テレンス・マリック
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アメリカン・フィルム・インスティチュートが次世代の映像作家の育成を目的に、1967年に設立したばかりのAFI Conservatoryに入学。俳優ジャック・ニコルソンやプロダクションデザイナーのジャック・フィスクらと知り合った。フィスクは後に、マリックの作品のプロダクションデザインを毎回手がけることになる。1969年には短編映画『Lanton Mills』を製作した。

1971年にジャック・ニコルソンが監督を務めた『Drive, He Said』や『ダーティハリー』の初期草稿に脚本家として携わり、映画界に進出。翌1972年にはポール・ニューマン主演の『ポケット・マネー』の脚本を執筆。1973年には初の長編『地獄の逃避行』を発表した。

1978年の長編2作目となる『天国の日々』では、それまでのハリウッドでは試みられたことのない編集や光量、音量の調整に試行錯誤したため、ポストプロダクションに2年かかる力作となった。アカデミー作曲賞音響賞衣装デザイン賞などにノミネートされ、撮影監督を務めたネストール・アルメンドロスアカデミー撮影賞を受賞した。また、第32回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、監督賞を受賞した。

その後、次作の試作途中で突如パリに移住。その後は公衆の面前に一切姿を現さなくなる。フランスでは数本の脚本を執筆しながら、長い間教鞭を取っていた。

1998年太平洋戦争におけるガダルカナル島の戦いを描いた長編『シン・レッド・ライン』を発表。20年ぶりに映画監督として復帰した。同作は第49回ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞。アカデミー賞では7部門にノミネートされた。

2005年の『ニュー・ワールド』を経て、2011年ブラッド・ピットショーン・ペンを起用した『ツリー・オブ・ライフ』を発表。第64回カンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞した。翌2012年にはオルガ・キュリレンコベン・アフレックらが出演した『トゥ・ザ・ワンダー』を発表。第69回ヴェネツィア国際映画祭でSIGNIS賞(カトリックメディア協議会賞)を受賞した。2015年にはクリスチャン・ベールナタリー・ポートマンらが出演する『聖杯たちの騎士』が、2016年にはドキュメンタリー『ボヤージュ・オブ・タイム』がそれぞれ公開された。2019年には第二次世界大戦中ドイツにて良心的兵役拒否を行って処刑されたフランツ・イェーガーシュテッターの人生を描く『名もなき生涯』を監督し、第72回カンヌ国際映画祭エキュメニカル審査員賞とフランソワ・シャレ賞(英語版)を受賞するなど高く評価された[1][2][3]
人物

1973年の「地獄の逃避行」から2011年の「ツリー・オブ・ライフ」までのおよそ40年間で監督した作品はわずか5本と、非常に寡作だったが、それ以降は製作のペースが上がっている。アカデミー賞の授賞式や各映画祭には出席することなく、メディアへの露出やインタビューもほとんどない。少なくとも、2011年の時点ではテキサス州オースティンに住んでいるとみられる。
フィルモグラフィー

年作品役職備考
1969Lanton Mills
監督・脚本・作曲・出演短編映画
1971ダーティハリー
Dirty Harry脚本クレジット無し
Drive, He Said脚本クレジット無し
1972ポケットマネー
Pocket Money脚本・出演
1973地獄の逃避行
Badlands監督・製作・脚本・出演
1978天国の日々
Days of Heaven監督・脚本・出演受賞: カンヌ国際映画祭監督賞
受賞: 全米映画批評家協会賞監督賞
受賞: ニューヨーク映画批評家協会賞監督賞
ノミネート: カンヌ国際映画祭パルム・ドール
1998シン・レッド・ライン
The Thin Red Line監督・脚本受賞: ベルリン国際映画祭金熊賞
受賞: ニューヨーク映画批評家協会賞監督賞
ノミネート: アカデミー賞監督賞
ノミネート: アカデミー賞脚色賞
2002ベアーズ・キス
Bear's Kiss脚本
至福のとき
幸福時光 / Happy Times製作総指揮
2004アンダートウ 決死の逃亡
Undertow製作
2005ニュー・ワールド
The New World監督・脚本
2006アメイジング・グレイス
Amazing Grace製作
2007The Unforeseen製作総指揮ドキュメンタリー
2011ツリー・オブ・ライフ
The Tree of Life監督・脚本受賞: カンヌ国際映画祭パルム・ドール
受賞: ロサンゼルス映画批評家協会賞監督賞
受賞: サンフランシスコ映画批評家協会賞監督賞
ノミネート: アカデミー賞監督賞
2012トゥ・ザ・ワンダー
To the Wonder監督・脚本
2013Red Wing製作総指揮
2014The Better Angels製作
2015聖杯たちの騎士
Knight of Cups監督・脚本
2016The Seer: A Portrait of Wendell Berry製作総指揮ドキュメンタリー
ボヤージュ・オブ・タイム
Voyage of Time監督・脚本ドキュメンタリー
The Vessel製作総指揮
The Spearhead Effect製作総指揮
2017ソング・トゥ・ソング
Song to Song(Weightless から改題)監督・脚本
2019名もなき生涯
A Hidden Life監督・脚本

脚注^ 源 (2019年11月6日). “巨匠テレンス・マリック監督、初の実話映画化『名もなき生涯』邦題&日本公開日決定!”. スクリーン・オンライン. 2020年1月4日閲覧。


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