テレビドラマ
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2010年代後半に入ると、動画配信サービスへのコンテンツ供給や海外向けへの番組販売などを背景として、テレビドラマ枠の増加が相次いでおり、ゴールデンタイム・プライムタイム帯(19時台から22時台)におけるドラマ枠新設[注 2]だけに限っても、2015年4月から日本テレビが『日曜ドラマ[6]、2022年4月からNHKが『夜ドラ[7]、同月からフジテレビが『水曜10時枠の連続ドラマ[8]、同年10月からテレビ朝日が『火曜9時枠の連続ドラマ[9]、2023年4月から朝日放送テレビが『日曜10時枠の連続ドラマ[10]、同年10月からフジテレビが『金曜9時枠の連続ドラマ[11]、2024年4月(予定)から日本テレビが『土ドラ9[12]をそれぞれ新設している。また、深夜ドラマ(23時台以降)についても2011年の時点では1週間で2本しか放送されていなかったが、2021年10月の時点では1週間で16本と8倍に増加している[13]。詳細は「深夜ドラマ」を参照
歴史[ソースを編集]
撮影機材・放送形態[ソースを編集]

1940年4月、テレビの実験放送で放送された『夕餉前』(脚本:伊馬鵜平)が、日本初のテレビドラマとされている。当時のスタジオは非常に狭く、またアイコノスコープ方式のカメラを使用していたため、俳優は、時に木材や紙などを発火させるほど強い照明に耐えなければならないなど、技術的制約が多い状況だった。同年10月には実験放送第2作『謡と代用品』が放送されたが、太平洋戦争(1941年12月8日勃発)のために11年中断後、1952年に再開。

1953年にテレビの本放送が始まるが、当時は実用的な録画手段がなく、テレビドラマの多くは生放送またはフィルム制作であった。モノクロ時代は消え物(料理)はそれらしく見えればいいということで、すき焼きを食べているシーンなのに食べているのは出汁の味しかしない物だった、本物が出てきたのはカラーになってからだった、と黒柳徹子は語っている[14]

ビデオは、1956年にアメリカ合衆国2インチVTRが開発され、2年後の1958年には、日本に初輸入され、国産のビデオも開発された。同年6月、大阪テレビ放送(OTV、現・ABC)の『ちんどん屋の天使』において、日本で初めてテレビドラマにビデオテープが使用された。そして同年10月、ラジオ東京テレビ(KRT、現・TBS)の『私は貝になりたい』(主演:フランキー堺)では、本格的にビデオ録画が実用化され、技術的な先駈けとなった。また、その年の芸術祭賞を受賞し、それまで「電気紙芝居」と酷評されたテレビドラマが初めて人を感動させたとして、テレビドラマ史上に残る重要作品と位置付けられている。当初はビデオ機材もビデオテープも高価だったが、やがて普及していき、ドラマも生放送から収録する形態へと変わっていった。

1970年代までにビデオテープで収録されたテレビドラマの中には、原盤ビデオテープが別の番組撮影に使われて上書きされたことにより、映像が失われたものも少なくない。また、当初は撮影機材の大きさと、カメラの感度の低さから、照明を煌々と照らしたスタジオ内で演技するより他なく、屋外の情景はスタジオ内でのセットで再現していた。どうしても屋外でのロケが必要な場合は、ビデオでの撮影を諦めて、16mmフィルムで撮影することもあった。そのため本編中にビデオ映像とフィルム映像が混在し画調や画質、場合によっては音質においても不連続が発生することがかつては多く見られた。いわゆるホームドラマはこうした技術的制約の苦肉の産物でもあった。

NHKのドラマはNHKですべて制作していた。NHKのみは自社製作ということもあり、遥かに先行して1960年代からVTR製作に切り替えている(それゆえに初期の作品の保存状況が極めて悪い)。それに対し、民放では1950年代から外部の制作会社が制作したテレビドラマを放送した。それらは当初「テレビ映画」とも称され、劇場映画を作ってきたスタッフが制作にあたり、撮影もフィルムで行われた。大手では1959年に東映が出資したテレビ局NET(現・テレビ朝日)で、さらに1962年には新東宝を前身とする国際放映がTBSで、テレビ映画の制作に進出している。東宝大映松竹など他の大手も続いてテレビ進出したものの、たとえば東宝は1980年に至るまで自社製作のテレビ映画については、傍系の東宝ビルドを使ったり、傘下の国際放映に孫受けさせたり、本拠地の砧撮影所を極力使わない差別的な姿勢を貫くなど、東映に比べると本腰が入っていなかった。また、特撮ものは、合成などのノウハウが蓄積されているフィルムでの撮影が主となっていた。詳しくはテレビ映画を参照。これに対し、VTRによるドラマはスタジオドラマと呼び分けられた。

1970年代も半ばを過ぎると、これまでのビデオカメラのコストと技術的制約もなくなり、民放もフィルムからビデオでの撮影に徐々に移行することとなった。フィルムが必要とする現像の手間以外だけでなく、ビデオ編集用の機材の発達と何よりもコストの問題で、映画会社系の制作会社もビデオ撮影を採用し始め、1990年代後半からフィルムで撮影されたドラマは激減。2000年代初頭には、刑事ドラマ時代劇もビデオ撮影に移行して、フィルム撮影はスーパー戦隊シリーズを最後に姿を消した(日本と違ってフィルムへのこだわりが強い欧米では大型テレビドラマの場合35ミリ映画用カメラを使ったフィルム撮影がしばらく生き残った)。

2005年頃から、地上デジタル放送への移行期を迎えて、ビデオでの撮影もNTSCからハイビジョンで収録するものが増えた。そのため、アナログ放送で放送する場合、NHKのドラマ全般(2005年4月 - )やテレビ朝日の木曜9時のドラマと「金曜ナイトドラマ」は、上下に少し黒帯の付く13:9のワイド画面で放送していた。また、日本テレビ(2005年7月 - )とTBS(2004年10月 - )やフジテレビ(2004年1月 - )などでは、上下に若干黒帯が付いていた(ブラウン管テレビでは見えない)。テレビ朝日の木曜9時ドラマと「金曜ナイトドラマ」以外については、両端をカットして放送しているため、アナログ放送の画角4:3画面いっぱいで放送されていた。またフジテレビでは、アナログ向けとデジタル向けで別の収録テープに分けて放送していた(画角に合わせてエンドロール等のテロップの位置を変えてある)ため、地方局での再放送や他系列放送の場合、機材の都合上アナログ向けとデジタル向けの2択を迫られることになった。前者の場合、デジタル放送でも標準画質でしか放送できないが、後者の場合、デジタル放送ではフルサイズ、アナログ放送ではレターボックスで放送していた。

地上波民放系のドラマ番組で、唯一BSデジタルでの先行放送が行われていた「女と愛とミステリー」(テレビ東京系)は、2001年1月の番組発足以来、一貫して16:9のハイビジョン放送を実施していたBSジャパンと技術的な制約で、デジタル放送開始後も4:3の標準画質で収録されたテープをアップコンバートせざるを得なかったテレビ東京(とその系列局)では、テロップ(サブタイトル・エンドロールなど)の挿入位置およびレイアウトが異なっていた。しかし、後継番組である「水曜ミステリー9(BSミステリー)」に関しては、2005年4月の開始時点でハイビジョン放送(デジタル帯)とサイドカット処理(アナログ帯)を同時進行させるために必要な送出マスターの更新が完了していたこともあり、テープの「作り分け」は行われていない。差し替えタイトル(→「BSミステリー」)が入るBSジャパンのサイマル放送(ハイビジョン画質)でも、地上波と同じ仕様で収録されたテープが基本的には使われているが、他系列向けに納品されているテープはその限りではなく、前番組同様複数の収録方式(ハイビジョン・SDサイドカット・SDレターボックスなど)が混在している。

ハイビジョン収録の普及により、プログレッシブカメラ(30pカメラなどと呼ばれる)を用いて撮影したり、シネライクガンマ(2003年に松下電器産業(現・パナソニック)が開発)というデジタル補正技術で画質を調整したりすることによって、従来のビデオ撮影とは異なった、映画フィルムのような階調の映像で放送される作品が多くなっていった。

2010年代、インターネットの動画サイトが一般に浸透した影響により、平均15分程度で終わる動画の視聴に慣れた世代にCMなしで45分ないしは1時間分の視聴をさせるのは難しいとの指摘もある[15]
出演者とスタッフ[ソースを編集]

この節には独自研究が含まれているおそれがあります。問題箇所を検証出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2009年9月)


ラジオ放送を行っていたNHKと民放テレビ局はラジオドラマを制作するために自前の放送劇団を組織して専属の俳優を持っていた。テレビの草創期は芸能プロダクションが未発達だったこともあり、その初期はラジオ時代と同様にNHKが自前でタレントを養成して、ドラマやバラエティに出演させた。また、五社協定により映画会社所属の俳優のテレビ出演に制限があったため、新劇の俳優を多く使ってきた。その後は、芸能プロダクションが隆盛。養成機関で演技の訓練を受けていないタレントがドラマに出演したり、人気俳優を抱えるプロダクションが、配役に影響力を及ぼすことも多い。

最近では、制作局のアナウンサーが出演することが多くなってきている。本業であるニュースキャスターやレポーターとして出演(本人役ということもあれば別名になる場合も名無し(アナウンサーA・リポーターB)という場合もある)というケースもあれば、まったく違う役柄で出演することもある。


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