テントウムシ
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肉食
ナナホシテントウ Coccinella septempunctata
アフリカヨーロッパアジアまで広く分布する代表的なテントウムシ。体長8mmほどで、翅は赤く、和名のとおり7つの黒い紋がある。個体間で模様の変異はない。アブラムシやハダニを食べるが、餌不足に陥った幼虫は共食いをすることもある。
ナミテントウ Harmonia axyridis
アジアに広く分布し、ナナホシテントウと並ぶ代表的な種類。体長7mmほど。ナナホシテントウとはちがい、黒地に2つの赤い紋、黒地に4つの赤い紋、赤や黄色に多くの紋、赤や黄色の無地など体色に多くの変異がある。アブラムシを捕食する。
ダンダラテントウ Cheilomenes sexmaculata (syn. Menochilus sexmaculatus)
体長5mmほどで、ナミテントウよりやや小型。翅は黒地に赤い紋が4つあるが、ナミテントウにも似た模様のタイプがいるので区別がつけにくい。アブラムシを捕食する。
カメノコテントウ Aiolocaria hexaspilota
体長12mmほどの大型のテントウムシ。翅は黒地に橙色の模様があるが、これがカメ甲羅の模様にも似ていることからこの和名がある。クルミハムシの幼虫を捕食する。
ヒメカメノコテントウ Propylaea japonica
和名のとおり、カメノコテントウに似た模様があるが、体長は4mmほどしかない小型の種類。翅の模様にはいくつかの変異がある。アブラムシを捕食する。
ジュウサンホシテントウ Hippodamia tredecimpunctata timberlakei
オレンジ色の翅に和名の通りの13個の黒い紋がある。また一般的なテントウムシと異なりハムシのような縦に長い体を持つ。アブラムシを捕食する。
ウンモンテントウ Anatis halonis
体長10mmほどの大型のテントウムシで、オレンジ色の翅に周囲が白い黒の紋を持つ。アブラムシを捕食する。
オオテントウ Synonycha grandis
体長12mmほどの大型のテントウムシだが、生息数は少ない。アブラムシを捕食する。
ベダリアテントウ Rodolia cardinalis
体長4mmほどの小型のテントウムシ。翅は赤く、黒い模様がある。ワタフキカイガラムシ(イセリアカイガラムシ)を捕食する。オーストラリアに分布するが、ワタフキカイガラムシ駆除のために日本に持ちこまれ、そのまますみついた外来種である。
アカホシテントウ Chilocorus rubidus
カイガラムシを捕食する。 ウメの木に良く付いている。学名の rubidus はラテン語で暗赤色の意。
ベニヘリテントウ Rodolia limbata
カイガラムシを捕食する。和名の通り黒の翅に縁が紅色の模様を持つ。
アミダテントウ Amida tricolor
学名の tricolor (三色)の名の通り、茶色・黄色・黒の3色による特徴的な翅の模様を持つ。アオバハゴロモを捕食する。
ムツボシテントウ Sticholotis punctata
体長2mmほどの小型のテントウムシ。赤地に6つの黒い紋がある。ほとんどメスしか採集されず、単為生殖をしていると考えられる。カイガラムシを捕食する。

ナナホシテントウ

ナミテントウ

ダンダラテントウ

ベダリアテントウ

カメノコテントウ

菌類食
キイロテントウ Illeis koebelei

体長5mmほど。胸部は白地に2つの黒い斑点があるが、翅は和名どおり黄色一色である。うどんこ病菌などを食べる。
シロホシテントウ Vibidia duodecimguttata
体長4mmほど。和名どおり黄褐色の地に白っぽい斑点がある。うどんこ病菌などを食べる。
クモガタテントウ Psyllobora vigintimaculata
体長2.5mmほど。黒・茶・白の斑模様。うどんこ病菌などを食べる。アメリカなどからの帰化種とされる。

シロホシテントウ

草食

テントウムシ科のうちマダラテントウ亜科のみが草食である。草食のテントウムシは肉食の種類に比べて鞘翅に毛が多いため、つやがないのが特徴である。
ニジュウヤホシテントウ Henosepilachna vigintioctopunctata

オオニジュウヤホシテントウ Henosepilachna vigintioctomaculata
この2種は体長7mmほどで、淡い褐色の地に名のとおり28個の黒い点がある。和名のとおりオオニジュウヤホシテントウのほうが少し体が大きく、黒点も大きい。集団でナスジャガイモの葉を食べるため、害虫として扱われる。オオニジュウヤホシテントウはマダラテントウの中でもっとも寒冷地に進出しており、沿海州周辺まで分布している。一方、ニジュウヤホシテントウは北海道以南から東南アジアまで分布している。この2種は益虫である肉食性のテントウムシと違って、ナスやジャガイモなどの葉を食害するため、別名「テントウムシダマシ」ともいわれる。しかし、テントウダマシ科というテントウムシ科とは別の分類群が存在するので注意が必要である。
ヤマトアザミテントウ Henosepilachna niponica

エゾアザミテントウ Henosepilachna pustulosa

ルイヨウマダラテントウ Henosepilachna yasutomii
オオニジュウヤホシテントウに近縁な日本固有種で、それぞれアザミなどのキク科ルイヨウボタンなどのメギ科植物の葉を食べる。関東地方などでは害虫化している例もある。本州と北海道の大部分にはいずれかが生息しているが、九州と四国からはこれまで見つかっていない。
ジュウニマダラテントウ Henosepilachna boisduvali
沖縄諸島に見られ、ウリ科植物の葉を食べる。
ミナミマダラテントウ Henosepilachna pusillanima
与那国島などの八重山諸島に見られる。最近南方から侵入・定着したと考えられる。
トホシテントウ Epilachma admirabilis
体長8mmほどで、北海道南部以南の日本全国と中国に分布する。カラスウリなどのウリ科植物の葉を食べる。巻き蔓の間に産卵する。
ツシママダラテントウ Epilachna chinensis tsushimana
シナマダラテントウの亜種とされ、日本では対馬でのみ見られる。アカネ科植物の葉を食べる。

ニジュウヤホシテントウ

ルイヨウマダラテントウ(東京西郊型エピラクナ)

脚注^ 『日本大百科全書 16』小学館、1994年。 
^ 吉田金彦『語源辞典 動物編』東京堂出版、2001年、168頁。 
^ 森上信夫『虫の呼び名事典』世界文化社、2013年、20頁。 
^ 日本昆虫科学連合『昆虫科学読本』(東海大学出版部)p174-183
^飛べないテントウムシ期待大 名古屋大、害虫対策に開発
^名古屋大学の発表 (PDF) [リンク切れ]
^ T. Ohde; et al. (2009). ⇒“Vestigial and scalloped in the ladybird beetle: a conserved function in wing development and a novel function in pupal ecdysis”. Insect Molecular Biology (Royal Entomological Society) 18 (5): 571?581. doi:10.1111/j.1365-2583.2009.00898.x. .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISSN 1365-2583. ⇒http://www3.interscience.wiley.com/journal/122518085/abstract
^飛べなくしたテントウムシの力拝借 害虫駆除アイデア 高校生特許出願へ東京新聞、2013年12月24日 Archived 2013年12月27日, at the Wayback Machine.
^ 「飛ばないテントウ虫」で害虫駆除 千葉県立農大が商品化 羽を特殊樹脂で固定産経新聞、2018年2月10日


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