テレビアニメ
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2007年以降、女性のセミヌード下着が映る描写も湯気や閃光などの白ボカシなどで乳首や局部を隠す事例が増えているが、AT-Xでは対象年齢の制限を設けることにより、本来の映像でかつプライムノンプライムの時間帯で、曜日も問わずに放送されている(無料放送時[注釈 42] には一切視聴できない)。作品の設定上から性的刺激が強い場面を多用する場合、テレビ局側の自主規制基準を見越して当初の意図通りの内容を「ディレクターズカット版」などのパッケージ化販売が前提になっている事例もある。深夜アニメの一部では、女性キャラのスカートが大きく捲れているシーンでも、下着をあえて描かず、臀部やビキニラインを見せることで「下着ではないので規制対象ではない」とする自主規制を逆手にとったお色気シーンも存在する。
商標・著作権など「プロダクトプレイスメント」も参照

大抵は実在する企業名・商品名(商標)などを用いないよう改変される事例がほとんどだが、一部には企業側の承認済み、もしくはタイアップ(宣伝)の一環として実在の名前が使われる事例もある[注釈 43]

類似の事例として、実在の街を舞台とした作品でリアリティを出すため、各店舗の協力を得た上で実在の店名や看板などが背景に使われることもある[注釈 44]
放送自粛・中止

作品と直接的な関係はないが、事件や事故、自然災害などにより、放送局の判断で行われる。
宗教関係

実在の宗教に触れる際、歴史上の宗教家信者への中傷や侮辱がないよう配慮されなければならないが、特にイスラム教に関する規制が厳しく、聖典クルアーン(コーラン)や音楽が不適切に引用されたことが判明し、テレビアニメやOVAで当該のシーンの改訂を余儀なくされたこともある。

例1:『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』(OVA版)『Adventure 6 -報復の霧-』の中で、DIOアラビア語の書物を読みながら主人公一行の殺害を部下に命じるシーンがあり、この書物の文章がクルアーンの一節「雷電章」の引用であることが判明した[20]。これを視聴したイスラム教徒が「イスラム教に対する侮辱で受け入れられない」として反発。原因は制作スタッフがアラビア文字の資料を探したところ、それがクルアーンであることを知らずに転写したためであった(原作ではクルアーンは描かれておらず、イスラム教を侮辱する意図は一切含まれていない)。これに対し、集英社と制作会社(A.P.P.P)は「イスラームとその文化についての理解を一層深めるべく、努力する所存」と謝罪し、該当DVDの出荷を停止。その後の2009年2月より原作の該当箇所を訂正した改訂版が販売再開された[21]

例2:『ノラガミ ARAGOTO』(全13話)で、作中のBGMにてイスラム教の音楽が不適切に使用されていたことが判明したため、公式サイトで謝罪のコメントを掲載するとともに、当該の音楽が収録されたサウンドトラックが回収され、Blu-ray Disc/DVDの発売を延期することとなった[22]。この影響でBSフジの放送分が9話をもって打ち切られ[注釈 45]、代替策として、2016年1月に残りの10話?13話がBS11で放送された。

表現の法的規制詳細は「東京都青少年の健全な育成に関する条例」を参照
アニメブーム

詳細は、「アニメの歴史深夜アニメ史UHFアニメ史」を参照。

顕著な成長を遂げている時期を「アニメの成長期」もしくは「アニメブーム」と呼ぶ。以下の分類において参考にした関連書籍の略称を挙げる。

増田:増田弘道『アニメビジネスがわかる』/津堅:津堅信之『アニメーション学入門』/氷川:氷川竜介『世紀末アニメ熱論』

以下、便宜上アニメブームを3つに分けて解説しているが、評論家によっては主に『鉄腕アトム』によって引き起こされたアニメブームを第一次としないために、第二次・第三次がそれぞれ繰りあがって、第一次・第二次と呼ばれる場合がある。
第一次アニメブーム
発生期間
1963年?1960年代末。『
鉄腕アトム』の放送開始からアニメ定着期まで。(増田)1960年代。(津堅)
発生要因・結果
『鉄腕アトム』による第一の衝撃。(氷川)『鉄腕アトム』のヒット。およびこれを受けての新規事業参入者によるテレビアニメの新作数の増加。子供の間でのアニメの定着。(増田)
第二次アニメブーム
発生期間
1977年?1991年。『
宇宙戦艦ヤマト』劇場版公開からOVA発売タイトルピークまで。(増田)1970年代後半?1980年代後半。(津堅)『さらば宇宙戦艦ヤマト』の公開前後。(小川びい[23])1977年?1985年。ハイターゲットアニメが増加傾向だった時代。ブーム終了の認識がされたのは「マイ・アニメ」「ジ・アニメ」「アニメック」が休刊していく翌年以降。(藤津亮太[24]
発生要因・結果
『ヤマト』、『ガンダム』による第二の衝撃。(氷川)『宇宙戦艦ヤマト』劇場版のヒット。およびこれを受けての青年層のマーケット開拓。ビデオの普及による新たなビジネスモデルの登場。(増田)
第三次アニメブーム
発生期間
1995年?現在(2007年出版時点)。『
新世紀エヴァンゲリオン』放映からテレビアニメ製作数を更新中の2007年現在まで。(増田)1990年代後半。(津堅)『新世紀エヴァンゲリオン』前後。(小川びい[23])特定できない。(藤津[25]
発生要因・結果
『新世紀エヴァンゲリオン』による第三の衝撃。(氷川)『新世紀エヴァンゲリオン』のヒット。その後、『ポケットモンスター』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』などのメガヒットが続くことによって起きた、さらなるアニメ視聴者層の拡大。メディアの多様化、増加。ファイナンスシステムの多様化。収益構造の多様化。デジタル技術による生産性の向上。(増田)
ビジネスモデル「日本のアニメーションの歴史」、「深夜アニメ史」、および「UHFアニメ史」も参照

2000年代以降、小・中学校の週休2日制度導入で視聴が可能となった日曜日の午前枠を中心とする、玩具販売や原作漫画販売などのキャラクタービジネスを主目的とした子供向け作品、『サザエさん』等のまだ視聴率が期待できるファミリー向け作品と、『エヴァンゲリオン』後のアニメブームで増加した「アニメオタク(アニオタ)」向け作品の分離という二極化が進行した。アニメオタク向け作品は製作委員会方式作品が多く[注釈 46]、主に三大都市圏の各テレビ局や衛星放送局の深夜で放送を行い、本放送後にパッケージ販売・ソフトのレンタルなどで作品を供給し、収益をあげるという構造になっている。特にコンテンツが乏しくスポンサー料の安い放送枠が多い独立放送局は多くのアニメを放送した(UHFアニメ)。ただし独立局各局においては、キー局各局と比べると採算ラインが低いことから、ゴールデンタイム帯で放送するアニメもある[8]
全日帯

1990年代後半の視聴率低下はアニメ業界に多大な影響を及ぼした[26]。フジテレビのアニメプロデューサーで執行役員も務める清水賢治によると、「少子化の影響や塾通いの増加による子供たちの夕刻?19時台の在宅率の低下が大きい」と語り、一時はアニメ自体の放送を取り止めることも検討されたほどであり、結局は土日の朝枠に移動させる動きが主流になったという[8]

さらにファミコン登場以降、家庭用ゲーム機の普及で子供の関心がゲームに移ったことで、アニメ関連の玩具売り上げ低下によって玩具メーカーがスポンサーから撤退し、夕方からゴールデンタイムにかけての放送枠確保が難しくなっていた[26]

2000年代後半になると、キー局各局ではゴールデンタイム枠放送作品の消滅が相次ぐ。深夜アニメ本数当時最多を記録した2006年にはゴールデンタイム側は逆に撤退戦の状況となり[27]、フジテレビ系列では2006年9月、日本テレビ系列では2009年3月を以ってゴールデンタイム帯からアニメ枠を撤退した。テレビ東京系列では2000年代前半に最大6枠あったゴールデンタイムのアニメ作品の総本数は増減を繰り返した末、2018年9月をもって木曜19時台放送枠2本が日曜夕方枠へ移行により、ゴールデンタイム帯から全面撤退[28]


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