす時間を増やすためだけに出演を決意した。映画の撮影は1977年6月20日に始まったが、その時点で公開されている映画の中でストリープが出演している映画はまだ一本もなかった[6]。
ストリープが演じたリンダ役は当初さほど重要でない上に不明確な役柄だった。チミノはストリープにリンダ役の台詞を自ら書いてみるよう提案した。その結果リンダの人物造形が具体的に膨らまされ、最終的にストリープはオスカー最優秀助演女優賞にノミネートされた。[7]
ジョン・カザール - カザールとストリープは1976年の舞台『尺には尺を』での共演がきっかけで知り合い、製作当時は同棲していた[8]。撮影前に骨癌を患い余命いくばくもないことが判明、製作会社は彼に降板を催促したが、チミノやデ・ニーロ、ストリープらが「カザールが降板するなら自分も降板する」と主張したことで降板は免れた。カザールは映画の完成を待たずに1978年3月12日に死去。なお、カザールが生涯出演した5本の映画すべてがアカデミー賞にノミネートされており、そのうち本作品を含めた3本が作品賞を受賞したこととなった。
ジョン・サヴェージ - スティーブンの役は当初ロイ・シャイダーが演じる予定だった。撮影2週間前にシャイダーが降板したため、急遽サヴェージが演じることとなった[9]。
チャック・アスペグレン - 彼は俳優ではなく、東シカゴの製鉄所の現場監督であった。デ・ニーロとチミノに見初められ、映画に出演することとなった[10]。
音楽
テーマ音楽はスタンリー・マイヤーズ作曲の「カヴァティーナ」。ギターはジョン・ウィリアムスによるもの。本来は「サンダーボルト」で使う予定の曲だったが、クリント・イーストウッドに却下された為、本作に使用した。
フランキー・ヴァリ(Frankie Valli)が1967年5月に発表した「君の瞳に恋してる」が2度登場する。1度目はジョンの店でのビリヤードのシーンで流れ、マイクらはヴァリの歌にあわせて合唱する。2度目は結婚式のシーン。バンドリーダー(ジョー・グリファシ)が壇上で歌う。
前半の結婚式と披露宴で、ロシア正教会聖歌「スラーヴァ」、ロシア民謡「コロブチカ」、「カチューシャ」などが流れる。
ジョン(ジョージ・ズンザ)は自分の店のピアノでショパンの「夜想曲第6番 ト短調 作品15-3」を弾く。