テレビアニメ
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一度作品がインターネット上にアップロードされると際限なく複製され、完全に止めることはほぼ不可能になるため、パッケージ販売の収益で制作費用を回収している製作関係会社にとっては死活問題になりつつある[37][38][39]

そのため、番組冒頭に「(権利者の許諾を得ず)インターネットにアップロードするのは違法である」旨のテロップを流して注意を促したり、アップロード元の放送局(ローカル局)を特定できるようウォーターマークを表示するなどの対策を採り、また2012年10月の改正著作権法施行により、ダウンロードにも罰則が課されるようになったが、効果はあまりないのが実情であったが、後述の公式配信の充実と共に減少して行く。
公式動画配信の変遷

機動戦士ガンダムSEED』および続編『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』では、番組スポンサーのNTT東日本西日本両社が提供する光サービス『フレッツ光』加入者専用サイト「フレッツ・スクエア」にて放送終了直後に配信を行なっていた(ただし1週遅れの地域ではその遅れを反映する形での配信であった)。

2000年代中盤には高速回線が次第にカバーエリアを拡大した。2005年4月に開設したGyaO(現:GYAO!)やBIGLOBEストリーム(後のアニメワン。2013年にサービス終了)は、『B型H系』(UHFアニメ)や『れでぃ×ばと!』(AT-X独占放送)などで製作委員会に出資しているなど作品製作にも関与するようになり、映像画面周辺に広告を挿入し、広告収入を利用した無料配信サービスを相次いで開始したことで、地上波での放送が視聴できなくても、インターネットで視聴できる機会が大幅に増えることになった。

この場合、テレビ放送に前後した一定期間(3日間 - 最長1週間程度)は無料で配信し、その後は有料で配信することが多い。また、『亡念のザムド』などのようにWebアニメとして配信された作品が後日テレビ放送されるケースもある。

2007年に放送された『スカイガールズ』の場合、「エリアキャスト」と呼ばれる技術を使って「放送エリア外地域」に限ってのネット配信を行なう試みを行った[40] が、これは普及には至らなかった。

2008年にニコニコ動画発アニメ第一弾として『ペンギン娘?はぁと』が配信された[41]。2009年の『化物語』は終盤の数話をネット配信とした。

違法アップロードに対する措置も兼ねるべく、2010年7月にドワンゴが運営する動画配信サイト「ニコニコ動画」がアニメ番組の公式配信事業へ本格参入を表明。次第に期間限定ながらも無料で配信される作品も増加し、(DVD/BDの発売後でも)1話目のみを常時無料で配信するケースが主流になった。また、本放送終了後や2期の制作発表などに合わせニコニコ生放送で全話一挙生配信を行うケースも増加し、後述のAbemaTVなどでも同様の一挙配信が普及している。

これに呼応するように製作側がニコニコ生放送などのネット配信を積極的に宣伝活用するケースが増え、声優やクリエイターを出演させる企画番組も続々誕生。放送に変わるアニメ公開媒体としての存在感を高めていった。

2010年代にはスマートフォンによる動画視聴が普及し、2010年代半ばに入るとdアニメストア(一部テレビアニメの製作委員会にも参加)などの主にスマートフォン向け配信サイトの増加や、海外の大手配信サイトの日本進出など、従来の映像ソフトビジネスが頭打ち状態に入る中で海外市場も視野に入れた有料インターネット配信ビジネスが活発化した。

TOKYO MXは2015年7月よりスマートフォン専用アプリ『エムキャス』を利用しての全国への同時配信サービスを開始している(ただし著作権などの都合上配信されない番組もある)[42]

AbemaTVは2016年7月より一部新作を最速無料配信(一部はテレビ最速放送と同時無料配信)する「新作TVアニメチャンネル」を開設、新作テレビアニメ配信事業に参入[43]

2020年代にはインターネット配信による配信料が収益の柱となっており[36]、パッケージは収益よりもグッズや特典と組み合わせるファン向けのアイテムと言う傾向が強まっている。

NHKは2020年3月より総合・Eテレの同時常時配信・見逃し配信の「NHKプラス」を開始した。

楽天グループは2021年よりRチャンネルで「アニメ」・「名作アニメ」を開設。
レンタルビデオ

かつてはアニメ関連のレンタルビデオ市場も規模が大きかった。しかしネット配信の普及により、レンタルビデオ店の閉店が相次いでいる[44]
日本のテレビアニメの放送における諸問題の現状
時間帯の競合

民放とNHKを合わせた、2局以上のチャンネルで異なるアニメ番組を同時に放送することによる競合の発生は古くから見られるが[注釈 53]、ローカル局でも日曜日の早朝・夕方枠にアニメ・特撮番組が集中し、競合することがある[注釈 54]

テレビ東京の系列局と独立局を有する、東名阪地区の場合はなおさらであり、本放送のみにこだわるならば複数の録画機器か、2番組以上の同時録画が可能な録画機器を使用しないと視聴できない時間帯がほとんどであり、再放送を含むと、2020年現在では3番組以上の同時録画が可能な録画機器でないと視聴できない時間帯も多く見られる。また、BSデジタル放送では、BS-TBS[注釈 55] を除いたキー局系BS民放4局とBS11ほか各局で23 - 翌1時台に複数の番組の重複が恒常化している[注釈 56]

地上波における時間帯の競合を回避するために枠の曜日変更を行った例も存在する[注釈 57]

2015年4月期には同じ『週刊少年サンデー』連載原作アニメ同士による競合も発生している[注釈 58]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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