2ゲーム差以上をつけて6ゲーム以上を取得するとセットを得る。例としてゲームカウントが5-5となった場合は、6-5の後、7-5とすればそのセットを得る。ゲームカウントが6-6となった場合には、次のゲームはルールによってはタイブレーク (tiebreak) が行われる。タイブレークでは2ポイント以上の差をつけて7ポイント以上を獲得した方がゲームの取得者となり、このセットを得る。タイブレーク中のポイントの数え方は、zero、one、two、three、…となる(註:この時は0はzeroとなる)。タイブレークが行われたセットのスコアは、例としてセット取得者側から見る場合は7-6(6)のように表記し、この場合はタイブレークが8-6のスコアで終了したことを意味する(カッコ内の数字はタイブレークを取得しなかった方のポイント数である)。総セット数の過半数、例として5セットの内3セットを取得すれば勝利となる。
@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}タイブレークは1965年にJames Henry Van Alenが試合時間短縮のために考案し、1971年にウィンブルドン選手権において初めて導入された。この時には最終セット以外のセットでゲームカウントが8-8となった後に行うというルールであり、1979年に同大会において最終セット以外のセットでゲームカウント6-6の後に行うというルールに変更された。4大大会の全仏オープンでは最終セットでタイブレークを採用しておらず、2ゲーム差が付くまでセットが続行される[要出典]。かつてはオリンピック、デビスカップ、フェドカップでも同様のルールを採用していたが、現在ではすべてのセットでタイブレークを採用している[2][3]。2019年、全豪オープンとウィンブルドン選手権で最終セットのタイブレークが導入された[注釈 1][4][5]。
2005年秋以降の男子国際大会でのダブルスにおいて、ノーアドバンテージ、また1セットを5ゲーム先取方式とする(ゲームカウント4-4でタイブレークを行う)等のルール変更が提案されており、ダブルスプレイヤーを中心とした反対運動など論争が起こっている。
このシステムを試行した初の国際大会である2005年10月のAIGジャパンオープンテニスでは、日本の岩渕聡、鈴木貴男組が日本人ペアとして初のツアーダブルス優勝を果たしている。
2006年のナスダック100オープンにおいて、条件つきで判定に異議を唱えられる「インスタントリプレイシステム」(チャレンジシステム)が初めて採用された。選手が審判の判定に疑問がある場合に「チャレンジ」を行うと、「ホークアイ」というコンピューターグラフィックスを用いた自動ライン判定システムのスロービデオが流れ、判定がやり直される。この手続きは主審がオーバールールを行うのと同様に、オンプレイの場合はラリー中のボールを止めて行う。明らかなエースおよびアウトやフォールトの場合はポイントが適用されるが、その他の場合はレットとなり、ポイントをやり直す。誤審が判明すればチャレンジする権利は失われないが、判定が覆らなかった場合、その選手はチャレンジ失敗となり、チャレンジする権利を1回失う。
同システムは、4大大会では2006年の全米オープンにおいて初めて導入され、センターコートなど2会場で設置された。2007年には全豪オープンおよびウィンブルドン選手権でも導入された。日本では2008年に東レ パン・パシフィック・オープン・テニストーナメントにおいて、2010年にジャパン・オープン・テニス選手権においてそれぞれ初めて使用された。
2011年のウィンブルドンにおいては、インスタントリプレイ (Electronic Review) に関して以下のルールが適用されている。
タイブレークになった場合は、その時のチャレンジの残り回数に1回追加される。すなわち、そのセットでのチャレンジ失敗 (incorrect challenges) の限度が3回だったものが4回に増える。
最終セットにおけるチャレンジ失敗の回数の限度は、12ゲームごとに3回にリセットされる。すなわち、
ゲームカウントが6-6となった場合は、回数はリセットされ、続く12ゲームの間は3回までとなる。
チャレンジの回数は繰り越されず、12ゲームごとに回数がリセットされる。
線審がポイント終了時に視界をさえぎられ判定ができなかった場合、主審はインスタント・リプレイを要求してもよい。
インスタント・リプレイが何らかの理由で利用できない場合は、元の線審の判定あるいは主審のオーバールールが有効となる[6]。
なお、チャレンジシステムはクレーコートの試合ではコートにボールの跡が残るため採用されない。
用具テニスラケットとボール
ラケット
「テニスラケット」および「en:Overgrip」も参照棒状のグリップの先が輪になっており、そこに糸状のもの(ストリングスやガットと呼ばれる)が縦横に張られ、この面でボールを打つ道具。材質は、当初は木を加工していたが、その後、スチール、アルミ、などの単一素材が使われ進化して行き、近年は繊維強化プラスチック (FRP)、チタンなどを用いた複合材料のものが主流となっている。長さ69センチ前後、重さは240?380グラム程度。
ボール
黄色、表面はメルトンと呼ばれるフェルトで覆われている。直径6.35?6.67センチメートル、重さ56.7?58.5グラム。保管している缶に1.8気圧が保たれるようになっておりプレッシャー・ボールと呼ばれる。公式球の表面は白のメルトンであったこともある。大気圧のノンプレッシャー・ボールという練習球もあるが公式戦では使用できない。
コート
「テニスコート」および「en:Tennis_court」も参照テニスコートの大きさ床面の材質(サーフェス)は天然芝(グラス)、土(真砂土・荒木田土・粘土砂混合土。